2011年4月の米新車販売が米自動車市場調査会社のオートデータより発表されました。4月の米新車販売台数は115万7794台となり、対前年同月比では17.9%増。
メーカー別の販売ランキングでは、先月ゼネラルモーターズ(以下GM)を抜いてトップに立ったフォード・モーター(以下フォード)が18万9284台(同16.3%増)で2位となり、1位には23万2538台(26.6%増)を販売したGMが返り咲きました。
セグメント別では乗用車が60万9308台(21.7%増)、トラックが54万8486台(13.9%増)となり、乗用車:トラックの販売比率は53:47となっています。
3位以下はトヨタの15万9540台(1.3%増)、4位ホンダの12万4799台(9.8%増)、5位クライスラーの11万7225台(22.5%増)、6位日産7万1526台(12.2%増)の順。
「今や、デザインと品質では韓国車>日本車」
注目の韓国メーカーはヒュンダイが6万1754台(40.3%増)、キアが4万7074台(56.7%増)となり、震災の影響で減産が続く日本車に対し、デザイン・品質でも非常に評価の高い韓国車に顧客が流れていると推測されます。
北米市場においては、このままいくとハイブリッドや電気自動車など日本がアドバンテージを持っているジャンルを除き、韓国車の販売シェアがさらに拡大し、その分だけ日本車が縮小するのではないでしょうか。
日本の自動車メーカーは震災の影響から供給不足を生じており、この夏に向けてより一層供給不足が深刻化するという懸念が広がっています。製品の質だけではなく、供給・販売の体制も含めて日本の自動車メーカーにはしばらく厳しい日が続くかもしれません。
「米国でも燃料の高騰は止まらない」
燃料の高騰は深刻になりつつあります。
米エネルギー省の統計(5月2日発表)では、米国平均で1ガロンあたり平均3.963ドルとなり、対前週比で0.084ドル、対前年比で1.065ドルの上昇。特にカリフォルニアは高水準となっており、1ガロンあたり平均4.257ドルとなっています。
このため販売の傾向は燃費35mpg(約14.74km/L)を超える様な低燃費モデルに人気が集中している他、トラックでもより低燃費なモデルが注目されています。
全米1位のベストセラー・トラックである「フォード・Fシリーズ」の4月度販売の内訳も、V型6気筒エンジン搭載モデルが半数を占めるほどになった他、シボレーの乗用車でも4気筒エンジン搭載車の比率が高まっています。
この様な背景の中、今後販売される新型モデルでは、より一層の低燃費化が求められており、米市場では今後40mpg(16.84km/L)という燃費性能が小型車のスタンダードとなりつつあります。
「1位に返り咲いたGM、クロスオーバーと小型車が好調」
GMの販売台数は前述した通り23万2538台(26.6%増)と好調に推移しています。乗用車:トラックの販売比率は31:69と、先月と比較するとトラックの販売比率が9ポイントほど上昇していますが、これはクロスオーバー・モデル(トラックに含む)に人気が集中したためで、4月は特に「GMC・テレイン」が販売台数を伸ばしました。
モデル別ではシータ・プラットフォームを採用する「GMC・テレイン」が絶好調で7205台(63.6%増)。同じプラットフォームの「シボレー・イクイノクス」が1万7067台(42.4%増)、同「キャデラック・SRX」が4308台(12.2%増)と、GMのクロスオーバーはどれも優秀な成績です。
乗用車も好調で、シボレーでは「アベオ」が4645台(67.3%増)、「クルーズ」が2万5160台(新型のため対前年データなし)、「インパラ」が2万1071台(30.5%増)、「マリブ」が2万4701台(49.4%増)と小型から中型まで総じてよく売れています。
GM製の小型乗用車は韓国・GM大宇の設計によりデザイン面でもここ数年で格段にクオリティが高まっており、すでに経済性で売れているのではなく、品質やデザインも人気の要因となっています。
【GMの注目モデル】
※車名(部門)|4月単月販売台数|対前年同月比(0%で前年同数)
◆シボレー・ボルト(乗用車)|493台|--
◆シボレー・クルーズ(乗用車)|2万5160台|--
◆シボレー・インパラ(乗用車)|2万1071台|30.5%
◆シボレー・イクイノクス(SUV)|1万7067台|42.4%
◆シボレー・シルバラード(トラック)|2万9342台|▲0.9%
◆キャデラック・CTS(乗用車)|4220台|13.7%
◆キャデラック・SRX(SUV)|4380台|12.2%
◆GMC・シエラ(トラック)|1万0523台|12.4%
◆GMC・テレイン(SUV)|7205台|63.6%
「フォード、売れ筋は小型車と低燃費トラック」
4月に18万9284台を販売し、前年同月比16.3%となったフォード。ブランド別ではフォードの18万2542台(24.5%増)、リンカーンの7236台(▲0.6%)。昨年末で廃止されたマーキュリーの販売台数(前年同月は9128台)をフォード・ブランドが吸収して、全体の数字を増やしています。
SUVでは「エスケープ」の2万1240台(10.9%増)、「エクスプローラー」の1万2593台(137.8%)が数字を伸ばし、トラックでは「Fシリーズ」の4万5435台(11.0%)が目立っています。
リンカーン・ブランドではフロントのデザインを大きく変更した「MKX」が1859台(16.5%増)、乗用車の「MKZ」が2546台(40.1%増)で、共に販売増。
なお、フォードの販売台数にはハイブリッド・システムを搭載した「エスケープ・ハイブリッド」、「フュージョン・ハイブリッド」、「MKZ・ハイブリッド」が各モデルの数字に含まれており、人気の要因となっています。
【フォードの注目モデル】
※車名(部門)|4月単月販売台数|対前年同月比(0%で前年同数)
◆フォード・フィエスタ(乗用車)|9147台|--
◆フォード・フュージョン(乗用車)|2万1189台|11.7%
◆フォード・エスケープ(SUV)|2万1240台|10.9%
◆フォード・エクスプロラー(SUV)|1万2593台|137.8%
◆フォード・Fシリーズ(トラック)|4万5435台|11.0%
◆フォード・トランジット・コネクト(多目的貨物)|2668台|19.7%
◆リンカーン・MKZ(乗用車)|2546台|40.1%
「絶好調クライスラー、四半期決算も黒字転換達成」
クライスラーの場合、月間販売台数が10万台を超えると「好調」との見方ができるのですが、そういう意味では4月度も単月で11万7225台を販売し、対前年同月比22.5%増を達成、2カ月連続で10万台を超えた今、まさに「絶好調」と言えるでしょう。
クライスラーは1-3月の四半期決算も黒字転換を達成しており、完全に立ち直った様に見えます。
乗用車:トラックの販売比率は31:69で、先月の28:72から乗用車の販売比率が3ポイント上昇。冷静に考えてみると、これだけトラックやSUVの販売比率が高い自動車メーカーはなかなかないと思いますが、米市場の場合トラックは乗用車以上に重要なセグメントとなり、利益貢献度も高いため、決してマイナス要因ではありません。
ブランド別販売台数で見ていくと、先月から加わったフィアットが882台、以降、クライスラーが2万0379台(▲9%)、ダッジが4万4320台(14%増)、ラムが1万9260台(29%増)であるのに対し、ジープは3万2384台(65%増)と、対前年同月の成長率が圧倒的。
モデル別では今月も「ジープ・グランドチェロキー」の9802台(189%増)が際立っています。ジープでは他にも「ラングラー」が9051台(9%増)を販売。
ジープでは上記2モデルが毎月1万台弱の販売を維持しており、好調の要因となっていますが、幸いにしてこの2台は日本でも購入可能です。競合多数の米国で、長い間これだけの人気となっているモデルですから、日本でももっと売れてもいいはずですね。
【クライスラーの注目モデル】
※車名(部門)|4月単月販売台数|対前年同月比(0%で前年同数)
◆ラム・ピックアップ(トラック)|1万7680台|33%
◆ダッジ・キャラバン(ミニバン)|8793台|▲16%
◆ダッジ・ナイトロ(SUV)|2209台|44%
◆ダッジ・デュランゴ(SUV)|5064台|100%
◆クライスラー・タウン&カントリー(ミニバン)|8842台|▲34%
◆ジープ・コンパス(SUV)|4050台|181%
◆ジープ・パトリオット(SUV)|4636台|93%
◆ジープ・ラングラー(SUV)|9051台|9%
◆ジープ・リバティ(SUV)|4845台|39%
◆ジープ・グランドチェロキー(SUV)|9802台|189%
「スポーツカーは、夏場に向けて期待感」
スポーツカーの販売は、春から夏にかけて増えていく傾向にあり、4月は「フォード・マスタング」、「シボレー・カマロ」の売れ筋が数字を伸ばしています。
両モデル共に低燃費を謳ったV6が用意されており、これらのモデルが数字を牽引。共にコンバーチブルも用意されていますから、夏に向けて販売が一段と加速しそうな気配です。
【スポーティカーの販売台数】
※車名|4月単月販売台数|対前年同月比(0%で前年同数)
◆シボレー・カマロ|1万0852台|18.6%
◆シボレー・コルベット|1454台|33.5%
◆フォード・マスタング|8180台|59.0%
◆ダッジ・バイパー|10台|▲47%
◆ダッジ・チャレンジャー|3617台|▲3%
注:ブランド別及びモデル別販売台数は各メーカー発表数字、メーカー別販売台数はオートデータ発表数字となります。
| 2011年4月 USA 販売ランキング | |||||
| 順位 | 車名 | 月間販売台数 | 前年 同月比 | 2011累計 販売台数 | 前年 同期比 |
| 01 | フォード・Fシリーズ (トラック) | 45,435 | 11.0% | 172,062 | 19.5% |
| 02 | トヨタ・カムリ / ソラーラ | 30,443 | 9.1% | 107,264 | 11.1% |
| 03 | シボレー・シルバラード (トラック) | 29,342 | ▲0.9% | 121,797 | 19.3% |
| 04 | ホンダ・アコード | 28,180 | ▲3.9% | 94,375 | ▲0.5% |
| 05 | ホンダ・シビック | 26,777 | 6.9% | 91,745 | 16.6% |
| 06 | シボレー・クルーズ | 25,160 | 0.0% | 75,365 | 0.0% |
| 07 | シボレー・マリブ | 24,701 | 49.4% | 73,446 | 11.5% |
| 08 | トヨタ・カローラ マトリックス | 24,215 | ▲13.3% | 100,890 | 10.1% |
| 09 | ヒュンダイ・エラントラ | 22,100 | 128.8% | 63,303 | 88.8% |
| 10 | ヒュンダイ・ソナタ | 21,738 | 17.3% | 73,616 | 46.4% |
| 11 | ホンダ・CR-V | 21,683 | 30.1% | 79,116 | 49.3% |
| 12 | フォード・エスケープ | 21,240 | 10.9% | 77,193 | 20.2% |
| 13 | フォード・フュージョン | 21,189 | 11.7% | 86,212 | 22.5% |
| 14 | シボレー・インパラ | 21,071 | 30.5% | 70,612 | 29.8% |
| 15 | ラム・トラック(旧ダッジ) | 17,680 | 29.4% | 70,419 | 36.2% |
| 16 | フォード・フォーカス | 17,265 | 22.4% | 54,336 | ▲5.8% |
| 17 | ニッサン・アルティマ | 17,232 | 16.7% | 86,783 | 16.9% |
| 18 | シボレー・イクイノクス | 17,067 | 42.4% | 60,297 | 42.3% |
| 19 | VW・ジェッタ | 16,955 | 74.0% | 57,975 | 62.6% |
| 20 | トヨタ・RAV4 | 15,586 | 4.9% | 55,426 | 0.2% |
| 2010年01月 USA 販売ランキング 2010年02月 USA 販売ランキング 2010年03月 USA 販売ランキング 2010年04月 USA 販売ランキング 2010年05月 USA 販売ランキング 2010年06月 USA 販売ランキング 2010年07月 USA 販売ランキング 2010年08月 USA 販売ランキング 2010年09月 USA 販売ランキング 2010年10月 USA 販売ランキング 2010年11月 USA 販売ランキング 2010年12月 USA 販売ランキング 2011年01月 USA 販売ランキング 2011年02月 USA 販売ランキング 2011年03月 USA 販売ランキング | |||||
| 出典資料:「AUTO DATA」 | |||||
| USA新車販売台数 | ||
| 月 | 2010年 台数 | 2011年 台数 |
| 01 | 70万台 | 82万台 |
| 02 | 78万台 | 99万台 |
| 03 | 107万台 | 125万台 |
| 04 | 98万台 | 116万台 |
| 05 | 110万台 | ---- |
| 06 | 98万台 | ---- |
| 07 | 104万台 | ---- |
| 08 | 100万台 | ---- |
| 09 | 96万台 | ---- |
| 10 | 95万台 | ---- |
| 11 | 87万台 | ---- |
| 12 | 114万台 | ---- |
| 合計 | 約1158万台 | ---- |

