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2007年06月27日

大鉄道博覧会「下工弁慶号」搬入大作戦!

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いよいよ開幕が迫ってきた江戸東京博物館の「大鉄道博覧会」ですが、昨晩は展示の大きな目玉ともなる「下工弁慶号」の搬入が行われました。“言い出しっぺ”の一人である私としては、展示会場に無事安置されるまでを見届けたく、夜遅くまで搬入作業に立ち会ってきましたので、今日はその様子をギャラリー風に順を追ってご覧いただくことにいたしましょう。
▲約10時間を掛けてはるばる山口県から「下工弁慶号」を載せたトラックが江戸東京博物館に到着。'07.6.26

IMGP1975n.jpg 「下工弁慶号」についてはすでにご紹介しておりますが、石川島播磨重工業(IHI)の前身である石川島造船所が1907(明治40)年(別説もあり)に製造した自重5.5tのBサドルタンク機です。つまりちょうど100歳ということになり、100年目にしての生まれ故郷・東京への“凱旋”となるわけです。前日の25日には同機を所有する下松市役所で井川下松市長と江戸東京博物館木村副館長との間で貸借契約調印式が執り行われ、トラックに載せられた「下工弁慶号」は約10時間を掛けて江戸東京博物館へと向かいました。
▲両国駅に隣接する江戸東京博物館ではすでにエントランスロードに「大鉄道博覧会」の大看板が設けられている。'07.6.26

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▲博物館裏手の搬入口からいよいよ“搬入大作戦”が始まろうとしている。さながら線路のように廊下に敷かれているのは「エアーキャスター」用のシート。'07.6.26

実のところこの位の小型機の場合、屋外での搬出・移動はさほどたいへんではありません。先日このブログでもご紹介した「古典ガソリン機関車救出大作戦」のように、クレーンさえあれば比較的楽に移動することが可能ですが、今回は博物館の屋内展示場に5t以上もある機関車を搬入しなければならないのですから、当初からかなりの困難が予想されていました。あらかじめ綿密な寸法出しが行われ、結果として採用されることとなったのが「エアーキャスター」と呼ばれるホバークラフトのような移動機械。やはり絶対に疵を付けられない重量物、たとえば石像のようなものをそろりそろりと移動させるのに使われる特殊な方法です。江戸東京博物館でもこのエアーキャスターを使用しての搬入は初めてとのことで、深夜まで掛かった搬入作業は終始緊張感が漲ったものとなりました。

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▲「下工弁慶号」はエアーキャスター用の特注鋼製パレットに載せられフォークリフトで定位置に。パレットはあらかじめ木製のダミーを作って搬入経路の“あたり”を確認しており、2箇所の角が“隅切り”されているのに注意。'07.6.26

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▲江戸東京博物館ではこれほどの重量の展示物を屋内展示場に入れたことはないそうで、搬入路に機関車を置くまででもひと苦労。'07.6.26

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▲プラットホーム上に載るといよいよ秘密兵器「エアーキャスター」の出番。左の白い物体が風船状に膨らんでエアーを噴出するエアーキャスター。右の分配装置で巨大なコンプレッサーからの圧縮空気を6基のエアーキャスターに分配する。'07.6.26

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▲エアーキャスター本体を持ち上げてもらったところ。円盤状の風船(?)には細かい穴が空いており、その穴から圧縮空気が噴出する。さぞや高圧かと思いきや、担当者に伺ったところでは2kg/c㎡以下とのこと。'07.6.26

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▲6色に色分けされた各エアーキャスターの空気管を分配装置に接続。屋外の巨大なコンプレッサーからバキュームホースのような太い管で送気を開始。'07.6.26

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▲6基のエアーキャスターの圧力を微妙に調整しつつ、全体が水平に浮くように神経を遣う。素人目にはわからないが、掛け声とともに何度も何度も微調整が繰り返されていた。'07.6.26

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▲ようやく設定完了。作業責任者のOKとともにパレット自体がゆっくりと回転する。エアーキャスターから漏れる空気音とともに「下工弁慶号」はプルプルと微妙に上下に震えている。'07.6.26

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▲いよいよ館内の廊下に。先導者(右)がロープをゆっくり牽き、各パートの係員が進路の微調整をしてゆく。ほんとうに這うようなゆっくりした速度で展示場へ。'07.6.26

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▲最大の難関は廊下から展示室ドアへの“直角コーナー”。まさに職人技、ぎりぎりの回転をアニメーションでご覧あれ。'07.6.26

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▲メイン展示場に姿を現した「下工弁慶号」。床に敷くコンパネとシートは移動にあわせて後方から前へと敷き直すため、しばらく進むと小休止となる。まるで野戦軌道の「軌匡」の敷設のようだ。'07.6.26

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▲ようやく最終的な展示位置までの「軌匡」が完成。ぽつんと移動を待つ「下工弁慶号」からはシューシューと生きているかの如きエアーキャスターの排気音が聞こえてくる。'07.6.26

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▲移動再開。途中で進行方向が微妙に変化するため気の抜けない作業が続く。'07.6.26

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▲展示位置に到着。エアーキャスター用のシートと延々とのびた送気ホースが苦難の道を物語る。ちなみにシートには噴出するエアーを100%受け止める役目と、エアーキャスターの風船部の破裂を防止する役割があるという。'07.6.26

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▲展示位置で90度回転。2ヶ月あまりに渡って展示される定位置にはあらかじめ鉄板が敷かれている。'07.6.26

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▲ジャッキを掛けて慎重に降ろされる。ただこの時点ではサイドロッドが下りていない。'07.6.26

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▲ジャッキで再度持ち上げ、人力で車輪を半回転。「公式側」のロッドが下がって俄然見栄えのよくなった「下工弁慶号」の晴れ姿。この後、窓枠やサンドドームの蓋など外されていた部品が取り付けられ、いよいよ公開の姿となる。'07.6.26
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途中数々の困難はあったものの、無事に展示位置に移動完了。さて最終的にジャッキを抜いて…というところで僭越ながら“待った”を掛けさせていただきました。そう、サイドロッドが下りていないのです。せっかくの晴れ姿なのにこれでは画竜点睛を欠き、さながら正座ではなく片膝を立てて座ったようなもの。期待してご来場いただく皆さんにも申し訳ありません。無理を言って再度ジャッキアップ。背圧を考慮して私がドレインコックを開け、作業員の方が車輪を90度ほど回転させて、めでたくロッド位置の下りた素晴らしい姿となりました。今後は窓枠などの取り付け、さらにボランティアによる磨き上げが行われ、いよいよ7月10日のグランドオープンのその日を迎えることになります。

投稿者 名取紀之 : 2007年06月27日 17:15

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