イギリスのハリアー・ジェット戦闘機に良く似た「スカイカー」の機体は、ハリアー同様に垂直離陸が可能で、自宅の庭先から離陸して、目的地でも垂直に着陸。まさに自動車と同じ感覚で扱えるシロモノです。
ボディには強化プラスティックを使用しており、最高速度は時速608キロ、航続距離は1450キロ以上に達するといいますから、単純に移動手段として考えれば、これほど効率の良い機械はアリマセン。
搭載されるエンジンは同社独自の技術で開発されたロータリー・エンジンで、1つのエンジンナセル内にプラペラを挟む格好で2基1組として前後に設置されています。
その合計出力は645馬力となり、人員と貨物を含め最大総重量1トンの機体を、軽々と垂直離陸させる能力を持っているのが特徴です。
これらの性能は一般的なヘリコプターと比べると巡航速度及び航続距離が約3倍ということですから、航空機として考えてもかなり優秀な部類なのでは?
さらに将来的には8基中4基をロータリー・ターボとする予定だとか。
上空2万フィート以上における水平飛行では、NAのロータリーでは効率が悪いため、4基のNAロータリーを低高度用、残り4基のロータリー・ターボを高高度用にする予定なのだそうです。
*写真をクリックすると拡大します。
なお、ガソリンタンクは機体の前後に設けられおり、その燃料容量は合計約230リッターとなります。
燃費は1リッターあたり11.78キロといいますから、下手な自動車よりもよっぽどランニングコストが低いのも特徴です。
燃料もごく普通の自動車用ガソリンでOK。場合によっては、軽油や天然ガスなどを代替燃料とすることも可能だというので、ガソリンの入手が難しい地域でも活躍できそう。
*写真をクリックすると拡大します。
ところで、垂直離陸型の軽飛行機となると、気になるのが運転操作。
垂直離陸は、そもそも操縦が難しいらしく、ジェット機であっても、実用化されているのは前述のハリアーと旧共産圏で活躍していたホージャーぐらいのものです。
この点について、モラー博士は、「現代の航空機のほとんどがコンピューターによる自動制御で離発着できるのと同様、スカイカーもまた離陸から着陸までの操作はほとんど自動制御されているため、特殊な操作技術はほとんど必要ない」といいます。
ちなみにスカイカーが一般に普及するためには、より高い安全性の確保が必要ですが、「スカイカーM400」には緊急着陸用のパラシュートが2つ備わっており、エンジンに異常が発生した場合、機体前後に配されたパラシュートが安全にバランス良く機体を着地させてくれるという安全機構付きでした。
【騒音は出ないの?】
ジェットエンジンを搭載したハリアーは、垂直離陸式のため、特に発生する騒音が著しいのが特徴です。ところが、ジェットエンジンと異なり、オリジナルのロータリー・エンジンを使った「スカイカー」は15m離れた場所でわずかに85デシベルしか騒音を発生させません。これはちょっとうるさいドラッグレーサー並みの音量。市販段階ではこれをさらに改良して75デシベル以下まで低下させるとか。ちなみにエンジン自体の発生ノイズはわずかで、大きな原因はプロペラが回転する際に発する周波数。現在、異なる周波数を発生させて消音させる周波数発生装置を開発中だとか。
【道路も走れるの?】
「スカイカー」という名前だけに陸上における自走性能をたずねたところ、残念ながら自動車並みの性能はないとのこと。陸上の移動は1~2キロが限界、それも時速20~30キロ程度でしか走行できないそうです。
【どうやって飛ぶの?】
エンジンナセルの方向を変えなくても、排気される風の方向を90度まで自由に変更できるというのが、現在開発を進めているフレキシブル・バンズ。次期改良型「M400」には、出力を向上させた新型ロータリー・エンジンと共にこの機構が搭載される予定で、離発着もよりお手軽になる模様です。
*ということで、未来の自動車「スカイカー」ですが、明日は市販化された場合を想定した、同社のコマーシャルなどを紹介しましょう。ちなみに、かなり笑えます……。
【スカイカー関連記事】
●スカイカー#01


