新型ヴィッツ、商品力アップでライバルを迎え撃つ
DATA
トヨタ・ヴィッツ
マイナーチェンジ
価格:107万1000〜163万8000円
種別:Bセグメント・ハッチバック
エンジン:1.0直3(71ps)、1.3直4(87ps)、1.5直4(110ps)
変速機:5M/T、4A/T、CVT
駆動方式:FF、4WD
文:佐野弘宗
写真:編集部
どんなクルマ?

2代目ヴィッツ初のマイナーチェンジでは走行メカの変更はほとんどなし。最近のトヨタ流儀どおりにサイド&カーテンエアバッグを全車標準化したほか、エクステリア前後を微妙にイメチェン(RSを除く)して、ドアミラーウインカーも全車に標準装備した。注目すべき新機軸としては、1.5RSに新採用されたパドルシフト、そして肩や腰、足の部分にヒーターを配した“快適温熱シート”などがある。
良いところ

快適温熱シートは的を絞ったヒーター配置と2段階の温度調整によって、冷え性の方が季節を問わずに使えるのがキモ。シートヒーターは必要とする人には不可欠の健康装備だけに、ヴィッツのようなコンパクトカーに用意されたことはうれしい。このシートだけでヴィッツを選ぶ人がいるはず。また、サイド&カーテンエアバッグの全車標準化も、トヨタが動いたことの社会的影響は大きい。いい意味で。
気になるところ

その快適温熱シートが一部グレードにしか用意されないのは残念。サイド&カーテンエアバッグだけでなく、快適温熱シート、ステアリングのテレスコピック調整、そしてVSCといった基本的な健康・機能・安全装備は、全車に設定すべし。クルマの根幹部分におけるグレードによる差別化はうれしくない。これはトヨタだけの問題ではないが、トヨタが動かないと、日本の自動車業界はなかなか動かない。
ライバルは?

宿敵フィットのデビューに先んじる形で実施されたヴィッツのマイナーチェンジ。そのほかにもマーチ、デミオ、スイフト、コルト……と国際派コンパクトハッチは百花繚乱だが、室内スペースや燃費、高速安定性などなど、ヴィッツはさすがにどの項目でもきちんと上位につける。また、走行性能になんら不満なく、維持費も安い1.0リッター車が用意されているのは、ヴィッツの大きなアドバンテージだ。
総合評価
SPEC
トヨタ・ヴィッツ1.5I'LL(CVT)
全長:3785mm
全幅:1695mm
全高:1520mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:1060kg
エンジン:1.5直4DOHC
最高出力:110ps/6000r.p.m.
最大トルク:14.4kg-m/4400r.p.m.
最小回転半径:4.7m
グレードによる機能の差別化はあるものの、選択肢の多さではライバルを圧倒するヴィッツ。内外装の仕上げ品質もクラストップで、このボディサイズにしては室内も広く、1.0リッターでも十二分に力強く走る。快適温熱シートや1.3RSグレードの追加で商品力を確実に高めて、新型フィットとの闘いがスタート。ただ、走行性能やリアシートの座り心地に手直しが入らなかったのは残念だけど……。
ズバリ結論! 走り性能の進化はとくにないです。