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2013.1.05

●ヘビの年です

あけましておめでとうございます。

今年の干支はヘビ。
そういえば卒論のテーマは古代インドにおけるヘビ殺し神話でした。

ヘビというのは洋の東西を問わず、脱皮を繰り返す姿が
死と再生、強靭な生命力の象徴として受け止められ、
時には大地信仰と結びついたり、知恵の象徴だったり、
とかく文明との関係が深い生き物です。

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こちらはエストニアの首都タリンにある、ヨーロッパ最古の薬局。
1422年の創業で、この建物は17世紀にできたものだとのことです。

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看板になっているのは「ヒュギエイアの盃」と呼ばれるヘビのマークで、
古代ギリシア以来、ヨーロッパ世界で一般的な薬学のシンボル。

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この薬局では入り口ドアの内側にもヘビの意匠がありました。

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こちらはリトアニアの首都ビリニュスの旧市街、
ビリニュス大学のまん前にある大学の薬局。

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ここの看板は「アスクレピオスの杖」と呼ばれる、
杖にヘビがからみついたデザインのバリエーションの1つで、
やはり古来から医学・薬学のシンボルとして使われています。

この2つのシンボルを知っておくと、
ヨーロッパを旅行するときに面白いかと思いますです。

しかし忙しい取材旅行の間に、無意識にこういう写真も押さえてるとは、
われながら素晴らしいセンスでありますね!


で、ですね。
ここ日本でも、マムシやハブを強壮剤として用いる文化がありますが、
クスリとしてではなく、食材としてヘビを食べられないものか?
せっかくヘビ年なのに、ヘビを食ったことがないというのは、
グルメとして恥ずかしいことなのでは?
と、ふと思い立ちまして。

調べたら上野にヘビ専門店があるとのことで、
さっそく友人を道連れに行ってまいりました。

以下、そんなにグロくもないのですが、
そういうの平気な人だけお読みください。


上野駅から浅草口を出て3分もかからない場所にある、
「救命堂」というお店であります。
創業100年の老舗です。

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ヘビ年でゲン担ぎに来る、同じような客で行列かと思い心配してましたが、
ぜんぜんそんなことはないようで、ガラガラでした。

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「ヘビ専門店」というのは、最近ではペットとしてヘビを飼う人もいて、
ペットショップとしてのヘビ専門店も存在しているのですが、
昔ながらのヘビ専門店では、滋養強壮剤として、
薬用(?)、食用としてのヘビを扱っています。

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店内もこんな感じで、あくまでも飲食店というよりは、
漢方的な薬局の中に、ちょこっとカウンターもあるといった形。
主力商品はマムシ粉末とのことで、
たまには肉をダイレクトに食べたいという人が料理をオーダーするようです。

いわゆるゲテモノ料理の店ではなく、
いたってマジメな滋養強壮としてのヘビ料理なのです。

メニューは1匹単位で、

シマヘビ:5000円
マムシ:5500円
ハブ:6000円

という設定。
高いのか安いのかはよく分かりません。

量を食べるノリでもないので、友人と2人で1匹分を、
せっかくだから一番強そうなハブでオーダーしました。

奥から生きているハブを持ってきて、
その場でさばいて料理してくれます。

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まずは生き血をリキュールで薄めたものと生き胆をクイっと
(脇の大きなコップはただの水っす)。
新鮮なので生臭さなどはありません。
キモはジャンケンで勝利した友人が飲み込みました
(かみつぶすと苦いので、丸のみ推奨とのこと)。
とくに美味くもないけどまずくもない、縁起物みたいなものです。

調理法はいろいろあるようなのですが、
初心者にオススメというハンバーグにしてくれました。

皮をむいてワタを抜き、
骨ごと丁寧にミンチにして、よくこね合わせ......

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携帯の写メがボケボケなのですが、
1匹分を2人用に分けてくれたので、写真はヘビ2分の1匹分。
沖縄産ハブのハンバーグ、うっすらソイソースがけでございます。

肉質はまあ爬虫類ですから、鶏肉に近い食感。
なんせヘビというのは余計な身がなく全身これ筋肉みたいな
マッチョな生物ですから、よく締まった肉質で、
ほんのりと脂の旨味がアクセントとなります。
七味をかけたらナイスに食欲をそそる味となりました。

一通り平らげたら、最後に皿にお湯をちょっと注いで、
ヘビの脂を残すことなくいただくのが作法のようです。
あくまで滋養食なのですね。

ご主人は20代の頃には群馬のスネークセンターで
ヘビの飼育研究に携わり、その上でヘビ屋さんとなったヘビ専門家。
気さくにヘビ業界の歴史を教えてくれました。

上野近辺にもヘビ専門店は数店あり、
全国にもちらほらと残っているとのことですが、
戦前にはこういった業態のヘビ屋さんが、
関東だけでも300店ほど営業していたのだとか。

ちなみに上野救命堂の一番長いお客さんになると、
60余年にわたって若い頃からずっと、
マムシ粉を買いに通ってくださっているそうな。

近年は、全国のヘビ捕り職人も高齢化で数を減らし、
お客さんも高齢化する一方で、消滅の危機にあるヘビ業界。
それでもひっそりと生き残っている日本の古式ゆかしき一文化です。

滋養強壮とかは一切信じない身ですが、
帰ってきてこのブログを書いているうちに、
顔がポッポとあたたかくなってまいりました。
ハブの薬効でしょうか?

上野の救命堂はHPもありました。
上野駅からほんとにすぐなので、気楽にお立ち寄りください。
http://kyumei-do.com/price.html

次はマムシを唐揚げで食べてみたいですね!


えー、なんだか長々とヘビ話を書いてきましたが、
そんなわけで死と再生の象徴であるヘビの年となる2013年、
日本の景気やらなんやらまとめて復活する1年となるように、
不肖バロンも世の中の片隅で邁進したいと思う所存であります。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。