2006年3月
2006年3月31日
宿命の対決シリーズ ムーブラテ対パンダの巻 その3
★最後にホイールベースをば比較。ムーブラテ 2390ミリ
パンダ 2300ミリ
ガーン! 全長で14センチ長いパンダの方が、ホイールベースでは9センチ短い! つまりラテの方がタイヤがボディの四隅にあり、運動性能良好なスポーツカータイプだったのでした、スポーツカータイプじゃないけど。
ホイールベースの長さは、室内長に直接響いてしまう。これが、後席の足元の広さにおけるパンダの敗因その1‥‥つーかすべてかいや。
実際目で見て比較してみようってことで、前端を合わせて、ラテとパンダを並べて置いてみました。
すると、後輪の位置はほぼ同じだけど、前輪の位置が違う。パンダの方が後ろにあるの。んで、Aピラーの付け根の位置が全然違う。一番端的なのは、ハンドルの位置。目分量だけど、ラテの方がパンダより20センチくらい前にある。つまりパンダは、ラテに対して室内のスタート位置で20センチくらい(繰り返すけど目分量)のハンデを負ってるわけで、結局それがダイレクトに後席足元の余裕の差になっちまってるんだよな。
つーかね、この2台、エンジンルームの前後幅が全然違うんだよね。ラテは、というか軽自動車は、これが猛烈に小さい。すんごく前後幅の狭いところに、実にうまくエンジンがレイアウトされている。
対するパンダも、けっこうキチキチに詰めてるように見えるけど、ラテと比べちゃったらえらい違いなんだ。
これはやっぱり、日本の軽がさぁ、限られた寸法のなかでいかに室内空間を稼ぐかってことに長年猛烈に真剣に取り組んできた努力の賜物以外のなにものでもないね! なんせ軽のエンジンルームって、ありえないくらい前後幅狭いから。
ただし、荷室の前後幅はパンダの方がある(深さもパンダの方が上)。つまりパンダは、全長における14センチの余裕を荷室の充実に回しつつ、室内のスタート位置で約20センチのハンデを負っているため、結局室内長が20センチくらい短くなり、それが後席足元の余裕の差となっておるという構図ですな。
日本が誇る縮み至高の工芸品・軽自動車の一族であるラテは、血を吐くような努力の末に勝ち取った虎の子の室内空間を、とにかく居住最優先で回しておるのでした。
投稿者 MJブロンディ : 2006年3月31日 12:21
2006年3月24日
宿命の対決シリーズ ムーブラテ対パンダの巻 その2
では、両車のボディサイズの比較をば。
★全長 ムーブラテ 3395ミリ
パンダ 3535ミリ
14センチほどパンダの方が長いです。軽自動車は全長3・4メートル以内って決まってるので。
★全幅 ムーブラテ 1475ミリ
パンダ 1590ミリ
ラテは軽自動車なので、1475ミリは絶対零度のごとく不動の絶対全幅。一方パンダはそれひょり11・5センチ幅が広いが、それでも今日本で買える登録車としては一番全幅が狭い。5ナンバーサイズマイナス11センチなんてクルマはパンダだけ! 国産コンパクトカーにはこんな幅が狭いのは今はもうないから!! トヨタなんて、一番幅が狭いパッソでも1665ミリだもん。日産はマーチが1660ミリ。他はほとんど5ナンバーサイズいっぱいの1695ミリになっちゃった。パンダはそれより10センチ幅が狭い。これは日本の狭い道で重宝するぜえ!
と思ったんだけど、よく調べたらスズキのワゴンRソリオは1620ミリだった。うーむ、軽ベースの登録車には手強いのがいるな。じゃ他にも? うげえ! ダイハツ・テリオスは1555ミリ! パンダ破れたり! ありゃあ~~~ミラジーノ1000は1495ミリだったよ~~~‥‥。軽より2センチ幅広いだけやんけ! そんなの、ちょっと厚いドアモールがついただけってことだろが! って怒ることじゃありませんね。いずれにせよ、パンダの1590ミリという数字は、登録車としては日本国内で販売されている中でも指折りに幅が狭く、狭い道の多い日本で使うゲタとして便利であります。
★全高 ムーブラテ 1630ミリ
パンダ 1570ミリ
パンダは、ルーフレールがついてこの数字でして、ルーフレールのないベースグレードは1535ミリと、ラテより95ミリ低くなっております。
つまりパンダは、ラテと比較するとロング&ワイド&ローのフポーツカーフォルム。全然スポーツカーフォルムじゃないけどラテに比べれば明白にスポーツカーフォルムなのであります。
投稿者 MJブロンディ : 2006年3月24日 19:32
2006年3月22日
宿命の対決シリーズ ムーブラテ対パンダの巻 その1
かねてから疑問に思っていたことがある。それは、「フィアットパンダは、なぜあれほど後席の足元が狭いのか!?」というものだ。
パンダは、日本の軽自動車より少し全長と全幅の数字が大きい。なのに、後席足元は、軽自動車よりまるっきり全然狭い。この差はいったいどこから来るのか? 逆に言えば、軽自動車は、なぜあれほどすぐれたパッケージングを実現できているのか?
たまたまムーブラテクールターボを借りている時に、パンダアレッシィに乗ることができたので、両車を並べてじっくり観察してみました。
余談だけどさ、それにしてもムーブラテクールターボって、凄いグレード名‥‥。俺はラテに、そんなグレードがあったなんぜ全然知らなかったよ! だいたい俺が今回ラテに乗れたのって、たまたまうちのスタッフがムーブラテを1週間借りてたからなんだよ。「じゃそれ乗せて乗せて!」って頼んだら、いきなりソリッドブラックのちょっと怖めのラテが止まってたからビックリしたよホント!!
ラテと言えば、世界に誇る元祖ヌイグルミカー。黄色ければピカチュウ、赤ければトマトちゃん、オレンジ色ならミカンちゃんって呼びたくなるような、ちょーきゃわゆいクルマである。それがソリッドブラックで、口元もキリリと引き締まっててさぁ! 「これはもこみちバージョンか!?」って思ったけど、もこみち君のは“男タント”ことタントカスタム。これはラテでタントじゃない。じゃなんなんだぁ! ムーブラテに「クール」の「ターボ」があったなんて聞いてねえぞ‥‥。って知らなかっただけだけど。とにかくこれは“男ラテ”なんですね、間違いなく。
そんな男ラテに勇躍乗りこみ、大磯プリンスホテルに駆けつけた44歳自営業のワタクシを待っていたのは、ブラックとホワイトのツートンのパンダアレッシィだった。
アレッシィもきゃわゆいけど、ラテのきゃわゆさとは全然タイプが違う。ラテはひたすらきゃわいくしてて、男から声がかかるのを(いい男が釣れるのを)じっと待つタイプ。世界に冠たる無害なヌイグルミキャラだ。一方のパンダアレッシィは、能動的ではっきりした意思を持つキュートな女の子、ただし炊事洗濯育児等は全部ニガテって感じね。
投稿者 MJブロンディ : 2006年3月22日 14:55
2006年3月17日
宿命の対決シリーズ エッセ対ゼスト編 その4
つまりエッセは、ロングストロークという素性を生かして低中速トルクを稼ぎ、高回転もツインカムと各部の低フリンクション化で実現。ゼストはショートストロークでビュンビュン回ってパワーを稼ぎつつも、SOHC、ツインプラグ、高圧縮比で低中速トルクを確保。基本のカタチは対極なんだけど、お互い自分の弱点を補う構造を採用した結果、スペックはほとんど似たようなもんになったってわけだ。
でも、繰り返すけど、フィーリングは対極なの。「とことことこ」って濃く走るエッセに対して、ヒュンヒュン鋭いゼスト。ただしトルク感はほとんど互角ってのが不思議でしょ。まぁ車重はゼストの方が150kgくらい重いんで、加速自体はエッセの方が上だけど。
あと、エッセは、最上級グレードを除いて原始的な3速ATを採用、トルコンスリップがしっかり楽しめて、なんか脱力感あって陽気でイタ車っぽい。ゼストは電子制御ロックアップ付きの4速ATで近代化の権化、いかにも現代の日本車風だ。そのへんも全然違って楽しいんだよなー。
と、ここまで2台のエンジンとミッションのみを対決させてきましたが、クルマにとって最も重要な外観デザインはというと、エッセがルノー5のパクリ風ヨーロピアンテイストで、かなりのオシャレセンスを感じるのに対して、ゼストは怪獣ゼットン風で、フロントフェイスのセンスゼロ。最近のホンダのデザインは、ホンダワールドの中だけで完全に煮詰まっているモデルがほとんどで、発展性がまったくナシ! エンジンはいいけどさ、こんなの買えるか! って感じだ。
一方エッセの方は、軽では一番オシャレで、個人的にメチャメチャ気に入ってんだけど、最近になって、「しょせんヨーロピアンテイストで、ムーブ・ラテの“ヌイグルミ・カー”みたいな新境地は開いてないのかも‥‥」という思いも、若干もたげてます。エッセを買おうって決意してたんだけどさ、それよりムーブ・ラテやMRワゴンを買った方が、チャレンジングだろうか‥‥。
でも、ラテやMRワゴンにはマニュアルの設定がないんだよね。ゼストもナシ。やっぱオレには、5MTのエッセECOしかねーよな!
投稿者 MJブロンディ : 2006年3月17日 21:11
2006年3月10日
宿命の対決シリーズ エッセ対ゼスト編 その3
一方、ホンダ・ゼストはというと、見事なほどにエッセのエンジンとは正反対だった。
ゼストのP07A型エンジンは、ライフから導入されてるヤツだけど、今回改めて乗ってみて、改めて感動しますたよ。これはほとんどレーシングエンジンだ! いかにもホンダエンジンらしくビュンビュン回る。「とことことこ」で濃いエッセとは真逆の、軽くて鋭いフィーリングね。
ボア×ストロークは、うおおおお! ってくらいのショートストロークで、なんと71・0×55・4。かつての空冷ポルシェくらいのショートストロークじゃんか!! ホンダのエンジンって、ロングストロークだろうがショートストロークだろうがビュンビュン回るっちゃ回るんだけど、ゼストのはこまねずみみたいに回る回る。これはこれで気持ちいいんだよね‥‥。
ちなみにライフとゼストを除くバモス等のホンダの軽は、ボア×ストロークが66・0×64・0のスクエアタイプとなっております。三菱もスクエア、スズキは68・0×60・4でエッセ以外のダイハツとほぼ同じという普通のショートストロークタイプなのら。うーん、こうやって調べてみると、軽っていろいろ面白いなあ~。
とにかくゼストのP07A型エンジンは超ショートストロークなんだけど、じゃ低中速トルクがないかって言ったら、そうでもないんだよ。
ゼストは、まずSOHCだ。SOHCでバルブ径が小さい分、基本的に低中速に強い。プラス、ショートストロークの宿命として燃焼室が平べったい「ホットケーキ型」になるので、それを補うためとパワーと燃費とエコロジーの制御を狙って、ツインプラグによる2点位相差点火(時間をずらして火花を飛ばしてる)を採用してる。これで11・2という高圧縮比が可能になった(エッセは圧縮比10・8でちょい負け)。結果、52ps/6700rpm、6・2kgm/3800rpmと、スペック上はエッセより若干低回転型という逆転現象になっているんだよな。ま、実用域ではおおむね同じなんだけど。
投稿者 MJブロンディ : 2006年3月10日 21:52
2006年3月 6日
宿命の対決シリーズ エッセ対ゼスト編 その2
俺がエッセで感動したのは、シンプルを極めるっていうコンセプトもだけど、エンジンのトルク感だったんだ。そんなに回転を上げなくても、これほどトルクを感じさせる自然吸気の軽自動車用エンジンがあったのか! って。あったのか、っていうか出たばっかだったんで、作れるのか! だけど。
エッセのエンジンがなぜこれほど低・中速トルクがあるのか。
最大の要因は、ロングストローク化だそうだ。エッセのKE-VE型エンジンは、ボア×ストロークが63・0×70・4なんだよね。
最高出力は58ps/7200rpm、最大トルク6・6kgm/4000rpmで、スペックを見ると、他の軽用エンジンに比べてそんなに大きな差はないけど、フィーリングは確かに未経験のものだった。軽のエンジンって、「びゅい~~~~ん」ってひたすら安っぽいっていう先入観があったけど、エッセは「とことことことこ」って、小さいながらに頑張って爆発してる、濃厚で味わい深いフィーリングがあるんだよ。
ロングストロークだから燃焼室の直径は小さいんで、効率のいいペントルーフ型燃焼室にできて、当然のように4バルブDOHC。ただしロングストロークでトルクを稼いでいる分、従来のダイハツの軽エンジン「EF-VE」型が採用してた可変バルブタイミングはナシだ。ちなみにこの「EF」の方(ムーブなど他のほとんどの車種に搭載)は、ボア×ストロークが68・0×60・5のショートストロークタイプなんだよね。可変バルタイで低速トルクを補ってるので、スペック上は最大トルク6・5kgm/4000rpmと、エッセの「KE」と大差ない。が、フィーリングは確実に違って、エッセの方が頑張ってる感が強くて愛らしい。
投稿者 MJブロンディ : 2006年3月 6日 20:23
2006年3月 3日
宿命の対決シリーズ エッセ対ゼスト編 その1
いままで俺は、軽自動車のエンジンなんでどれもほとんど同じだろ、と思ってた。というか、2種類しかないって思ってたのね。遅すぎる「自然吸気」か、ラグがデカめで燃費が悪すぎる「加給器付き(スーパーチャージャー含む)」のどっちか。その2種類は確実に違うけど、その2種類以外の分類は必要ナシ。各メーカー、660ccっていう枠の中で極限の開発競争を繰り広げた結果、全部同じになっちゃった、って決め付けてた。
不勉強、汗顔の至りであります。
今回は、軽自動車界のフェラーリ対ポルシェ、あるいはアルファロメオ対BMWとして、ダイハツ・エッセ対ホンダ・ゼストのエンジン対決編(NA版)をお届けしたいと思います。
投稿者 MJブロンディ : 2006年3月 3日 21:42














