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2010.10.04

●2つのV12を比べてみる

山中です。

アストンマーティンはV8 Vantageの以外のモデルには、V型12気筒の5935ccを搭載しています。
8気筒を含めてドイツのケルンで生産をしていますが、V12にもチューニングの異なる二種類がラインナップしています。

一つはDBSやV12 Vantageに搭載されている510bhpを発揮するV12。
もう一つはRapideやDB9に搭載されている470bhpを発揮するV12。

基本の設計が同じV12なので、ボンネットを開けてエンジンルームを覗いても差異は正直見当たりません。
ラピードとDBSが並んでいたショールームで、ひょんなことからセールスの藤崎と「二つのエンジンの違いを見つけよう!」なんてことになり、間違い探しのようなことをすることに。
DSCF3718.JPG

唯一にして最大の違いはインテークとそのカバーの形状の違いです。
見比べてもらえればその違いに気付いていただけるかと思います。


大きな形だけでなく、インテーク表面の処理も違います。
色々な雑誌で取り上げられているので、ご存じの方も多いかと思いますが、470bhpエンジンはインテークがシルバーで、510bhpのエンジンはホワイトで表面が処理されています。
前者が全て塗られた様な仕上げに対して、後者は文字の部分のみヘアライン仕上げのようになっていて金属地が顔を出しています。
DSCF3722.JPG
写真だと色味がしっかり表現出来ていませんが、下のインテークは実際はシルバーに見えます。

微妙な凹凸も異なっています。
DSCF3725.JPG


さて、私と藤崎が二つのエンジンとにらめっこをして探したのは、インテークの違い以外の部分です。
結論から言うと外観上の違いは見つけるには至りませんでした。。。
補給機の付く場所も同じ、パイプ類の取り回しも同じなのです。
一つくらいは見つけたかった。

510bhp/6500rpm&570Nm/5750rpmと470bhp/6000rpm&600Nm/5000rpmの違いは果たしてどこから来るのでしょうか。

まず一つは唯一外観から違いのわかるインテークマニフォールドです。
DBSやV12 Vantageのそれは、エンジンの高回転化と高回転域での出力アップをするような吸気抵抗の少ない設計のものになっています。

インテークポートも510bhpエンジンは異なります。
バイパスインテークポートを備えていて、エンジン負荷とスロットル開閉状況に応じて5,500rpm以上でバイパスポートが開き、吸気口からマニフォールドまでの距離が一気に短くなるのです。
当然これによって高回転域での抵抗が減るので、出力アップにつながります。

インレットポートのプロファイルも高回転に対応するように最適化されています。
ポートがカーブしない様な設計にすることで直線的に吸気出来るようになっているのです。
ポート研磨とまではいかないですが、それと同じように吸気抵抗を減らす為のプロファイル変更と言えましょう。

オイルパンも異なりますし、マッピングも異なるし、と実は見えないところでチューニングが行われているのです。
見えないものですから、写真が無く文字ばかりになってしまいすみません!!

DBR9などではこのエンジンで600bhpの出力を出していますし、パワーアップしようと思えばいくらでも出来るのでしょうね。


さてさて外観上の違いを結局発見出来なかった私ですが、すごいマニアックなことを発見してしまいました。
ここからは自己満足で書きますので、そんなことブログで書くなよと思わないで下さい。

DBSはボンネットの縁が当たる部分にこんな固いスポンジが取り付けてあるのです。
DSCF3721.JPG

RapideやDB9などを見てもこのスポンジの様なものはありません。。。
IMG_1761.JPG

DBSだと下の写真で赤く囲った部分にその謎のスポンジは付いているわけです。
IMG_3533.JPG

パーツマニュアルなどにも載っていないのですが、この固いスポンジでボンネットの歪みを抑えているのだと推測されます。
というのもDBSのボンネットだけはその他のモデルのボンネットと異なり、カーボンファイバー製なのです。
カーボンですから強度は充分ですが、強い分薄く出来てしまうので、風圧などの影響を受けてしまうものと思われます。
あくまで想像ですが、それを抑える役割のものではないかなと・・・・。

DSCF3720.JPG