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トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その5)

2008年08月21日

 トヨタが開発したパーソナル移動支援ロボット“ウィングレット”を、当サイト“初乗りレポート”でおなじみの自動車評論家・戸田治宏氏が試乗。今回は“初乗りレポート拡大版”としてウィングレットの実力を徹底検証する。

ウィングレットは大型施設内の移動手段として現実的

 トヨタのパートナーロボット開発は、自動車や産業用ロボットで培った技術がベースになっている。だが、ロボット開発を推進しているのは、その技術力をアピールするためでもなければ、金余りで始めた道楽でもない。
 トヨタはパートナーロボットを、将来の中核事業のひとつと捉えているのだ。

 パートナーロボット開発の方向性として考えられているのは、家事支援、介護・医療支援、パーソナル移動支援、製造モノづくり支援の4つ。このうちウィングレットが担うのは、近距離のパーソナル移動支援だ。ショッピングモールや空港施設内の移動、クルマや電車を降りてからの足としての使い方を想定。とくに、近年は商業エリアや店舗などが大型化しており、歩行での移動距離が増えているため、屋内を中心とした施設内での移動手段としてはとても現実的だ。

 こういう場所は人の往来も当然多く、歩行者と混在することになるが、ここで前述したウィングレットの特長が活きる。コンパクトで邪魔にならず、周囲に圧迫感を与えない。車速は最高でも早歩き程度の速さ。また、倒立制御により軽い力で制止できるするため、もし人と衝突しても傷害を与える危険性が低い。“小さな翼”は、歩行者との親和性がとても高いのである。

 今秋からは中部国際空港とシーサイドリゾートのラグーナ蒲郡で実証評価を実施。来年にはこれに大型複合商業施設のトレッサ横浜も加わる。コストダウンや軽量化など、市販化にはまだ課題も残っているが、近未来の移動ツールが現実のものになる日は、着実に近づいている。新しいスポーツギアとしての、趣味的なニーズもあるだろう。

 唯一の心配は、こういう便利なモノがあると、ヒトは自分の足でますます歩かなくなってしまうかもしれないこと。こうなると、運動不足解消を支援するロボットも必要になる!?
(文:戸田治宏、写真:編集部)

【トヨタ・ウィングレット初乗りレポート】
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その1)
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その2)
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その3)
・トヨタ・ウィングレット初乗りレポート(その4)
●トヨタ自動車
http://toyota.jp/
▲ウィングレットは単なる遊びの道具として開発されたのではない。トヨタは将来の中核事業のひとつととらえている。
▲ウィングレットは近距離のパーソナル移動支援を担うパートナーロボット。大型施設内の移動の足としてとても現実的だ。
▲コンパクトで軽い力で制止できるウィングレットは、歩行者と混在した状況でも周囲に圧迫感を与えず、安全性も高い。
▲市販化するためにはまださまざまな問題があるが、ウィングレットは近未来の移動ツールとして大きな可能性を持っている。

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