サーブ9-3、ハマるとクセになる際立つ個性が魅力
DATA
サーブ9-3
マイナーチェンジ
価格:368万〜654万円
種別:プレミアムDセグメント
エンジン:2.0直4ターボ(175、209ps)、2.8V6ターボ(255ps)
変速機:5段A/T、6段A/T
駆動方式:FF
文:佐野弘宗
写真:編集部
どんなクルマ?

2003年の発売以来、毎年のように細かい改良が加えられてきた現行9-3だが、フェイスデザインを大きく変える本格フェイスリフトは今回が初。9-5に続く大型グリルの最新サーブ顔だが、サイドまで回り込んだボンネット形状も往年の900をイメージした、いわゆるひとつの“ヘリテッジ(=遺産)デザイン”である。熟成されてきている基本メカ、グレード構成、そしてインテリアに大きな変更点はない。
良いところ

パワフルで静かで扱いやすいターボエンジンと、自然な風合いでサイズも大型のシートは絶品。断崖絶壁系のダッシュボードデザインもサーブ伝統で、同じスウェーデンのボルボとは対照的にタイトにほの暗いインテリアは慣れると非常に落ち着く。ヒタッと身体にフィットするドラポジやシート、そして微妙な速度コントロールしやすいパワートレイン……。ロングドライブ好きには、サーブは隠れた推奨株のひとつ。
気になるところ

低速からグイグイとトルキーなエンジンに対して、昨今では珍しいほど明確なトルクステアが発生する。中立付近の敏感で、しかもロールスピードが速い……というサーブ伝統のフットワークも個性といえば個性だが、高級Dセグメントとしての一般的価値観でいえば好ましく思わない人も多いはず。“いいクルマ”のあり方が国際的に平準化している昨今にあって、9-3の乗り味は良くも悪くもクセが強い。
ライバルは?

メルセデス、BMW、アウディ、ジャガー、ボルボ、アルファロメオ、レクサス……といった各国の高級ブランドの対抗する役割をGMグループで担うのが、キャデラックでありこのサーブ。9-3は3シリーズやCクラスに相当するモデルで、価格設定もガチンコ勝負。プラットフォームの基本設計はオペル・ベクトラと血縁関係にあるが、エンジンやサスは専用設計で、コストもそれなりにかかっている。
総合評価
SPEC
スポーツエステート・エアロ
全長:4670mm
全幅:1800mm
全高:1540mm
ホイールベース:2675mm
車輌重量:1630kg
エンジン:2.8V6DOHCターボ
最高出力:255ps/5500r.p.m.
最大トルク:35.7kg-m/1800r.p.m.
最小回転半径:―m
あえて控えめに端正で、まとまりのいいスタイリングを売りにしていたサーブだが、大開口グリルの流行に合わせた新顔デザインへの切り替えも完了。トルクステアが強く、クターッとロールしながら4輪もろとも曲がっていく独特の回頭性は良くも悪くも独特で、ドイツ系好きには違和感があるが、慣れると不思議と快感になる。乗り味にこれほど明確なクセ=個性があるクルマも最近はめずらしい。
ズバリ結論! 乗るほどにハマる不思議テイスト