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トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その3)

2008年08月19日

 トヨタが開発したパーソナル移動支援ロボット“ウィングレット”を、当サイト“初乗りレポート”でおなじみの自動車評論家・戸田治宏氏が試乗。今回は“初乗りレポート拡大版”としてウィングレットの実力を徹底検証する。

いよいよ試乗開始、加速は滑るようにスムーズ

 ハンドルを両手で握れるタイプLから試乗開始。勝手がまるでわからないので、はじめはインストラクターに手取り足取り教えてもらう。

 まず乗り込みだ。ウィングレットは後方に少し倒れたかたちで置かれている。メインスイッチを入れてハンドルを両手で握り、傾いているステップに片足を乗せる。そして、ハンドルを前方へゆっくり起こすと、ステップが路面と平行になるあたりでタイヤにトルクがかかる。車輌が倒立制御によって“自立”を始めたのだ。

 あとは、もう一方の足を乗せるだけ。ウィングレットは微妙に揺らぎながら前後のバランスを保ち、2輪で立っている。なんとなく宙に浮いているような、不思議な感覚……。

 操縦は重心移動で行う。体重を前にかければ前進、後ろにかければ後退だ。はじめは体重のかけ方に少々戸惑うが、前進なら胸を前に出す意識で体を前傾させると、うまく重心移動が行える。加速は路面を滑るようにスムーズで、振動やノイズは皆無。そして、体の思い切った前傾はもちろん、両足の親指に力を入れるくらいの微妙な加減まで、乗り手の直感的な重心移動が車輌の動きにリニアに反映される。

 ブレーキはなく、減速・停止も重心の移動で行う。ただ、混み合った試乗コースでは、ときおりインストラクターが前方からハンドルを抑えて試乗車を制止させた。が、それは彼が力持ちだからではない。2輪の倒立制御は、外からの小さな力でも制止が可能。後述するが、これもウィングレットの見逃せない特長なのだ。

 登降坂もスイスイ。前進以外の特別な操作は必要なく、ちょうどエスカレーターのようにステップを水平に保ったまま登り降りしてくれる。最大登坂能力は20度。斜めの段差を乗り越えた場合などの直進制御、片輪が浮いた際の空転制御など、走行安定性に対する配慮も抜かりない。
(文:戸田治宏、写真:編集部)

【トヨタ・ウィングレット初乗りレポート】
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その1)
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その2)
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その4)
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その5)
●トヨタ自動車
http://toyota.jp/
▲まずは長いハンドルを持つタイプLから試乗。乗り込む段階から勝手がまるでわからないためインストラクターに教えてもらう。
▲メインスイッチはハンドルの左側前方にふたつ並んでいる右側のボタン。左側のシーソースイッチは旋回スイッチだ。
▲倒立制御によって“自立”を始めたウィングレットは、微妙に揺らぎながら前後のバランスを保ち続ける。不思議な感覚だ。
▲操縦は重心移動で行う。加速は滑るようにスムーズで、振動やノイズは皆無だ。乗員の重心移動にもリニアに反応する。

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