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初代編集長 平野克巳の「猫の耳に大仏」湘南鎌倉便り


モデルカーズの生みの親、平野克巳氏による目からウロコの模型小噺。さぁどんな話が飛び出しますか。乞うご期待。

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2005年09月02日

オークションの功罪

 私は常々ヤフー・オークションに参加している。出品、落札どちらにも参加しているが、割り合いはほぼ半々ほどであろうか。扱うものはほどんどがプラモデルかその関連だが、時には書籍やカタログなどの資料の場合もある。ネット・オークションはヤフー以外にも幾つもあるのだが、たまたま最初にヤフーに登録したため慣習的にヤフーにのみ参加している。まあ、その実はイーベーやビッタースなど他のフィールドにまで手を拡げてしまうと、主に財政的見地から収拾がつかなくなってしまうのではないかと怖れ、自主規制しているというのが実情である。パソコンの普及によって全国の個人個人がオンラインで直結出来るようになった功罪は様々だが、まさにオークションというのはその縮図のようなものである。私もそうなのであるが基本的に日本人は性善説に基づいて物事を判断し言動を行なう。つまり世の中に元から悪い人は居ないと信じ込んでいる。しかし、それは幻想である。オークションに関われば関わるほど、如何にそれが幻想であるかを痛感し幻滅させられる。もちろん、逆にとても素敵な触れ合いも多い。心優しくなる出会いや心暖まる言葉とも多々出会う。顔も声も知らぬ遠い地の見知らぬ人でも大好きになってしまう人とて居る。その意味ではオークションは人生劇場の縮図でもある。人生勉強には悪くない学校なのかもしれない。しかし、実害を被るようではそれも一寸困りものだ。
 これを読まれる方々がネット・オークションのシステムについてご存知であろうことを前提に書くが、私は1,500件ほどを扱い、現在は非常に良い・良いの評価を1,000以上いただき、非常に悪い・悪いは0でいただいていない。ちなみに扱い点数と評価が一致しないのは、複数落札ではひとつしか評価が付かないからだ。自分で申すのも口幅ったいが一応「優良参加者」であろうと自負している。だが先日、私の評価にこんな書き込みがされた。「あんた、大騒ぎしすぎ。こんな金額の商品が届かなくても、どうってことないでしょ(極端に言えば)。逆に言えば、こんな金額で詐欺られんよ。堂々としてなさいよ、じたばたせず。評価も1,000超えてんジャン」(原文ママ)  突然のことで唖然としてしまい、暫し開いた口が塞がらなかった。説明しよう。私は8月11日22時47分終了の戦車プラモ4点セットを落札した。内容は有井製作所製ノンスケール、コメット/スターリン/ロンメル/パットン/シャーマンの各50円キットで、元イッコー製のものである。落札価格は1,700円。リーズナブルで良い買い物をしたと喜んだ。当然直ぐにオークション・マスターから落札通知メールが届く。時にこのメールに出品者のコメントが記されていることがあるが、この出品者の場合もそうだった。落札者から24時間以内にメール送信のこと、さもなくば落札は取り消す旨が記載されていた。嫌な感じであった。しかし、それはそれで構わない。私は常に即日対応の主義だし、買い手、売り手のどちらがどうこうなどにもこだわらない。要は真っ当に取り引きが出来ればそれで良いのだ。また記載には振込先まで明記されていたので、翌日午前中には振り込んだ。振り込んだ旨のメールも送った。しかし先方からの返事は未だ一度もない。時には他人からすれば身勝手だが、単にのんびりしただけという人も居るので暫く待った。1週間が過ぎメールを送ってみたが、やはり返事はない。9日目の夜となり流石に不安になった。先方がメールに、時には取り引き自体に気付いていないこともないではない。連絡掲示板に「11日終了の有井製作所 50円箱 フレクション動力戦車セット(k00000000)落札者の○○○○平野です。何度かメールを差し上げております。今だ品物が届きませんが、お送り下さいましたでしょうか? 代金\1,700は12日に○○○銀行から○○○銀行へ振込済みです」(0と○部分以外、原文ママ)と書き込んだ。見て居ない場合も考えられるので、一応、現在出品中のQ&Aにも同文を書き込んだ。すると22日にモノが着払いで届いた。相変わらず先方からは何の音沙汰もない。これまでの経験でこれは触らぬ神に祟りなしと直感し、すぐさま先方の評価欄に非常に良いの評価と共に「本日、届きました。ありがとうございました」(原文ママ)の書き込みをした。通常であれば必ず先方に直接「無事届いた旨とお礼」のメールをするのだが、このときばかりは余計なことはすまいと考えた。そしてその晩、先記のような評価欄への書き込みがされたのである。晴天の霹靂であった。だが、それだけではない。こんな金額の商品が届かなくてもどうってことない、の文面には我が目を疑った。ことは金額の問題ではあるまい。それがレトリックであることくらいは百も承知だが、人には言ってはならぬことがある。ましてやこのような状況の中では互いに道義的責任が負わされているのだ。義務と責任を果たさぬばかりか、それ自体を持ち合わせていないのではないかと人間性を疑わざるを得なかった。そうした人間に限って自分勝手な主義主張だけは振りかざす。過去にこれほどにまで信じられぬケースに直面したことがなかったので、改めて先方の評価欄を見てみた。評価は200台前半なのだが、何と非常に悪い・悪いの評価が43もあった。私の知る限りでは群を抜いてひどい。余りの凄さに逐一調べてみると、この男、何と出品、落札共に出鱈目なことを多々やっていた。圧倒的に多いのは例の24時間以内に返事がなければ即取り消しのケースである。この独善的な押し付けルールをヤフーの取り決めだと称して憚らず、しかも出品物の書き込みにはその旨を一切明記していない。自己紹介欄にのみ書き、それを見なかった方に落ち度があると批難していた。連絡メールがないのは日常的なことらしく、落札者になった場合も同様なトラブルを起こしていた。中には振り込んだが何の連絡もないという出品者の悲痛な訴えも混ざっていた。まあ、これは後に解決したのか否か、評価欄だけでは判断出来ないので、あえて一方的な批判は控えておく。中にはプラモデル界では著名な方もこの男の被害に逢っていた。「交通事故にあった気分」と記されていたが、まさしくそのとおりだと思った。ともかく連絡通知メールには疎いにも関わらず、評価欄への書き込みには異常な執念を燃やしているらしく、ただ一方的に相手を批難する言葉が連なる。しかも非常識極まりない誹謗中傷の類いも多いようだ。幼児の「やーい、うんこたれー」みたいなレベルなのである。
 これでは、いかにオークションが自己責任だと言われても、交渉も話し合いもあったものではない。参加者に許されているのは評価を入れるだけのことで、しかもこのような理不尽な相手と相対すれば、単に「悪評価」の中傷合戦に終始しなければならない。どう客観的に見ても片方に非があるにも関わらず、その報復に悪評価を受けてしまうのでは、まさに踏んだり蹴ったりではないのか。単に運が悪かったでは済まされまい。私は常々、まるで警察の民事不介入のごとく、当事者同志のトラブルには一切関知しないというヤフーの姿勢にも疑問を抱いている。参加料や手数料を徴集する限り、我々は皆さんに場を提供しているに過ぎません、という論理は理不尽だと思う。逃げ口上だと思う。逐一起こる個々のトラブルを仲介せよとは言っていない。せめて問題の多い参加者には評価などという抽象的なものだけでなく、一定期間の参加取り消しもしくは参加資格剥脱など何らかの具体的な罰則を科すべきではないだろうか。理不尽な悪意が蔓延れば、オークションは楽しいものから恐ろしいものへと変貌してしまうだろう。オークションの今後の発展のためにも何らかの解決を望んでやまない。是非、皆でオークションを楽しいものにしたい。

投稿者 平野克巳 : 2005年09月02日 15:24

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