強靭ボディを獲たフェラーリF430スパイダー
DATA
フェラーリ・F430スパイダー
マイナーチェンジ
価格:2228万1000円〜2354万1000円
発売:5月29日
種別:2ドア幌式オープン
エンジン:4.3V8(490ps)
変速機:6M/T、6A/T
駆動方式:ミドシップ・リア駆動
文:石井昌道
写真:郡 大二郎[→写真集
取材協力:コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
どんなクルマ?

2004年9月のパリ・モーターショーでデビューしたF430のオープン・モデル。オール・アルミ製フレームは、従来モデルの360モデナと基本骨格は同様ながら、主に床面を強固にすることで大きな剛性向上を果たしている。また、1970年代に登場した308用エンジンをベースに進化してきたV8ユニットとは決別し、先にマセラティ用として世に送り出されたV8をベースに開発したものへ改められた。車名の430は、エンジン排気量に由来する。
良いところ

基本構成は360モデナのブラッシュアップバージョンと言えるのだが、その進化幅はあまりに大きく、別物と思えるほど。排気量を増しながらも高回転域のパンチに優れるエンジン、完成の域に達したF1タイプ・ギアボックス、素直な操縦性を実現したE-Diff(エレクトロニック・デフ)。パフォーマンスの高さにも感服するが、それ以上に驚きなのが従来のような癖がなく扱いやすいこと。街乗りでの快適性も高く、その気になればアシにも使える。
気になるところ

気になるのはスパイダー化による操縦性等の変化だろう。オープンボディは爽快なドライビングが楽しめる反面、どうしてもボディ剛性が低下する宿命にあるからだ。実際、360モデナまでのスパイダーはハンドリング性能的にはベルリネッタ(クーペ)に適わないのが常識だった。ところが430スパイダーは、スポーティな走行をしても剛性の低下を感じさせず、ネガティブ面はなし! 430の劇的な進化はこんなところにも感じるのである。
ライバルは?

V8フェラーリのライバルで真っ先に思い浮かぶのはポルシェ911だが、速さ、扱いやすさともに430が上回っている。ハイパワーなエンジンに軽量・高剛性な車体という面で、価格の差が出てしまって致し方ないところだが、良く出来たミドシップの430に、RRの911ではもはや限界を感じる。ランボルギーニ・ガヤルドは500psのV10エンジンに1430kgの車重とパワーウエイトレシオが近く、4WDという武器も持つので脅威。ただしオープンモデルはない。
総合評価
SPEC
フェラーリ・F430スパイダー Type F1
全長4512×全幅1923×全高1234mm
ホイールベース:2600mm
車輌重量:1520kg(欧州仕様)
エンジン:4.3V8DOHC
最高出力:490ps/8500r.p.m.
最大トルク:47.4kg-m/5250r.p.m.
変速機:6A/T
最小回転半径:未定
これまでフェラーリが持っていたエモーショナルな面に加えて、扱いやすくドライバーフレンドリーとされた430。レーシングカーもそうだが、もはやここまでパフォーマンスが高くなってくると、癖のある操縦性ではドライバーへの負担が大きすぎるということもあるのだろう。ハード面にコストをかけることはもちろん、腕の立つテストドライバーがしっかりと磨き上げたことをヒシヒシと感じる。さすがはF1チャンピオン・チームなのだ。
ズバリ結論!常識を覆す高剛性スパイダーボディ!