4ストロークエンジンの優位性
前々回の特集でも取り上げましたが、船外機の世界は急ピッチで4ストローク化が進んでいます。今回は国産船外機メーカーのもう一方の雄、スズキのエンジンを例にとり、同社の4ストロークエンジンの優位性について特集します。
もはや電子制御は当たり前に
スズキの船外機用4ストロークエンジンは、もはやクルマ並の進化を遂げたといっても差し支えないレベルにあります。始動時は、気温、気圧等の諸条件をセンサーが感知。燃料の噴射タイミングや噴射量を電子式燃料噴射装置が自動的にコントロール。当然、始動もクルマ並で、キーをひねるだけで何事も無かったように目覚めてくれます。また、4ストロークエンジンならではのスムーズな回転と、EPI(電子制御燃料噴射装置)の採用による振動が少ない快適な乗り心地、高い操縦性も実現されています。 EPI(電子制御燃料噴射装置)搭載のメリットはこれだけにとどまらず、パワフルな加速と俊敏なレスポンスの実現にも一役買っています。低速から高速まで、全回転域にわたり最適なパワーを確保、スムーズに最高速まで加速します。
環境性能も重要なテーマ
4ストロークは、燃料とオイルが分離されていますから、2ストロークのようにオイルが燃焼することで発生する白煙や独特のオイル臭がありません。さらにEPI(電子制御燃料噴射装置)の採用により、高性能、低燃費、静粛性、クリーンを実現。 スズキの4ストローク船外機 DF40を例にとると、同出力2ストローク船外機DT40と比較し、アイドリング時の燃費はなんと約1/4。最大出力時でも約30%の燃費を節約。EPA(アメリカ環境保護庁)の排ガス規制をもクリアする設計です。
メンテナンス性も向上
| スズキのDF50 4ストローク3気筒、12バルブエンジンで環境に最大限の配慮がなされている。 |
スズキのDF50/40は、船外機で初めてタイミングチェーンを採用することにより、エンジンの高い耐久性を確保しています。また、自動油圧式テンショナーがチェーンの張り具合を自動調整するため、長期間にわたりメンテナンスの必要がなくなりました。これらはクルマのエンジンではおなじみの装備と言えますが、こうした技術が続々と船外機用エンジンに導入されていることは驚きです。
高出力と静粛性の両立も可能に
|
スズキのDF140 |
DF140/115/90/50/40には、スズキのエンジン技術を活かしたDOHC4バルブエンジンが採用されています。これらは、水上でのパフォーマンスをテーマに、独自に開発した高性能エンジンです。DOHC4バルブエンジンとすることで、燃費・加速性能、さらには静粛性をも確保。さらに、アイドルエアコントロールシステム(IAC)の採用により、アイドリング時はエンジン音より検水口の水が水面を叩く音の方が大きいほど静かです。最大出力時であっても、隣の人と会話が楽しめるほど静かです。
4ストローク化は時代の流れ
以上のように、急ピッチで高性能4ストロークエンジンが船外機の世界に進出しています。確かに、2ストロークエンジンにも捨てがたい魅力がありますが、環境問題も考えると、もはや4ストローク化は時代の流れとも言えましょう。軽量コンパクトモデルにも続々と4ストロークがデビューしています。今後も4ストロークエンジンの動向からは目が離せません。
●記事制作:ホビダス編集部 渡辺
●スズキ


