2005年12月23日
聖夜に天使が降臨す
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メリー・クリスマス! などと永年の慣習でつい口走ってしまうものの、別に我々はキリシタン(踏み絵は踏んだかあーっっ)である訳でもなく、日本のクリスマスはと言えば元々逞しき商魂をその起源としている。戦後日本経済が立ち直り始めた頃、年末のボーナスを狙って夜のおねーさん達が、懐のふくらんだサラリーマンのおとーさん達に仕掛けた売上推進強化キャンペーンこそクリスマスの発祥である。浮かれたおとーさん達は三角帽子に鼻メガネでどんちゃん騒ぎをし、遊んでしまった罪滅ぼしに家族にケーキをお土産に買って帰る、と云う図式がその原形で、やがて子供達にプレゼントをすると云う尾ひれはひれが付くようになって風俗として定着した。大体がクリスチャンでもない我々がキリストの生誕を祝う訳もなく、にも関わらず都合良くサンタにプレゼントだけは所望すると云う図々しさは如何ばかりかとは思うのだが、それでも子供にとってはこの上もなく楽しい年中行事のひとつには違いない。元々昭和30年代は未だ社会全体が貧乏で、子供は滅多に欲しいものなど買っては貰えない日常が厳然として存在していた。その為、クリスマスと誕生日には特別に何かを買って貰えると云う習慣が出来上がった。「誕生日になったら買ってあげる」とか「クリスマスまで待ちなさい」と子供を言い包め説得する為の材料としてあったのだ。そして当時の子供達は大人のそうした策略にまんまと乗せられては「あと何ヵ月と何日…」などと指折り数えては物欲を封印し耐えたのであった。かく言う私もそうした時代に少年時代を過ごしたひとりである。流石にサンタクロースの存在など信じてはいなかったが、枕元に靴下を置く(ベッドではないので吊るす事は出来なかった…)形式的な儀式は大切にした。私の誕生日は7月1日であるので、ほぼ半年単位で欲しいものを我慢しては待ち続けるローテーションであった訳だ。誕生日に友人を招いて誕生会をやるのが当時は流行っていて、それだけに誕生日には友人からのプレゼントが大いに期待されたが、クリスマスとなると家族単位のイベントなので、両親も他力本願に頼る訳にはいかなかった。そこで半年間「欲しい」と切々と訴え続けたモノを買ってくれた。私の場合、当然の事ながらその殆どがプラモデルであった。1日10円の小遣いでは例え逆立ちしても買える事のなかったマルサンのHOスロット・ホームサーキットセットや日本ホビー1/20M-41ウォーカーブルドック戦車などの大物は、全てクリスマスプレゼントとして両親にねだって買って貰ったものだ。もはや両親からのクリスマスプレゼントはいつが最期だったかも既に忘れてしまったが、その後は彼女からとなり、やがて妻からへと替わり、いつの間にやら貰う立場から贈る立場へと替わってしまっていた。それでも子供が幼い時は玩具を買ってやる事はそれなりに楽しかったが、すっかり大人となってしまい玩具など欲しがらなくなってしまうと、クリスマスプレゼントそれ自体に何やら夢のない即物的側面を感じるようになってしまった。まあ、自分がガキの時分だって物欲にまみれていたのだから、それを云々する資格は私にはない。ちなみに数年前までは子供達もクリスマスの夜には家に居たから、習慣としてクリスマスケーキは毎年、晩餐の席にあがった。その晩だけは我が家の猫達もケーキのご相伴に預かる(ウチの猫はクリームやあんこの好きな変な猫どもである)。 しかしそうした家族の団らんも子供の成長と共になくなり、今では猫と共に静かな聖夜を過ごすのみである…などと言っていたら、今年の初頭に我が家に新たな子供達がやって来て、にわかに賑やかに…と云うか、にわかに大混乱をもたらしている。新たな子供達と云っても別に孫が出来たとか、ましてや妻が更に赤ん坊を生んだとかである筈もない。子猫が2匹やって来て、我が家の新たな家族に加わったのだ。これについては少しばかりこのブログで過去に触れたので、ご記憶の方もおいでかもしれない。三式戦「風」と夜間戦闘機「海」と云う。三式戦とは三色の三毛猫だからで、夜間戦闘機は見てのとおりである。こやつらが巻き起こす混乱は「宇宙戦争」以上の戦慄である。眠っている人の頸動脈を思い切り踏んづけてジャンプはするは走り回るは、もしも猫好きでなかったら半狂乱になってしまうであろう狼藉振りである。天使のような悪魔なのか悪魔のような天使なのか、とにかく可愛いが大変な奴らなのである。そしてこやつらにとっては生まれて始めての聖夜が来る。もはやケーキは望めぬかもしれぬが…って、猫にそんなモン喰わせちゃいかんて…せめて猫用ではなく人間用の高級食材「塩分無添加・煮干し」をたらふく喰わせてやろうと思っている。その事による見返りは猫には期待しないが、居てくれるだけで幸せを運んで来てくれるのだ。起きている時は「暴れはっちゃく」だが、寝ている時の寝顔はまるで獣のようだ…当たり前だ。獣である…そうでなくて、その寝顔はまさに天使である。聖夜に2匹の天使が舞い降りる。これはこれで人生にとって素敵なプレゼントであることよ。メリークリスマス。貴方にも素敵な聖夜でありますように。
投稿者 平野克巳 : 2005年12月23日 19:55
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