ハードウェアの完成度はクラストップ、VWパサートTSI
DATA
VWパサートTSIコンフォートライン
追加モデル
価格:329万円(セダン)、345万円(ヴァリアント)
種別:Dセグメント・セダン/ワゴン
エンジン:1.8直4+ターボ(160ps)
変速機:6A/T
駆動方式:FF
文:佐野弘宗
写真:篠原晃一
どんなクルマ?

これまでのベーシック・グレード、2.0の後釜モデル。TSIという名のとおり、ガソリン直噴ターボの最新高効率コンセプトのエンジンを搭載。これはゴルフ系でお馴染みの1.4ツインチャージャーではなく、アウディA3と共通の160psの1.8シングル・ターボ。ただし、トランスミッションはアウディと異なりトルコン式6A/Tを採用。また、ドイツ本国開発の新型HDDナビがこのパサートからオプション設定された。
良いところ

出力レベルは1.4ツインチャージャーと同等だが、静粛性や振動の少なさでは1.8TSIの圧勝で、VWがあえてエンジンを使い分ける真意は、乗ればすぐに理解できる。滑らか変速の6A/Tもこの高級な味わいを後押ししており、究極的な効率ではDSGが優っても、ラグジュアリーカーらしいドライバビリティで、個人的にもこのトルコン式6A/Tを支持したい。乗り心地も素晴らしく、本当によくできた実用セダン/ワゴンだ。
気になるところ

ハードウェア的にはほとんど文句なしのデキだが、上級の2.0ターボFSIとのヒエラルキーを意識しているのか、パワーフィールや変速プログラムなどが明確に燃費志向のチューニングとなっている。もちろん実用上の不足はないのだが、過給エンジンらしいパンチ力はあまり感じない。また、サスチューンの微調整のせいか、従来の2.0よりわずかに路面の当たりが硬め。それでもクラス随一の乗り心地だけど。
ライバルは?

欧州ポピュラー・ブランドのDセグメント……という意味なら、今の日本で買えるライバルはプジョー407にシトロエンC5、そして日本のアベンシス、アコード、アテンザ、レガシィなど。価格的には国産6気筒モデルとほぼ同等で、動力性能はかなわないが、各部の仕立ての質感、居住性、乗り心地、メカニズムのウンチク……などなどで、パサートTSIコンフォートラインに割高感なし。国産車にとっても強敵。
総合評価
SPEC
VWパサート・ヴァリアントTSIコンフォートライン(6A/T)
全長:4785mm
全幅:1820mm
全高:1530mm
ホイールベース:2710mm
車両重量:1520kg
エンジン:1.8直4DOHC+ターボ
最高出力:160ps/5000〜6200r.p.m.
最大トルク:25.5kg-m/1500〜4200r.p.m.
最小回転半径:5.3m
パワーで10ps、トルクで4.1kg-m向上しつつも、10・15モード燃費値は従来の2.0からわずかに悪化したが、動力性能の余裕はわずかにあるので、実用燃費は間違いなく向上しているはず(今回は試せませんでした)。もともと軽量で絶対的な動力性能には不足なく、その走りは穏やかに快適で、しかも高負荷域でも粘りつくように安定している。すでにトップ級のデキだったハードウェアがさらに進化した。敵なし。
ズバリ結論! 現代Dセグメントのメートル原器