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2007年08月08日
モデルカーズ的こころ(04)
'80年代、既にプラモデルは低迷の時代へと突入していた。'70年代のオイル・クライシスによる価格高騰以降、昔日の勢いは全く見られなかった。そもそも実車自体が排ガス規制と低燃費対策に汲々となり余裕の感じられないクルマばかりになって、デザイントレンドも真四角なセダンばかりが目立つようになった。スポーツカーやスポーティクーペは影を潜め、そのあおりを喰ってプラモデルも最新車種を模型化する勢いが衰えていた。永らく最新モデルばかりを追って来たプラモデルとしては、不遇の時代に突入していたのだった。だが、ちょっと視点を変えて過去を振り返れば、元気だった時代のクルマが未だ多くの人に顧みられることもなく埋もれていた。ボクたちはそうした名車たちにスポットを当てた。フェラーリ250GTO、フェラーリ250SWB、コブラ427、そしてフェラーリ250LM、330Pシリーズ、フォードGT、ポルシェ906など'60年代を代表する名車たちである。取り分けフェラーリ330P4とフォードGT40の2車はトップスターに据え、激闘のル・マン24時間レースに焦点を当てた。ちょうどライトフライヤーの老舗、ユニオンモデルがプラモデルに進出し、仏エレールの名作を自社ブランドで大々的に発売したこともあって、トップ特集はフェラーリvsフォードを企画した。
またLSが人気コミックス「三丁目の夕日」をテーマに、1/32ヒストリックカーシリーズを立ち上げたことにもいち早く着目し、ダイハツ・ミゼットやマツダR360クーペを記事として採り上げた。
それまでクルマのミニチュアモデルというとプラモデルとダイキャスト・ミニカーの二本立てというのが一般的な通念だった。しかし、その合間を埋めるようにしてダイキャストやホワイトメタル、レジンなどの組み立てキットが誕生し、主にヨーロッパから流入しつつあった。この分野は未だ余り知られておらず、ごく限られた一部のマニアにしか浸透してはいなかったが、この分野についても率先して紹介し普及させたいと考えた。当時、原宿表参道の「伝説のセントラルアパート」にオフィスを構えていた、この分野における我が国のパイオニアたるメイクアップ、U氏には、早い時期より強力なバックアップをいただけることとなり、以後、ホワイトメタルモデルはプラモデルと共にこの本における主要アイテムの一画を成すこととなる。
またホワイトメタルキット国産化の先駆けとなったミニカーショップ・コジマにも早くからご理解いただき、オーナーのK氏にはなにくれとお世話になることとなる。当時は未だ中央区八丁堀に店鋪があって、街の老舗のおもちゃ屋さんの風情であった。
伝統的な1/40前後のダイキャスト・ミニカーについてはこの世界の第一人者であったミニチュアカーショップ・イケダの協力を得た。オーナーのI氏は気さくな人柄で、日暮里の店鋪に伺うのは良い気分転換になったものだ。
それまで業界とは無縁であったボクだが、いわば「飛び込み」のようにして業界とのおつき合いが始まった訳だ。当時のボクは「情熱だけが武器」の恐いもの知らずに過ぎなかったのだが、業界各界の方々はそんなボクにとても優しかった。今にして振り返っても本当に良い思い出となっている。(続く)
投稿者 平野克巳 : 2007年08月08日 00:59
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