ガレージ・ライフの次の号、33号が9月1日に発売になる。すでに編集部の手は離れていて、あとは印刷所が印刷して、全国の書店さんの店頭に並ぶだけだ。
今回取材した中で印象に残ったのがこのお宅。
え、ガレージがないじゃないかって? いや、もちろんガレージはある。しかし、このお宅で一番見て欲しいのは、この庭の広々感なのだ。
普通庭というと、道路に面してあって、その奥に住宅がある、というレイアウトだと思う。しかし、このお宅の場合は、道路に面して住宅が建ち、その住宅に囲われるようにしてこの庭があるのである。同時に、隣に建つ3~4階建ての建物の裏手にあたり、いい意味で建物に囲われたプライベート空間になっているのだ。うまく造られたもので、近所の視線もほとんど遮られているので、本当にのんびりくつろぐことが出来る。
しかも、これが東京都内の住宅地なのである! 言われなければ、どこかの田舎、あるいは外国のリゾートとすら思えるくらいの隔絶感だ。この庭には、本当にうらやましいと思った。
ガレージは、前面道路側だけでなく奥側にもガレージドアが設けられていて、そこからこの庭にクルマを乗り入れることも可能なのだ。青空の下、愛車を眺めながらのBBQ、夜空の星を見上げ、愛車を囲んでの仲間との語らいなど、想像するだに夢が膨らむ。
我々のように狭い土地に家を建てる場合は、どうしても建ぺい率いっぱいに建てざるを得ないが、ある程度の広さがある場合、貧乏根性を出して建ぺい率いっぱいに建物を建てるなんてナンセンス。建物には相応の大きさというものがある。大きければいい、得をする、というものではない。このお宅も、建ぺい率は全然余裕がある。むしろ、こんなに庭が広いのに、住居は意外とこじんまりしているな、部屋数も多くはないな、と感じたくらい。あえて庭を広くというのが施主の希望だったのだ。なんとも心の余裕があるではないか。
考えてみれば、僕の今の20坪の家だって、例えば夫婦2人+子供で暮らすなら十分だ。ほしいのは住居の広さではなく、ガレージの広さであり、庭の広さなのである。仮に僕が100坪の土地を手に入れたとしても、住居はいまの20坪の家と変わらないかもしれない。増えた分はすべて庭に当てたいと思う。ガーデニングはもちろん、池を造ったり、流れを造ったり、プールを設置したり、かまどを造ったり……。ガレージはその次くらいかな。無駄な土地、無駄な空間というのは、広いほど家は楽しくなる。



