新型ムーヴの実力は軽トール・ワゴンの常識を超越
DATA
ダイハツ・ムーヴ
フルモデルチェンジ
価格:101万8500〜135万9750円
種別:背高系軽自動車
エンジン:0.66直3(58ps)
変速機:5M/T、4A/T、CVT
駆動方式:FF、4WD
文:戸田治宏
写真:編集部
どんなクルマ?

4代目にフルモデルチェンジされたムーヴは、プラットフォームからほとんどすべてが一新されている。ホイールベースはタントより長く、軽自動車トップの室内長を実現! パワートレーンも注目で、XリミテッドではエッセでデビューしたKF-VE型NAエンジンと、ソニカに初搭載されたインプット・リダクション式CVTがドッキングされている。大胆なフローティング・バイザーのインパネなどデザインも気合い十分。
良いところ

XリミテッドはNAの軽自動車で最速。KF-VE型は実用域で力強いうえ、CVTがパワーを切れ目なく引き出す高回転域は、軽ターボを彷彿とさせるほどだ。吹き上がりも上質。足まわりは先代に認められたリアの頼りなさが姿を消し、65扁平タイヤとともにシッカリ感のある操縦安定性を実現している。4A/TのXでも動力性能は高水準。タイヤが80扁平のためアンダーステアは強まるが、操安性に破綻は見られない。
気になるところ

ホイールベースの長さは取り回し性に影響を及ぼす。実際、最小回転半径はXが4.3m、タイヤが太いXリミテッドは4.5mと、先代の4.2mから拡大。前輪の切れ角を大きくして拡大は最小限に抑えているが、内輪差には注意が必要だ。軽自動車ならではの小回り性を求めるならLかXがいいだろう。また、新しい3軸式CVTは、パワーバンドで高音質のノイズが少々耳につく。まぁ、ケチをつけるとしたらこのくらいか……。
ライバルは?

競合車の筆頭は、言わずと知れたスズキ・ワゴンR。だが、今度ばかりは百戦錬磨のベストセラーも楽観はしていられない。新型ムーヴは老若男女を問わずに乗れるルックスを身につけ、走りの性能や質感はライバル以上。室内の広さではワゴンRを圧倒しているのだ。ホンダ・ゼストは重厚感タップリの走り味、スバル・ステラは熟慮された室内の使い勝手が特徴だが、新型ムーヴの総合力の高さにはタジタジ!?
総合評価
SPEC
ダイハツ・ムーヴXリミテッド
(FF・CVT)
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1630mm
ホイールベース:2490mm
車輌重量:840kg
エンジン:0.66直3DOHC
最高出力:58ps/7200r.p.m.
最大トルク:6.6kg-m/4000r.p.m.
最小回転半径:4.5m
(Xリミテッドは12月発売予定)
XのサスペンションはXリミテッドと同じなので、タイヤを換えれば同じ足まわりが手に入る。パッケージ、性能、質感のほとんどすべてにおいて、完成度の高さは軽トール・ワゴンの常識を超越。このクラスの新しいベンチマークと言ってもいい。1.0〜1.3リッター・クラスからの乗り換えや、都市部での販売増加といった軽自動車人気の追い風に乗って、“打倒ワゴンR”の悲願を達成する可能性は十分にあるとみた。
ズバリ結論! 恐るべき軽トール・ワゴンの新基準