クラシック・マスタングの中でも、初代ファストバックの美しさは際立ったものがあったと思います。特に真横から見た時の美しさは、アメリカ車の歴史の中でもトップクラスの出来のよさかと。
ルーフからテールまで流れるようなラインが……あれ? なんかこのマスタングはちょっと変ですねぇ。繊細なマスタングのボディラインには到底似つかわしくないパワーバルジがあるではありませんか……。
ここで紹介している1965年型マスタング・ファストバックは、じつは前回ご紹介させていただいたフォードFR100と同時期にフォードが製作した車両で、2003年のSEMAショーにお披露目されたクルマです。
ベースは前述の様に1965年式のファストバックですが、パワーユニットは5.0リッターDOHC4バルブの"Commer"クレートモーターにスワップされています。
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注目すべきはクラシックなウェーバー(Weber)キャブレターを特注のインテーク・マニフォールドでダウンドラフト・マウント化している点でしょうか?
アメリカ車のキャブレターといえば、ホーリー(Holley)やエーデル・ブロック(Edelbrock)をイメージするとおり、ウェーバー・キャブレターは超少数派。
極稀にMOONEYES製クロスラム・マニホールドとのセットでウェーバー・キャブレターの4器がけを見ることがありますが、この場合でもクロスラム・マニホールドの性格上、キャブレターの位置はサイドドラフト・マウントとなります。
つまり、ご覧の様なダウンドラフト化は本当に珍しいものなんですね。
ウェーバー・キャブの4器がけ+"Cammer"モーターの組み合わせは、最大出力420馬力とけっして高くありませんが、エンジンルームの景観はレトロフィット系スワップモーターの中でも秀逸の出来だと思います。
このようにレイトモデルのパワーユニットへスワップしたクラシックなマッスルカーは、今も昔も人気の高いクルマですが、最近のパワーユニットはそもそも見栄えが悪く、載せ変えてもなかなかカッコ良く仕上がりません。
GMのLS系エンジンなんて、エンジン自体のマウント位置の問題もあってクラシックなモデルに載せ変えると大抵は高さが足りずに、見栄えが悪くなりますからね。
その点、フォードの"Commer"エンジンは、なかなか納まりがいいように思えます。DOHCということもあってか、ヘッド回りの迫力も十分で、クライスラーHEMI並みの存在感があるのではないでしょうか?
今さらDOHCというのもどうかと思いますが、クラシックなアメリカ車のレトロフィットには"Cammer"エンジンはいいチョイスかもしれませんね。
個人的には`63のギャラクシーあたりに載せたら、もの凄くカッコいい思うのですが、じつは現代版"Cammer"5.0リッター・エンジンのベースになったのが4.6リッターのSVTコブラ用V8というのが気になります。
SVTコブラのエンジンはかなりピーキーで、その割りにトルクもパワーも今ひとつという出来だったので、ボアサイズを拡大した5.0リッター・"Cammer"エンジンも、じつはあまり重量のある車両との組みあわせはよろしくないのかも……。
となると、比較的重量の軽いマスタングに"Cammer"エンジンという組み合わせは、やはり悪くないのでしょうね。さらに1965年式となれば、たしかオリジナルの"Cammer"エンジンが発売された年ですので、ご覧の1965マスタング・ファストバック&"Cammer"エンジンというのは、じつはかなり計算された組み合わせなのかもしれません。
| 1965 Mustang Fastback | |
| Year | 2003 |
| Make | Ford Racing Technology |
| Model | 1965 Mustang Fastback |
| Engine Location | Front |
| Drive Type | Rear | Engin |
| Engine Type | 5.0L V8 |
| Horsepower | 420 bhp @ 6700 rpm |
| Torque | 395 ft-lb @ 4000 rpm | Transmission |
| Transmission Type | Tremec 5-speed M/T | Dimensions |
| Doors | 2 |
| Wheels | BBS |
| Tires | n.a. |
| Brake | n.a. |


