GM/サーブの先行デザイン開発のヘッドを務めるアンソニー・ローは、かつてロータス・カーズ在籍時にエリーゼの雛形を作ったデザイナーとして知られている。'90年にアウディへ移り、'93年にはダイムラー・クライスラーのメルセデス・ディビジョンで先行デザイン開発部門を束ねる要職に就き、'00年からGM/サーブの同じく先行開発を統括するポジションにある。つまりデザイン面における「近未来への舵取り」を専門に手がけてきたデザイナーだ。
時代を先取りする予知能力が求められる彼のような立場のデザイナーの目に、今回の東京モーターショーはどのように映ったのだろうか? 「私にとってのハイライトは、ホンダのFCXコンセプトとマツダの先駆ですね。どちらも力強いワンモーション・フォルムではあるのですが、表現方法とデザイン言語は好対照と言っていいでしょう。FCXコンセプトはファンクショナル(機能的)であると同時にとてもクリーンで、かつロー&ワイドなスタンスがとても印象的です。それに対して先駆は、どこか生物を思わせる有機的なデザインが特徴的で、どちらかというとファンクショナルなデザインが多い日本車にあって、ひとり異彩を放っていましたね。それぞれ意図するところは違っても、他にはない強烈な個性を放っていたと思います」 
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