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2005年6月21日

お寿司の話 その2

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▲サバとシロイカ。何れもうまい。

 当社の社屋は、現在、目黒区の碑文谷にあるが、5年前までの8年間ほどは、世田谷区の弦巻にあった。この弦巻の時代に私は寿司の本当の旨さを知った。

 というのは、弦巻時代、私の部屋はビルの2階の一番北側にあり、その通りを隔てた向かいに小さな寿司屋があった。この寿司屋は名前を「寿司正」といった。引越し当初は、どんな味かわからず、何となく敬遠していたのだが、ある日、意を決して寿司正の暖簾をくぐってみた。すると、なんと、とても旨いのである。

 特に冬場にほんの一時期しか出ないヤリイカの透明な美しさとコリコリとした歯応えの良さ、また、シメ鯖の絶妙な味の良さなどは、この寿司正ならではの物で、すっかり気にいってしまった。それから、頻繁に行くようになり、ご主人ともとても仲良くなってしまって、少々のワガママは聞いてもらえるようになった。

 当時、私が何回かお願いしたワガママの極めつけは、平日の夜の2時間、貸切にして、ノルマを達成した編集部全員を呼び、食べ放題をやったことだ。若い社員達は私の若い時と同様、寿司屋のカウンターに座るチャンスはそうあるものではない。まして、彼女を連れて暖簾をくぐるのは、なかなか勇気がいるものだ。だから、私がこの提案をしたとき、みんな諸手を上げて賛成した。焼肉の食べ放題は、どこの会社でもやると思うが、それを寿司屋でやる、しかも旨い寿司屋でやるところがとても贅沢であった。

 ここまで、読んで読者の皆さんは、いったい御代はいくらになったのだろう、おそらくタネは全部なくなってしまっただろう、などと想像したと思うが、実はご主人のサービスもあったのだが、意外と御代は安く、タネもなくならなかったのである。なぜなら、寿司はシャリがついているので、思ったほどは食べられないのである。でも、毎回みんなとても満足してくれたことを覚えている。社員から希望があれば、この企画はまたやってもいいと思っている。

 社員のみなさん、どうですか?

投稿者 笹本健次 : 2005年6月21日 10:53