テスト&リポート:フラット・ソール版「タフギア」

以前にこのページで取り上げたガエルネ「タフギア」。高コストパフォーマンスのライディング用ショートブーツとして、セールスも好調なようである。さて、前回のリポート以降、タフギアにはどのような変化があったのだろうか。また、新しく登場したフラットソール版「タフギア・フラット」とはどのような製品なのであろうか?

「タフギア」の名前は伊達ではない

 まずは、タフギア長期テストの経過報告から。

 昨年の11月にテストを開始してから、通勤でほぼ毎日履いているので4ヶ月以上、休日やバイクを乗らない日を考慮したとしても、少なくとも100日程度はタフギアを使用している。そして、名前通り、タフギアが極めて丈夫だということが分かった。

100日以上履いた状態のタフギア。左右の爪先およびシフトペダル・パッドの僅かなスクラッチがキズらしいキズだ。
 現状のタフギアは、足に馴染んできた感はあるものの、各部はまだまだ好ましい張りを維持し、前回報告した「履きやすさ」に変化はない。脛から踵に掛けての部分がシャキッとしているので、足を入れやすいのだ。また、スクラッチ等によるキズも皆無ではないが、極めて少ないと言える。ソールやパッドなどの磨耗も軽微で全体的に良好な状態を維持している。

 これならば、自信をもって長期の使用に耐えると判断することが出来るだろう。合成皮革ゆえ、基本的にメンテナンスも不要という点も重要だ。

雨に対する耐性は・・・

 前回のレポートでもあらかじめ指摘はしたが、雨に対する耐性はどうだろうか。年が明けてからまとめて雨が降った日が何日かあり、やっと本格的な雨中走行テストをすることが出来た。

 結果は予想通りで、1時間は持たなかった。合成皮革と言えども、縫い目がある以上、致し方ないだろう。走行中に爪先がやや濡れてきた感覚があったが、走行後にタフギアを脱いで見ると、つま先と甲から足首にかけて靴下に完全なシミを作る程度の雨水の浸入が確認できた。走行開始から30分程度は中に雨水が浸入した感覚がなかったので、30分程度なら持ちこたえるが、1時間となると苦しいという結果である。ただし、非防水の天然皮革ならこの程度では済まなかったはずなので、少々の雨で短時間なら問題ないとすることも出来るだろう。今後もテストは継続し、何かの折にご報告したい。

「タフギア・フラット」登場!

ニューカラーのホワイトと黒のコンビ。軽快でスポーティーな印象。こちらはやや汚れに弱い可能性がある。

 さて、このタフギアに「タフギア・フラット」と呼ばれるフラット・ソール版が登場したので、早速テストしてみることにした。

 実は、フラット・ソールに関してはピンとこなかったというのが本音だ。タフギアに使用されているビブラム・ソールは丈夫でグリップも良く、何ら不満がないばかりか、非常に好ましいと感じていたからだ。

 ところが、現物を受け取ってみるとソール以外にもオリジナルのタフギアとは異なる仕様が与えられ、実に良く考えられた製品であることが分かった。

フラット・ソール登場の背景

 肝心のフラット・ソールに関しては、オンロード・バイクでテストして初めてその有難さが理解できた。

ソールが薄くフラットなので、シフト操作は極めてスムーズ。絶妙な硬さでニュートラルが出しやすいのはオリジナルと同様。
 まず、シフト操作を含むステップ・ワーク、足さばきの軽快感がかなり変わってくる。確かにソールのグリップが重視されるオフロード・バイクでは、オリジナルのビブラム・ソールに軍配が上がるが、バイクもコースもオンロードに限られるならフラット・ソールの軽快感が際立ってくる。

 まず、ソール自体が薄いのでペダルの下に爪先をもぐらせやすく、シフト操作がスムーズだ。そして、ライディング中の大切な情報源でもあるステップに爪先立ちするような場合でも、ステップの感触が分かりやすく、荷重操作も行いやすい。そう、フラットソール版はオンロードに対的を絞ったアレンジだったのだ。

オンロード向けにきめ細かい変更

1ポジションとなったバックル部。セットした状態ではオリジナルよりもフラッシュサーフェス化されている。
 オンロード向けに変更されたのはソールだけにとどまらない。細かな部分もオリジナルから変更を受け、実に使いやすくなっている。

 まず、バックルはオリジナルの2ポジションに対して、1ポジションに変更されている。また、全体の形状も変わり、確実にポジションに収まるようになった。確かに、オンロードでは最初にベルトをセッティングしてしまえば、履く都度ポジションを変更する必要性は少なく、毎回同じポジションにバックルが収まった方が快適だ。ツーリング先の食事などでブーツを脱いだり履いたりする場合もまごつかなくて済む。実は、このバックルのデザインは、ガエルネがオンロードブーツ用として既に持っていたものだが、同じような製品でも適材適所で部材をきめ細かく変更してくるあたりはさすがと言える。

新たにメッシュ構造のハイグロスコピック・ファブリックと呼ばれる吸湿性に優れた内装材が採用された。
 

 また、内装も変更されている。オリジナルのやや起毛した抗菌素材から、メッシュでカバーされた内装材が採用されている。ただし、滑りはオリジナルの方が良好で、足の入れやすさはオリジナルに軍配が上がる。

 しかし、気温が上昇してくれば、こちらの内装の方が通気性が良く快適なはずだ。日本のツーリング・シーズンの状況を考えるならば、こちらの方が好ましいと言えるだろう。

「タフギア・フラット」も極めてコストパフォーマンス高し

ステップを感じやすい薄さのフラットソールはガエルネの刻印が入るオリジナル。これもビブラム社製。張替えも可能。
 結論として、オリジナルも防水性能を重視するのでなければお買い得と評価したが、このフラット・ソール版タフギアも、オンロード専門のライダーにとってはかなり魅力的なショートブーツと言えるだろう。

 オリジナルと同様だが、防水性以外は欠点らしい欠点がないばかりか、オンロード向けに適材適所の部材が配置され、たとえコストパフォーマンスを追及した製品であっても中途半端なものは出さない、というガエルネのプライドのようなものすら伝わってくる仕上がりだ。

オリジナルと同じブラックのタフギア・フラット。ただし、ソールやバックル、内装はオリジナルから変更されている。
 また、欠点と書いたが、防水性とタフギアの高コストパフォーマンスは、ある意味トレード・オフの関係とも言える。防水性を与えたばかりに価格が上昇したのではタフギアでなくなってしまう。防水性を重視するなら他の製品を選択すれば良いのだ、とすら思えてくるほど良くバランスの取れた製品である。

 なお、これまで通り、オリジナルのタフギアも併売される他、タフギア・フラットには女性にも似合いそうなこのホワイトの他に、オリジナルと同じブラックがある。購入する場合はマシンや好みに合わせて選んで頂きたい。


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●記事制作:ホビダス編集部 渡辺
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