経営再建を進めるゼネラルモーターズの副会長、ボブ・ラッツ氏(Robert A. "Bob" Lutz :日本語ではボブ・ルッツ、ロバート・ルッツと記する媒体もあります)の勇退が、現地時間の2月9日、GMより発表されました。
ボブ・ラッツ氏といえば現社長兼CEOのリチャード・ワゴナー氏と共に、GMの2枚看板として知られてきました。
経営に関するアナウンスをワゴナー氏が行うのに対し、ラッツ氏は主にプロダクツ、つまり新車やコンセプトカーの発表を務めることが多く、最近では電気自動車であるシボレー・ボルトの開発においても総指揮をとるなど精力的な働きをしてきたことで知られています。
また、立ち振る舞いのカッコ良さや生粋のカーガイであることなどからファンも多く、カリスマ性を持ったエグゼクティブのひとりでした。
1932年にスイス・チューリッヒで生まれたボブ・ラッツ氏は、アメリカ海兵隊のパイロットを経てゼネラル・モーターズ、BMWといった自動車メーカーで活躍。1974年にフォード・モーターカンパニーへと迎えられ、最終的には副社長に。
その後、クライスラーへ移籍し、ダッジ・バイパーやプリマス・プロウラーなどのエポックメイキングなモデルをデビューさせるなど、いつの時代も魅力溢れるクルマを提供してくれたアメリカ自動車業界を代表する経営者のひとりです。
2001年には古巣のGMへ戻りグローバル商品開発副会長としての要職に付き、ポンティアック・ソルティスからキャデラック・コンバージュ・コンセプトまで様々な製品の開発に携わってきました。
財務経験が豊富なリチャード・ワゴナー社長との相性も良く、傍から見ていると互いに得意な分野を分担して受け持っていたという印象を持つ絶妙なコンビでした。
経営再建を進めるGMは電気自動車や低燃費車などの車両開発が急務で、ボブ・ラッツ副会長も最後までシボレー・ボルト(ピュアEV)の開発を陣頭指揮していたと報じられていますが、そのボルトの新車発表を実現することなく、今回退任することが決まりました。
なお、ボブ・ラッツ氏の後任はGMグローバル・パワートレイン担当副社長のトム・ステファンズ氏。今後は、環境対策車の積極的な投入を中心に、経営再建を図るのだと思われます。
……ボブ・ラッツ氏を最後に拝見したのは、たしか2005年のデトロイトショー。映画俳優ばりのルックスで、周囲にはいつもマスコミが取り巻いており、軽やかな足取りといい、立ち振る舞いといい、本当にカッコいいビジネスマンでした。
ちなみに、本日2月12日はボブ・ラッツ氏の誕生日。本日で御年77歳を迎えられたボブ・ラッツ氏、誕生日おめでとうございます。そして、長らくお疲れ様でした。
※2009年2月22日追加:ボブ・ラッツ氏の勇退期日は2009年末とのことです。それまではGM副会長兼上級顧問として引き続きワゴナー会長とGMの再建に尽力する予定。残り少ない期間ですが、ぜひ最後までカーガイとして、魅力溢れる製品の開発に精力を注いで頂けるとありがたいですね。


こんにちは!
何も、この時期に・・・って気もします。
確かにアメリカ企業の役員報酬の高騰など批判もありますが、こんな難局だからこそ彼が必要なのでは?
彼が、今後どのような形で自動車業界とかかわるのかはわかりませんが、かつてバイパーやプロウラーを世に送り出した彼の手腕で再びアメ車の栄光を取り戻してほしいと思います。
Tsuyoshi-K様
残念ですね…。でも、ワゴナー会長もじつはけっこうなクルマ好きらしいですよ。もっとも、自動車メーカーのトップがクルマ好きじゃなかったら、そもそも問題ですけどね。