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初代編集長 平野克巳の「猫の耳に大仏」湘南鎌倉便り


モデルカーズの生みの親、平野克巳氏による目からウロコの模型小噺。さぁどんな話が飛び出しますか。乞うご期待。

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2006年03月08日

本とに困ってんだから…


こんなモノまで後生大事にとってあるから収拾がつかないのである(偉そうに言うなーっっ)


 かつて住んでいた家で蔵書の重さに耐えかねて部屋の床が抜けたことがある。プラモデルならいくらカサばったとしても重量的にはたいしたものではないが(まあ、それも程度問題である…プラモデルがギッチリ詰まった段ボールの大箱は結構な重さがあるにはある…)、書籍、雑誌の類いとなるとそうはいかない。なにしろ本と云うヤツは元はペラペラな薄い紙だが密度が半端ではない。既にこのブログでも記したように少年時代から愛読していたカーマガジンに始まり、多種多用な本を永年蓄積し続けて来た訳であるからたまらない。家が悲鳴をあげたのもむべなるかな、であった。それを契機として蔵書を整理処分することを決心した。当初は広告ページを破り捨てて…などと消極的かつ踏ん切りの悪いことをしてみたが、そんな非効率的な対処法ではとても根本的な解決は覚束なかった。そこで将来的にも必要と思える情報だけを切り取ってファイルし残す方法を実行した。だが、豈図らんや、世の中は自分の思い通りには決してコトが運ばないもので、「これは要らんな」などと捨てたページに限って、あとから必要になったりした。結局、万全な策はないと思い切った。先ずはカーグラフィックをまとめて処分した。'60年代から'70年代にかけてはツカも薄かったが、'80年代バブル期になると広告も倍増し一気に厚みを増していたからだ。一年分だけでも相当な分量でカサばること著しかった。それにここだけのハナシだが内容も年を追うごとにツマラナクなっていた。大量のCGが我が家から消えただけで随分と家の中は広くなった。それに勇気を獲て更に続けてモデルグラフィックスも処分した。中とじの本は蔵書保管には向かない。ミッチリ詰めずに一寸でも隙き間があったりするとズルズルと傾いだり折れ曲がったりしてしまう。そうしたおさまりの悪さが実はずっと嫌だったのである。それでも創刊号だけは捨てる気になれず残した。今はどこに在るのか分からないけれど…。こうなると人間勢いと云うか弾みがつくものである。更にはオートスポーツも処分した。ただ今も私にとっては原点の時代である'70年までは処分するに偲びなく、それ以降の号をゴッソリと廃棄することとした。次には4×4マガジン、コンバットマガジン、宇宙船、その他諸々も処分対象となった。古今東西、津々浦々のゴジラ関係だけは最期まで決断する勇気が持てなかったけれど。また雑誌ばかりでなく文芸書の新書や文庫本も山のように破棄した。'62年頃からあった航空ファンはまとめてハセガワ(当時は長谷川製作所)に引き取っていただいた。日頃の御礼もかねて無論、無償供与である。こうして我が家からは私の人生の蓄積である(たまった垢と云う見方もある…)思い出たちが去って行った。反面、気分がすっきりした。人生のリセット、破壊のカタストロフである。
 あれから10数年、雑誌は極端に買わなくなった。自動車専門誌などは殆ど読まないに等しい。それでも本と云う魔物はじわりじわりと生活圏を侵蝕しつつあって、知らぬ間に壁だ廊下だ、しまいには部屋の中だと加速度的に積み上げられていく。しかも二重に三重に…これでは関西圏の違法駐車である。よく昔、大地震が来たら平野さんはプラモに埋もれて死ぬに違いない、などと笑われたものだが、大量の書籍ではそんな冗談にもならぬ。洒落にもならぬどころではない。本当に圧死してしまう。それでも文庫本などは定期的に処分を繰り返しているのだが、プラモデルと一緒で減るより増える度合のほうが遥かに優っているのである。それでも「んむむむ」などと「取り合えず見ないでおこう」方式の逃避を続けていたのだが、同居する母が脳卒中で倒れてそうも悠長にも構えていられなくなった。身体が不自由になってしまった母の為には室内空間は少しでも広いに越したことはないからである。そこで膨大な蔵書量を誇った猫関係(動物の猫である。ネコパブのことではない)の書籍と、新書判、文庫本を再び処分することにした。取り合えずとダッとまとめてブックオフに持ち込んだ。全228册で4,760円也…一冊2千円以上の本も多い。文庫本とて昨今は千円近い価格だ…それがこの買い取り価格…腹は立たなかったが何やら無性に哀しかった。喜びいさんで買って大事に保管して来た本には愛着もひとしおである。それがゴミと一緒の一冊見当20円かい。しかも後日、店頭では新書定価の半額のプライスタグが付けられて並べられていた。買い取りが20円なのは良い。だが最近の古本は高すぎないか。精々定価の3分の1までぢゃねーのか。私は読み飛ばして捨てるタイプではないから、半値で古書を買うくらいなら気持良く新書を買うわな。しかし、自身が携わっていて言うことぢゃないけれど、最近の本は高いねえ…。千円札一枚で買えない雑誌はいけねえやな。購買意欲を削ぐってもんだぜ(何故にここだけべらんめえ?) さて、そんな訳で古典キット倶楽部でランチア・ストラトスの仕込みを始めたところ、資料がてんで手元にはない。'76年のサファリラリーなんてオートスポーツ見れば…って、とうの昔に捨てちまったい。全く人生は思うようにいかない。ぢょーだんぢゃねーや、ってキレてないすよ、キレてないす(別にパラパラは踊らない)

投稿者 平野克巳 : 2006年03月08日 18:40

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