新型インプレッサSTIはフィジカル性能が大幅アップ
DATA
スバル・インプレッサWRX・STI
フルモデルチェンジ
価格:344万4000〜365万4000円
種別:Cセグメント・ハッチバック
エンジン:2.0水平4+ターボ(308ps)
変速機:6M/T
駆動方式:4WD

文:佐野弘宗
写真:宮越孝政
どんなクルマ?

宿敵ランエボXの約3週間遅れでデビューした新型インプレッサWRX・STI。エンジンや駆動系こそ従来の発展型だが、ボディやサスペンションなどの基本骨格は先行発売した新型インプレッサがベース。初代〜2代目インプはパッケージも普遍だったから、新型はインプSTI史上初の“完全リセット”といってもいい。2.0リッター・ターボはついに大台超えの308psで、280psのままだったランエボXを一歩リード。
良いところ

走り出してすぐに感じる基本フィジカル性能の飛躍的な向上。カートのようにガチガチだった先代インプSTIの最終期と比較すると、硬いながらも滑らかかつ豊かにストロークするサスで、乗り心地よく荒れた路面への寛容性も高い。キッカケのヨーを出しやすいのはランエボXだが、ヨーが出てからの自由度はランエボに負けず。エンジンフィールや全体の剛性感など、今やポルシェっぽい雰囲気すら感じる?
気になるところ

基本能力の進化は疑う余地のないところだが、クルマ全体の濃厚な接地感に対して情報量が希薄なステアリングや、絶対的な効きは申しぶんないがスピードに対してストロークが大きすぎる感があるブレーキなど、細かい熟成の余地はある。この辺は今後の年次改良に期待。また、中低速トルクが薄く、高回転で炸裂するエンジンフィールもエンスーだが、楽に速く走れるのは中低速も太いランエボのほう。
ライバルは?

もはや“永遠のライバル”といえる三菱のランエボ。最新のエボXはボディやシャシーのほか、完全な新世代エンジンやツインクラッチM/T、さらに進化したヨーコントロール4WD……などなど、新機軸の採用に貪欲だ。対するインプはボディとシャシー以外は従来技術の熟成版。同じペースで走らせるなら、ランエボXよりドラテクを要求するインプSTIだが、性能を引き出したときの速さは本当に互角。
総合評価
SPEC
スバル・インプレッサWRX・STI(6M/T)
全長:4415mm
全幅:1795mm
全高:1475mm
ホイールベース:2625mm
車両重量:1480kg
エンジン:2.0水平4DOHC+ターボ
最高出力:308ps/6400r.p.m.
最大トルク:43.0kg-m/4400r.p.m.
最小回転半径:5.5m
この最新型でも、ダイナミクス方面での電子制御はロック率の任意設定と自動制御ができるセンターデフのみで、ギアボックスも6M/Tのみ。デジタルでドライビングの新境地を開拓したランエボに対して、インプSTIは今なおアナログの魅力にあふれる。基本能力が上がったことで、ふたたび“ストリート・スポーツカー”としてなんとか使える快適性を取り戻しつつも、せまい山道なら日産GT-Rにも勝てるかも?
ズバリ結論! 腕を磨くならランエボよりインプ