テスト&リポート:謎のケミカル「ミスター・グリップマン」を検証する
「ミスター・グリップマン」とは
| ボトルは極普通のケミカル類と変わらない。ラベルはオートバイだが、4輪にも対応する。 |
「ミスター・グリップマン」とは、コスモステクノ・コーポレーションが販売する、タイヤのグリップを向上させるケミカルだ。「タイヤのブリップを向上させるケミカル」と聞いただけで、ちょっと胡散臭い感じもするのだが、施工も簡単で価格も手ごろ、これで本当に効果があれば・・・ということで早速テストに望むことにした。
ケミカルでタイヤのグリップが向上する理屈
「ミスター・グリップマン」の原理は商品説明ムービー通り。しかし、肝心の「何故グリップが向上するのか」という理屈に関しては詳しく説明されていない。ボトル裏面の記載によると、成分としてシリコーン、研磨剤、アルコールが含まれている。恐らく、研磨剤がタイヤ表面に染み出し付着することで路面との摩擦力が増し、グリップが向上するという理屈なのではないだろうか。少なくとも、手で触れた感触では、ムービーの中で説明されているような「粘着力」は感じられない。取り敢えず施工
| 施工はとても簡単だ。タイヤ表面を濡れ雑巾できれいにした後スプレー。10分ほど乾燥させるだけだ。 |
理屈は兎も角、取り敢えず使ってみた。テスト車両はBMWのR100GS、タイヤはミシュランの「アナキー」。いわゆるオンオフ・ツアラーが好んで装着するタイヤで、グリップと耐磨耗性を高い次元で両立したタイヤとして好評だ。
しかし、使用状態はほぼ6分山。そろそろタイヤのゴム厚によるダンピング効果も薄くなり、グリップも新品から比べるとかなり落ちてきた状態。もちろん、「ミスター・グリップマン」は、タイヤの性能を修復するケミカルではないが、本当にグリップ力が向上するなら、丁度この手のケミカルを試してみたくなる頃合と言える。施工による異常な磨耗やゴム質の変化を調べるため、前後輪とも10センチ幅でマスキングを施し、テスト後の変化も見てみることにした。
効果は微妙、でも・・・
| ゴムが溶けたり、異常な磨耗など、このケミカルにタイヤに対する攻撃性がないか検証するために前後タイヤのトレッド面に10センチほどのマスキングを施した。写真はマスキングを剥がした直後の状態。表面に白く成分が付着している部分とそうでない部分が確認いただけるだろうか。 |
率直に言うと、ドライな路面でのグリップ向上効果に関しては、タイヤやマシンの挙動に敏感な人は実感できるというレベルだ。恐らく、まったく効果を感じ取れない人もいるだろう。今回のテストでは、施工直後から若干の効果を感じたが、自分自身で施工したこともあり、プラシーボ効果が働いているとも考えられる。いずれにしても施工直後の効果はその程度のレベルと言える。
しかし、それがこの製品の面白いところだが、テスト開始から3週間以上経過し、「ミスター・グリップマン」に対する期待感も薄れてきた最近になって、「タイヤのグリップがやや向上しているかな?」と感じることが多くなってきている。
また、この原稿を書いている前日、東京では久しぶりに雨が降り、期せずしてウェット時の効果もテストすることが出来た。雨の中、一定の間隔で繰り返し踏み越える高速道路の継ぎ目はテストに絶好のポイントだが、タイヤが流される頻度や度合いがいつもより少ないように感じた。気になったので、パーキングエリアに駐車して、タイヤ表面を指先で撫でてみると、施工した部分のゴムの摩擦力が明らかに増していることが確認できた。もしかすると、「ミスター・グリップマン」は遅効性があり、なおかつウェットの方がドライよりも効果が顕著に現れるのかもしれない。
実験する価値アリ
| 施工後1ヶ月弱を経過したリアタイヤ、マスキングを施した部分の状態。写真ではわかり難いが、特に異常は認められない。 |
万人にオススメできるかというとかなり微妙だが、興味のある向きは実験してみる価値有り、というのがこのケミカルに対する率直な感想だ。マスキングした部分と施工部分を比較しても、タイヤの変質など、このケミカルの悪影響というものは認められない。お値段も3150円(税込)とリーズナブルだし、タイヤに対する悪影響がないならば、実験に参加するような気分で試してみるにはとても面白いケミカルだと思う。また、ライディングはメンタルなスポーツ。過信は禁物だが、雨中のライディングや、苦手な峠道を通過する時、「今日は乗れていない」と感じる時など、保険の意味でスプレーして、プラシーボ効果も含めて効果があるなら、それはそれでOKかと考えるのだが・・・。
●記事制作:ホビダス編集部 渡辺
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