2008年上半期(1-6月)、ゼネラル・モーターズの中国での自動車販売台数は対前年比12.7%増の約59万台となりました。
中でも最大の販売台数を誇るのがビュイックです。同期間、シボレー(DAT)の販売台数は約11万台。一方のビュイックは約14万6000台といいますから、中国におけるビュイックの人気のほどがうかがえます。
ちなみに上記の数字は北米の販売台数を軽く超えており、ビュイックが世界で一番売れている地域は中国であるというのも、ちょっと驚くハナシですね。
というワケで本日はGMのアッパーミドル向け高級車「ビュイック」の車両をGMヘリテイジセンターのアーカイブからご紹介していきましょう。
▲上:1970年に追加されたビュイック・GSX(Buick GSX)。インターミディエイトのスカイラークから派生したGSをベースに仕立てたハイパフォーマンスカーで、ボディカラーはストライプ付きのイエロー及び写真のアポロホワイトが用意されていました。
▲上:1965年型のビュイック・リビエラ(Buick Riviera)。フォード・サンダーバードの対抗馬として美しい2ドア・ボディを与えられたリビエラ。ちなみに、ボートテイルが採用されたのは1971-1973年式でした。
▲1953年型のビュイック・スカイラーク(Buick Skylark)。スカイラークは1953年に、ビュイックの50周年を記念に投入されたモデルです。
▲お待たせしました!! ビュイックといえば、やっぱりコレでしょ。1973年型のリビエラです。1971-1973年式のリビエラは上の写真でもわかるとおり、当時のGMデザイン部門のトップ、ビル・ミッチェルが手がけたボートテイルと呼ばれる美しいデザインが特徴的。1963コルベット・スティングレイのボートテイルと並んで、GM史上もっとも後姿の美しいモデルでありました。
▲上:1962年型ビュイック・スペシャル(Buick Special) 。スペシャルはアメリカ車としてはじめてV6を搭載したモデルです。


秋元さん お久です。
BUICKといえば、ローマス(ロードマスターワゴン)ですね。
カプリスの兄弟車にして、高級部門。
10数年前にはかなり走っていましたね。
一時、購入を検討しましたが車体の大きさに最後の一歩を踏み切れず、某国産ワゴンに落ち着いてしまいました。
サイドのウッド張りがなんとも旧き良きアメリカを醸し出していましたが、現時点でのアメリカ自動車界は先行き真っ暗闇です。
岩井様
いつもコメントありがとうございます。ロードマスターは僕も個人的に欲しかった1台ですね。今でも程度が良ければ欲しいと思うのですが、さすがにでかすぎますかね?
中でも三枚目のビュイック・スペシャルに心惹かれますね。何よりコンパクトな1.2トン足らずのボディにローバー3500やレンジローバーに使われることになる3528cc軽合金V8(チューンは155/184ps)とトランスアクスルを組み合わせ、内外の評価が高かった一台です。同車の場合、V8だけにとどまらずV6(3200cc)の搭載にも踏み切り、アメリカ車の様々な可能性にトライするチャレンジ精神と清楚で垢抜けたスタイルが相まって、アメリカ車史上に残る名作の一つだと思います。
この他、ボートテールのリビエラも大変結構ですが、小生個人にとって印象深いビュイック車は1990年型Cボディ(FF横置き)のエレクトラ、同車は3791cc/165psのV6を搭載、リミッター解除によって時速230-240km/h(当時のBMW535iやメルセデス300E/260Eに優に匹敵!)をマークしたという現地からの報告が聞かれることもさることながら、1991年夏に訪れたタイの首都バンコクで見たその黒光りする姿に理屈抜きでクラっとさせられたことを今も鮮明に覚えております。これを機に、小生のアメリカ車に対する先入観が一気に洗い流され、大きく世界が広がった感じがします。なんといってもあの"cookie cutter"スタイルにして下手なメルセデスやBMW顔負けの伸びを示す機械的効率、実に痛快な話に思えます。
その次のジャガーXJを思わせる流麗なラインの1991年式パークアベニューも大いに魅力的ですがその後ビュイック自身、ほとんど進歩を示さず放置されていた時期があったことも否めません。そして今、オペルの優秀車・インシグニアをベースとしたリーガル/ラクロス兄弟で米国及び中国のミッドサイズ市場を席捲しようという意気込み、見ていて実に頼もしいと思います!
真鍋清様 コメントありがとうござます。ビュックに対する知識と想いに感服します。タイでアメリカ車の魅力を再認識されるというのも、これまた貴重な経験ですね。
「切れ者ビュイック」を象徴する一台。
それは最新型ラクロスでもリーガルでもなく、1980年型ビュイック・エレクトラ・パークアベニュー。アメリカのホームページ"Carsurvey"の報告記を読んで以来すっかりノックアウトされました!!
この1980年型パークアベニューは350cu.inのロングストローク式(96.5×97.8mm)のビュイック自製V8を搭載しており、最大出力は155bhp/3400rpm、トルクは38.7kgm/1400(1800との表記もあり)rpmと低回転型ユニットとなっております。そんな同車は目下279000マイル(44万km)走行しており、未だ故障らしい故障もなく頑健そのものの働きをしているとのことです。
それより何より、同記事によれば"Eats Honda Civic for breakfast."(シビックをカモることなど朝飯前)という見出しで以てその高性能ぶりがあげられており、「時速125mph=202km/hを出してシボレーカマロZ28(先代または先々代と見られる)を振り切った」とのことだそうです!
これは実に44万km走行の排ガス規制済みのフルサイズの記録なのですよ、すなわち新車から2-5万kmの脂が乗り切っている時期には130mph=210km/h内外の実力を有していたことの証左でなくて何なのでしょうか。1980年当時でこの性能は、BMW732i(197ps)やジャガーXJ6 4.2(205ps)、そしてメルセデス280SE(2746cc/185ps)ら最先端のヨーロッパ製高級車と同水準となり、額面はたった155psに過ぎないGMビュイック製V8がいかに奇跡的な効率を有し、鬼のような耐久力を持ち合わせているかが裏付けられるわけです。
もちろんこのエンジンを支えるトランスミッションのスムーズさも折り紙付きとのこと、166000マイル=26万km+走った中古車いや大古車をたった700ドル(現行レートで6万円台)で買ってきてこの性能・安定性となるとCボディを筆頭にGMの後輪駆動フルサイズがいかに磐石の信頼性を持ち、中でもビュイックの優秀性に頭が下がらざるを得ません。
同ネット記事はアキモトさんも是非必見に値すると思います。同時にこれだけの逸品を完成させた「アメリカ車最高の良心」GMビュイック部門がその後1990年代半ばから比較的近年まで開発を怠り、センチュリー/リーガルから先代ラクロスに到るまでの古色蒼然たるWボディを延々と作り続け性能面でアコードやカムリとの格差が絶望的に開くばかりでなく5万km程度の走行で到底現代の車とは思えない故障が相次ぎ、栄誉あるビュイック・ブランドを"piece of junk"にまで堕としてしまったことに対する責任は如何に責められても責め足りないのも事実でしょう。
ともあれビュイックいやGM全体が倒産というショック療法を一度受けて、目下不死鳥のように蘇り国際水準で見ても実力車を続々生み出している努力ぶりは我々にも尊敬に値することは事実です。その意味で目下死に体のビュイック・フルサイズ=Gボディのルサーンなど一体誰が買うのか他人事ながら気になります。それともGM側は確信犯的に「二度とこうした過ちをしてはいけない」と同社をはじめ業界全体に見せしめを行う為のモニュメントとして「殆ど売れない」ことを承知で残しているのでは?とまで戯れ事が浮かんでしまう按配です。
新世代ビュイックの目玉商品二種、現行ラクロス並びにリーガルはオペル・インシグニア由来の骨格を持ち米国でも中国でも激烈なミッドサイズ市場に「質」で勝負に出ております。中でもラクロスは絶妙なサイズ設定ゆえ欧州市場に輸出すればFF横置きのEセグメント車としてボルボS80やシトロエンC6辺りとなら対等以上に戦えると思います。まあ現実にはGMが最近まで支配していた(目下スパイカー社傘下)サーブ社が共通のプラットフォームを用いてサーブ9-5を生産している以上はマーケティング上難しいことも事実ですが、要はそのぐらい新しい魅力に溢れているというわけです。
これらの上を行くフルサイズ/ラグジャリー部門の処遇、この辺は一も二も中国市場次第ですが新型カマロで後輪駆動の大きな可能性を見せてくれたGMのこと、次は次期キャディラックCTSの骨格を生かして新生パークアベニュー/ルサーンをクリエイトしてもらいたいです!