2007年07月04日

「世界の日本車」と「駆けろ2馬力 風より疾く」 - 月刊ナビ 1989年12月号

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この頃(1989~1990年)、国産メーカーはその後の各社を代表するようなモデルを次々に生み出し、外車にしてもありとあらゆるスーパーマシンが続々と日本に上陸していた。そんな時代のクルマ雑誌はどれも話題と刺激にあふれ、毎号発売されるのが楽しみであった。中でも当時の月刊誌「ナビ」の面白さは際立っていたと思う。独特の切り口と斬新な企画にあふれ、おまけに新車で出てくるクルマが前述通り気合の入ったモデルばかりだ。めちゃくちゃ面白かった。その極めつけが、この1989年12月号である。巻頭特集で日本車を海外の著名ジャーナリストたちに評価させている。日産はデビューしたばかりのスカイラインR32GT-Rをニュルブルクリンクに持ち込み、絶賛に近い評価を受けている。フランクフルトショーでは、ヨーロッパデビュー前の初代ユーノス・ロードスターが拍手をもって迎えられていることが伝えられている。BMW735、メルセデス420SELとの比較テストに臨んだレクサスLS400(初代セルシオ)は、ドイツのジャーナリストからは、よくはできているがヨーロッパの高級車を凌ぐほどではない、と判定された。当時このナビを読んだ僕は、別に国産車のファンでも何でもなかったが、GT-Rやユーノスが海外で認められた記事を読むとうれしく思ったし、セルシオがまだベンツやBMWに及ばないと見られたことに少し腹立たしさを感じた。クルマ好きという立場から日本人としてのアイデンティティを意識させられたのは、これが最初だったかもしれない。そして、この号のナビにはもうひとつ素敵な企画があった。
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アニメーター宮崎駿が愛車シトロエン2CVとの20年以上にわたる日々を、笑いと涙にあふれた書き下ろしマンガ「駆けろ2馬力 風より疾く」にしてくれている。7ページしかないが、これはクルマのマンガ史において最高傑作だと個人的には思っている。「世界の日本車」にしても「駆けろ2馬力」にしてもその内容は両極端ではあるが、読み終えた僕は、クルマ好きでいて本当によかったな、と心から思ったのである。

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