2007年07月14日

2007 フォード・エクスプローラー・スポーツトラック ( 日本仕様 )新車情報(USA)

2007 フォード・エクスプローラー・スポーツトラック

 2007年モデルの新型フォード・エクスプローラー・スポーツトラックがいよいよ日本でも発売が開始されました。

 4ドアのクルーキャブ+荷台を備えたラグジュアリーなピックアップトラックが正規輸入されるということですから、トラック好きのアキモトにとってもビッグニュース。

 ということで、本日はこのエクスプローラー・スポーツトラックのご紹介をしていきましょう。

 ちなみに本日の本文は「6601文字」。アキモトの過去ブログの中でも、もっとも長文のブログとなりますので、覚悟の上でお読みください。

2007 フォード・エクスプローラー・スポーツトラック

【バックボーン】

 2001年に登場したスポーツトラックはSUT(スポーツ・ユーティリティ・トラック)という新しいジャンルを開拓した、まさにもっともフォードらしい1台です。

 なんと30年間もの長きに渡ってフルサーズ・ピックアップトラック・カテゴリーにおけるベストセラーを記録しつづけているフォードは、そのベストセラートラックであるFシリーズで培った高い信頼性と独自の技術力をベースに、これまたSUVカテゴリーのベストセラーであるエクスプローラーのDNAを注入することで、「スポーツトラック(SPORTS TRAC)」というまったく新しい1台を誕生させたのです。

 ある意味、このスポーツトラックは、フォードでなくては実現できなかったクルマといえるのかもしれません。

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▲元々とても静粛性の高いエクスプローラーをベースにしていながら、さらにアクスルまわりがキャビンの外にあるため、より一層静かになった室内。運転するのはデイトナ副編集長のGO。
 ちなみに、「単なるトラックではなく、よりアクティブな使い方が可能なSUVの派生モデル」というコンセプトで開発されたために、ネーミングにもこだわりがあり、「TRUCK」ではなく、あえて「TRAC」という言葉を使っています。

 実際に乗ってみると、確かにこのクルマは俗に言うトラックとはまったく異なるものであり、荷台があるということすら忘れてしまうような快適な1台でした。

 また、旧モデルよりもひと回りサイズを大きくしたことで、新型のスポーツトラックはより一層使い勝手が向上しているのも注目のポイントといえます。特に荷台のボリュームが増したことで、旧モデルでは不可能だった大型のスポーツギアも搭載が可能になりました。

 一方、ロック機能付きのハードタイプ・トノカバーが備わった荷台は、まさに「大きなトランクスペース」と呼べるもので、「雨に濡れてしまっては困る物」の搭載を可能にする上、逆に「濡れてしまったが故に室内には置きたくない物」の積載も可能です。

 とにかく、その「どんどん使って、ガンガン遊んでよ」とでもいいたげな高機能な荷台が特徴的なクルマといえるでしょう。

【パワーユニット】 
 さて、昨年敢行した「ルート66」の取材において、全行程4000kmを一緒に走りきった相棒が、何を隠そうこのフォード・エクスプローラー・スポーツトラックでした。

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▲日本国内法規に従ってサイドアンダーミラーが追加されたのはちょと残念。ジープ・ラングラーのように、カメラとモニターで対応できれば良かったのに……。
 ということで、スポーツトラックにはもうすでに十分乗りつくしているのですが、じつはアメリカで試乗したモデルはV8型気筒エンジン搭載の「リミテッド」グレードだったのです。

 一方、今回日本へ導入されるのは、V型6気筒エンジン搭載の「XLT」グレードとなります。つまり4000kmもの距離を乗り回したリミテッドとは異なるパワートレーンを搭載しているということで、個人的に興味の沸くのはまさにこの部分の差異がどの程度あるのか? ということ。

 なお、292馬力(@ 5750 rpm)を誇る4.6リッター・V型8気筒エンジンと、最大出力210馬力(@ 5100 rpm)の4.0リッター・V型6気筒エンジンは、どちらも現行エクスプローラーに搭載されるパワーユニットであり、 バルブトレーンはどちらも伝統的なOHVではなくSOHCとなります。

 フォードのV型ガソリン・エンジンはFシリーズに搭載される4.2リッターのV型6気筒エンジンを除き、すでに全ラインナップがOHC化されています(なんとトライトンV10でさえSOHCです)。

 昔ながらのOHV-V型8気筒エンジンというのは、少なくともフォードの場合すでにほとんど残っておらず、どうしてもOHVがいいという奇特な方はFシリーズ・スーパーデューティのパワーストローク・ディーゼルエンジン(6.4リッターV型8気筒)にでも乗るしかありません。

 そういう意味ではアメリカン・テイストと呼ばれる独特なV型エンジンのフィーリングを失ってしまったかのように思われるかもしれませんが、正直なところOHVでもOHCでも大きな違いは感じられません。

 よく言われるようにOHVの特徴のひとつとして、カムがVバンク中央にあることによる静粛性ということも、フォード製V型8気筒エンジンの場合、そもそも非常に静粛性が高いので利点になりません。

 これがコルベットあたりなら、シリンダーヘッドまわりがコンパクトになることでエンジン全高を抑えられ、結果スタイリングの維持だとか低重心化への寄与という、お決まりとなりつつある「OHVの利点」をクローズアップすることができるんですが、フォードの場合、とっととSOHC化してしまって正解でしたね。

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2007 フォード・エクスプローラー・スポーツトラック
▲SMCが採用された荷台部分。防錆性と対傷性ではスチールの比ではない高機能素材。
 ちなみに日本国内モデルでは、マスタングに搭載されるV6と(細部のチューニングは別にして)基本的に同じものがラインナップされているということになりますから、V型6気筒エンジンとはいってもパワーフィールには不満がまったくありません。

 たしかに、アメリカで乗ったV型8気筒エンジン搭載のリミテッドと比較すれば、その最大出力の差異は感じられますが、それはあくまでも比較した上でのこと。

 正直なハナシ、V型6気筒でも必要にして十分であり、むしろ「なぜV型8気筒エンジンを買う必要があるのか?」を考えさせてしまうくらいです。

 ハンドリングに関しては、逆にV型6気筒エンジンを搭載した、この「スポーツトラック・XLT」の方が明らかに勝っていますね。

 スポーツトラックに搭載される(アメリカ仕様の)4.6リッターV型8気筒エンジンも、(今回導入された日本仕様の)V型6気筒エンジンも、じつはどちらもアルミヘッド+鋳鉄ブロックの組み合わせなのですが、2気筒減ったことによりXLTは前軸重量比で42kgも軽量に仕上がっています。

 その重量差を考えると、鼻の先に小柄な女性が1人乗っているようなものですから、ハンドリングに与える影響は、素人でも十分に理解できるものでしょう。

 ひとことで言えば、まさに「軽快」な印象を持ったのが、今回試乗したV型6気筒の「スポーツトラック・XL」でした。

 余談ですが、クライスラー・300Cにも搭載されているヘミエンジンあたりだと、ヘッド回りがより重くなるので、V8HEMIとV6エンジンの重量差は前軸比で100kg近くになるんです。

 最大出力だけを比較すればたしかにV型8気筒エンジンは魅力的ですが、ハンドリングへ与える影響や省燃費性能を考慮すると、V型6気筒エンジンでも十分ではないでしょうか。

 特にフォードの場合、V型6気筒の出来がいいものですから、V8の影が薄くなる傾向にあります。

 一方で、GMの場合は圧倒的にV型8気筒エンジンの出来が突出しています。GMの現第4世代V型8気筒エンジンは、本当にできの良いV8ですよ。GM車を買うなら是非V8にしましょう。

 どんどん脱線しますが、クライスラーの場合も5.7HEMIの出来が良く、V6と比較すると省燃費性でもむしろ5.7HEMIの方がよかったりします。ただし、MDS(可変気筒システム)が付いているかどうかで、省燃費性能が極端に異なりますので、5.7HEMI搭載モデルを検討されている場合は、必ずMDS搭載モデルを選びましょう。

【使い勝手のいい荷台】 

 さて、今回はスポーツトラックの試乗記でしたね、軌道修正しましょう(この辺のいい加減さが、いかにもブログです)。

 早速ですが、この業界に入った最初の編集部は4WD専門誌。しかもトラックと名の付く車両は都合4台も乗り継いだ上、一時期はトラックが欠かせないジェットスキー専門誌やオフロードバイク専門誌の編集もしていたという経験から、日本国内でトラックのことを書かせたら、ワタクシ以上の方はいません(キッパリ!!)。

 という自称ピックアップ・トラックの第一人者であるアキモトが客観的に判断して、現在発売されているピックアップ・トラックの荷台の中でも最上級の使い勝手を保障するのが、このスポーツトラックです。

 その最大の理由は、荷台の素材とベッドカバー(トノカバー)にあります。

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▲2分割式ハード・トノカバーを標準装備。これがまた非常に使い勝手がいい。まさにトラックを知り尽くしたフォードならではの装備。
 じつはスポーツトラックの荷台はSMC(シート・モールディング・コンパウンド)とよばれる合成樹脂で構成されています。

 ジェットスキーの船体素材としても使われているSMCは、軽くて丈夫。衝撃にも強いので荷台の素材としてはまさに最適なものになります。

 一般的なピックアップ・トラックの多くはボディ鋼鈑をそのまま荷台にも使っています。荷台が大きく、積載重量も大きくなるピックアップ・トラックの場合、たしかにボディの基本構成要素である荷台内壁は堅牢性を重視してスチールで構成するのがいいのでしょう。

 しかしながら、堅牢である一方、錆びるという負の面も有しているのがスチールの弱みです。

 特に大型のスポーツギアを搭載するとなると、間違いなく荷台床面は傷だらけ。さらに雨風にさらされれば、錆びない方が無理というもの。

 しかもジェットスキーのように、海で遊ぶスポーツギアを積載する場合は、海水にもさらされることになりますから、1年も経たずに赤錆だらけになってしまうんですね。

 一般的にはこのようなユーザーは社外品の樹脂製ベッドライナー(荷台内壁を全面カバーするもの)を取り付けることが多いようです(実際、アキモトもハイラックス所有時にはベッドライナーを装着しておりました)。

 ところが、これが完璧ではないんですね。

 そもそもピックアップ・トラックの荷台というのは、とても水はけが悪いのです。そこへベッドライナーでカバーしてしまえば、カバーと荷台の隙間にたまった水が……。ご想像の通り、これまた錆びるのです。
 
 またまた話しが脱線していきますが、ビンテージ・トラックを買う場合は、荷台前方(キャビンの後ろあたり)を良くチェックしましょう。トラックは、ここが一番弱い部分です。大抵の場合、水抜きと錆びた場合に交換できるよう、この部分の鉄板だけ独立してビス留めされているはずですから、錆びていたら迷わず交換しましょう。

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▲アメリカ仕様ではベッドエクステンダーが備わっていた部分。パーツさえ入手できれば、ボルトオンで装着できそうな感じ。
 ということで、スポーツトラックの場合、そもそも荷台がさほど大きくないため、堅牢性だけでなく、多少コスト面で不利になっても防錆性能や対傷性の高いSMCにしたんでしょうね。

 ちなみに、堅牢性という点では、独自のラダー・フレームにサブフレームを追加することでこのスポーツトラックも剛性をあげています。

 さて、もうひとつのポイントが、トノカバーでしょう。

 前後に二分割されるハード・トノカバーは、「荷台」を「荷室」に変える全天候型のいわゆる荷台の蓋ですね。

 しかしながら、これが標準装備されていることこそ、スポーツトラックが「TRUCK」ではなく「TRAC」であるという証にもなっているのです。

 雨・風・日光。どんな天候でも積載した荷物を気にすることなく使え、さらにキーロック付きであるが故に防犯性も十分。

 まさに荷台ではなく、荷室として使えるようにするために考え出されたのが、この専用トノカバーなんです。

 良く出来ていますよ、本当にこのトノカバーは。

 まず、二分割にしたことで、女性でも簡単に後部の荷物を出し入れできるようになりました。一般的な社外品のトノカバーは、大抵が一枚板ですから、開け閉めする際に重量を意識させるものでしたが、二分割されたことで簡単に開け閉めできるようになりました。

 しかもトノカバー裏面にはゴム製のベルトが備わっており、荷台側のフックに引っ掛けて固定すればトノカバーの片側を開けたまま走ることも可能です。

 たとえば出先で突然長尺物を載せなければならなくなっても、普通のトノカバーでは、トノカバー自体を外さなければ積載できなかったのですが、これなら大丈夫。長い物を乗せるときは、トノカバーの片側を開けて積載してしまえばいいんですから。

 また、トノカバーそのものの強度も十分です。(お勧めできませんが)撮影のためにトノカバーの上に乗りましたが、たわむこともなく、じつにしっかりしていました。

 防水性も十分で、アメリカ取材ではなんとカメラバックをこの荷台に入れて移動したこともあった位、信頼できるトノカバーなんですよ。

 ということで、とっても使い勝手のいいスポーツトラックですが、あえて苦言を呈するとすれば、カーゴ・ケージ・ベッドエクステンダーの件でしょうか。

 アメリカでは標準装備されていたベッドエクステンダーが、じつは日本仕様では装備されていません。

 このベッドエクステンダーの導入に関しては、フォード日本側でも苦渋の選択だったと聞いておりますが、やはり残念でしかたありません。

 ベッドエクステンダーは、アメリカでは一般的な社外パーツのひとつで、荷台のあおり(テールゲート)を倒したまま荷物を積載して走行した場合に、荷物が転げ落ちないようにするパイプ製のケージです。

 日本の法規ではいろいろと問題があるらしく、今回は導入が見送られましたが、じつはハンガーごとアメリカで購入すれば、ボルトオンで装着できるハズなので、スポーツトラックの荷台を100%活用されたい方は、個人輸入をしてでも装着すべきだと思います。

 その他にも、スポーツトラックの荷台にはDC電源や床面に隠された収納スペースなどが設けられており、じつに多彩な使い方に対応できるものになっています。
 
 この荷台を100%活用できるようになれば、趣味人としても本物といえるかもしれませんね。とにかく、これだけ使い勝手のいい荷台というのは、見たことがありませんよ。

【快適な居室】

 エクスプローラー・スポーツトラックは、運転席に座っていても、まったくトラックっぽさを感じさせません。これは、もちろん前後のサスペンションがトラックではポピュラーなリーフ・リジットではなく、エクスプローラー同様の4輪独立懸架式コイルスプリングを採用しているということが大きいのですが、非常に豪華なインテリアの見栄えも強く影響していると思います。

 アメリカで試乗したリミテッドは特にその点が強調されていました。今回日本へ導入されたXLTは、若干シンプルになっていますが、むしろファブリックに変わったインテリア(アメリカ仕様のリミテッドはレザーシート)は好印象を受けました。

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▲インテリアの出来も合格点ファブリックのシートはリミテッドのレザーシートよりもいいかも。
 ガングリップ式のシフターや、大型のアームレストを兼ねたセンターコンソールなど、室内の使い勝手もとても良く出来ています。

 唯一の難点はリアシートでしょうか? アメリカでもじつはあまり座らなかったリアシートですが、シートバック裏側にスペースがないため、若干姿勢が立った形になります。

 SUVとして考えると、このあたりの居住性は改良の余地があるかもしれません。たとえば前後にスライドさせることで、シートバックを倒せるスペースを確保するなど、改良できる余地はあるかもしれませんね。

 ということで、総論からすると、間違いなくこのスポーツトラックは「買い」の1台です。このクルマがあるだけで、週末が楽しくなるのは間違いありません。

 というよりも、個人的にはこの「エクスプローラー・スポーツトラック」の導入により、フォードは「日本人が欧米人並みに余暇を楽しむことができるのかどうか」ということを試している様にも感じます。

 「こんなに面白いクルマを用意したけど、日本人には使いこなせるかね?」。スポーツトラックの導入前に、ディアボーンの会議室でこんな会話があったのかもしれません。

 余暇の楽しみ方は、まさに文化的成熟度に比例するものであり、このスポーツトラックを100%活用できるようになればなるほど、豊かな人生を象徴することになるのではないでしょうか?

 個人的にはもっとも欲しいクルマ。それがスポーツトラックです。ガレージに「展示」されているMTB、ロングボード、ジェットスキー750SX、スケボーに昨年始めたダッチオーブンを筆頭にした膨大なキャンプ用品の数々。しかも今年こそカヌーを始めようと思っているアウトドア一家にはまさに最適な1台ですね。

 ちなみにお値段は398万円(税込み)。残念ながら我が家の財政事情では、ちょっと手が出ませんけどね。トホホ。

2007 Ford Explorer Sport Trac XLT
エンジンタイプV6 SOHC
排気量245cu.in. (4000cc)
最高出力213ps @ 5100rpm
最大トルク35.1kg-m @ 3700rpm
トランスミッション5速オートマチック
全長5370mm
全幅1870mm
全高1840mm
ホイールベース3315mm
車両重量2230kg
乗車定員5名
最小回転半径6.25m
駆動形式コントロールトラックAWD
ステアリング位置
タイヤ245/65R17
フォード日本WEBサイト

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