「幼なじみ」のTIPEⅡ…
幼少の頃過ごした三鷹市井の頭が忘れられず、学生~社会人と東京隣県や都内を転々として暮らしましたが、30半ばを過ぎてひとりでこの町に戻ってきてしまった。という話は、以前もこのブログで書いたような気がします。
現在はまるでこの町に戻って来るまでの20数年の空白がウソのように、井の頭での暮らしを満喫しています。
この町の風景は幼少の頃と殆ど変わらず、緑が多く、住んでいる人々の暮らしぶりもつつましく綺麗で、交通の便も至極便利…と言ったら、「おらが町」を誉め過ぎでしょうか。
変わらないものと言えば、それを象徴するかのような「あるもの」がすぐそばにあります。
小学生の頃、自分は地元の少年野球チームに所属していて、試合などで遠征となると、家の近所の広場がチームの集合場所になっていました。その場所のすぐ隣に、「いつもとまっているなぁ」と思っていた車が、VW TIPEⅡ。当時は「ワーゲンのバス」と呼んでいました。
その場所にTIPEⅡがいるのがあまりにも日常の風景で、当時は「へんなクルマ!」と思っていた程度でしたが、二十数年ぶりにこの町に帰ってきて少し落ち着いた頃に、「そう言えばあのTIPEⅡ、まさかもうないよなぁ」と、ふと思い出し、近所の広場に行ってみると…いた!いたのです!当時と変わらないあの場所に、流石にボディはかなりヤレていましたが、間違いなくあの、「ワーゲンのバス」でした。あの独特のシルエットが目に飛び込んできたときは、「お前まだいたのかぁ」と呟いてしまいました。
そして更に驚いたことに、このクルマはまだ現役で活躍中らしいのです。
原油高の高騰等で、自動車産業は化石燃料以外のエネルギーで走る車を市場に出すことがより急務であるかのように叫ばれています。しかしむやみに「新しいもの」を作り続けること自体にも矛盾はないのか、と考えてしまいます。いっそのこと、世の中のすべての自動車メーカーは新車を製造するのをしばらくやめて、純正部品の供給やアフターサービスのみを行ったら…?車の台数も無駄に増えなくて済むし、渋滞も緩和される…?その他にも…?
野球のユニフォームを着ていた頃から慣れ親しんだTIPEⅡの顔を見ると、
「なあお前、どう思う?」と尋ねたくなります。