【ジュネーブ08】KTMクロスボウの量産仕様が初公開

▲KTM初の4輪モデルであるクロスボウの量産バージョンがついにお披露目。開発にダラーラが深く関与した公道レーサーだ。

▲パワーユニットは240bhpのアウディ製2.0直4直噴ターボ、2.0TFSIを搭載。0〜100km/h加速3.91秒は911ターボ並みだ。

▲シャシー・セッティングや空力面はダラーラが開発。年内にはレース仕様が登場し、ワンメイクレースの開催も検討中だ。

▲コクピットには運転に必要な装備だけが備わる。ドラポジはペダルを動かして調整。シートはモノコックに固定されている。
 オーストリアの2輪メーカーであるKTMは、同社初の4輪車であるオープン2シーター・スポーツのクロスボウ(X-BOW)の量産バージョンを世界初公開した。

 KTMは昨年のジュネーブショーでクロスボウのコンセプトカーを公開。その斬新なスタイリングと魅力的なパッケージングは世界中のエンスージアストの注目を集めた。同社はその後も量産化に向けて開発を続け、ついに量産バージョンをお披露目するに至った。

 スタイリッシュかつ高性能なバイクで知られるKTMらしく、そのスタイリングはスーパーバイク並みにアグレッシブ。キャビンには小さなポリカーボネート製ウインドシールドが備わるのみで、ドアすらもない。エアコンやオーディオなども当然のように備わらず、まさに“走るためだけに生まれてきたクルマ”であることを全身で表現している。

 ボディサイズは全長3670mm、全幅1870mm、全高1160mmと非常にコンパクト。ホイールベースは2430mmで、全長の割に長めとなっている。

 最大の特徴は、カーボンファイバー製モノコックの採用だ。このモノコックはKTMとイタリアのレーシングカー・コンストラクターであるダラーラが共同開発したもの。サンドウィッチ構造のフロアパンやクラッシュボックス(フロント)を備え、車輌重量721kgと軽量でありながら、F3の安全基準をクリアする高い安全性を確保した。

 シャシーもダラーラが開発とチューニングを担当した。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンを採用。フロントのショックアブソーバーはプッシュロッド式とされた。シャシーは“スポーツ”と“レーシング”の2種類が用意され、レーシング・シャシーには伸び側/縮み側減衰力調整機構付きWP製ショックアブソーバーと車高調整機構が備わる。

 空力面もダラーラの風洞で開発。主にアンダーボディとディフューザーの効果により、100km/h走行時で50kg、200km/hでは200kgものダウンフォースを発生。横Gが半径30mのコーナーで1.0G、半径200mのコーナーでは1.23Gにも達する驚異的なコーナリング性能を実現した。

 パワーユニットは最高出力240bhp/5500r.p.m.、最大トルク31.6kg-m/2000〜5000r.p.m.のアウディ製2.0リッター直4直噴ターボ、2.0TFSIをリアミドに横置き搭載。トランスミッションはクロスレシオの6M/Tを組み合わせ、後輪を駆動する。この結果、0〜100km/h加速3.91秒、最高速度217km/hという、スーパースポーツ並みの動力性能を実現。加速性能だけでいえば、最高出力がちょうど2倍のポルシェ911ターボと同等だ。将来的には6段2ペダルM/TのSトロニックも用意される。

 ちなみに、今回出展されたモデルは“クロスボウ・ダラーラ”と名づけられたスペシャル・バージョン。レーシング・シャシーやクイック・リリース/ロッキング機構付きホイール、機械式LSD、カーボン製エアロパーツなどを採用した100台のみの限定車で、すでに完売しているという。KTMでは、2008年中に最高出力を300ps程度に向上させた2.0TFSIを搭載したレース仕様も発表予定で、ワンメイクレースの開催も検討中だ。

 生産はオーストリアのグラーツ近郊に新設された工場で2008年中頃に開始予定。生産台数は年内に500台、年間最大1000台を計画している。現状では日本導入計画のアナウンスはないが、ぜひ期待したいところだ。

・ジュネーブショー2008パーフェクトガイド

●TKM X-BOW
http://www.ktm-x-bow.com/