オーバーホールはしないとダメ?

8.29wtoptop.jpg 機械式腕時計を身に着ける時に気になるのが、「強度」や「耐久性」である。もちろん自分が大切に使う事が一番の長持ちの秘訣だが、相手は機械。定期的にオーバーホールをしてもらうのが最良の方法だ。

オーバーホールとは?

 オーバーホールとは、定期的に時計を分解して点検・修理・清掃を行うこと。例えるなら、クルマの点検のようなものだ。もちろん、時計のオーバーホールは車検と違って義務的に定められたわけではないが、どんなに調子が良くとも3~4年に一度は必ず行うべきだ。なぜならオーバーホールには、古い油を除去し、新しい油を注油するという機械式腕時計に必要不可欠な作業が含まれるからである。

定期的な点検の必要性

 どんなに状態が良い時計でも、ムーブメント内の油は経年変化で汚れ、粘りが出たり揮発してしまう。故障や狂いがないからといって、オーバーホールを怠るとパーツは磨耗し、確実に腕時計自体の寿命を縮めてしまうのだ。磨耗したパーツを交換するとなると、オーバーホールの倍以上の料金がかかることもあり、そういったことも含めて定期的なオーバーホールは必要不可欠だといえる。 8.29w2.jpg

次回はオーバーホールの6過程の内容を詳しく紹介する。

記事制作:ウォッチセンサー編集部

一生モノとして愛用するための秘訣は?

P60.jpg 必要以上に神経質になることはないが、機械式腕時計は小さなボディのなかに繊細パーツが凝縮されているもの。故障やトラブルを未然に防ぎ、長く愛用するためにも最低限の気づかいや自分でできるメンテナンスはしておきたいものだ。今回は正しい扱い方と簡単なケアの方法を紹介する。

正しい置き場所&保管場所

 家の中には腕時計にとって危険なエリアが多々ある。テレビやスピーカーといった電磁波を発生させるものは、ムーブメントに影響を与えることがあるため、これらの近くに時計を置くのは禁物。また、防虫剤に使われる樟脳(しょうのう)は文字盤に変色をもたらすので、タンスの奥などに保管する時は注意が必要だ。他にも、当然ながら水場や火のそば、落としやすい場所には置かないように気をつけよう。

こんな置き方はダメ

watch2.jpg 飲み物の近く
コーヒーやお茶に含まれている鉄分は、金属を腐食させる働きがある。また、糖分もサビ浮きなどの原因となるので注意が必要。
watch4.jpg 携帯電話のそば
携帯電話や家電製品から出る電磁波がムーブメント内に帯磁すると、歯車の動きを早くさせるなど、極端な精度の狂いが生じるので特に気をつけたい。
watch1.jpg 机の端
精密機械が詰まっている腕時計は衝撃に弱いため、落下しやすい場所に置くのは禁物。時計を置く場所にも気を使いたい。
watch3.jpg 日のあたる場所
日光そのものよりも、ケースの中に熱がこもることがネックとなる。温度が上がりすぎると、ムーブ内に塗布されたオイルや文字盤の塗料の劣化も早めてしまう。

汚れや傷のメンテナンス

watch5.jpg ブレスレットの隙間の汚れ取り
ブレスレットは肌に密着する部位だけに、ケースとの隙間に汚れが溜まってくる。しかし、これは爪楊枝の先で簡単に掻き出すことができる。大抵の汚れはこれで取り除くことが可能だ。
watch6.jpg リューズなどの細かい隙間汚れ
リューズやブレスレットの細かい隙間は、目が届きにくいこともあり放置されがちだが、歯ブラシでするだけで簡単に除去することができる。毛先が柔らかくなっている使い古しの歯ブラシがあればOK。
watch7.jpg 風防・ケースの汚れ落とし
時計を使用した1日の終わりには、風防やケースなどに付着した指紋などの汚れをさっと拭き取っておこう。ティッシュなどでもかまわないが、セーム革やメガネ拭き用の不織布などを使えばベスト。

ケースに傷が入ってしまったら…

 光沢仕上げののものなら、金属用クロムやセーム革で根気良く磨き続けると傷が消える場合が多い。ただしツヤ消し仕上げのケースを磨いてしまうと、せっかくの質感が損なわれてしまうのでNG。こういったケースの際はやはりショップに相談するのが賢明だ。

記事制作:ウォッチセンサー編集部

機械式腕時計の魅力とは?(後編)

前編の続き


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 精度の点で言っても、あくまで比較すればのことで、一日に10秒や20秒のズレはほとんどの場合で許容範囲に収まるだろう。朝起きて出かける前に時報で時刻を合わせる。それだけで、一日正確な時を刻んでくれるだけでなく、そんなちょっとした「儀式」が持ち主のプライドをくすぐり、道具である時計との距離を縮め、一層の愛着へと結びつくのである。

 もちろん機械である以上、メンテナンスフリーというわけにはいかない。日々の手入れも必要だし、定期的なオーバーホールも必要となる。しかし、それさえ怠らなければ、子や孫の時代まで受け継がれる一生ものとなるのが、大きな魅力なのである。

機械式腕時計と過ごす意義

時間に追われがちな毎日をおくる我々にとって、精度の高い時計はかえって息苦しさを感じさせてしまうもの。しかし、機械式腕時計ならば、淀みなく進む針の動きを見ているだけで心が落ち着く。1秒と1秒の間にも時間が存在するという、そんな当然のことすら忘れがちな我々に、新鮮な感動を与えてくれるのだ。

 「時間」はこの世に生がある限り世界中の老若男女すべてに与えられた平等な権利である。たとえば皆さんにとっての1分は生まれたばかりの赤ちゃんにとっても、アメリカの大統領にとっても、同じ1分なのである。しかしその1分はすべての人に平等であるとともに、ひとりひとりに異なる1分なのだ。
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オメガ・スピードマスターのムーブメント。ケースの中に収められたいくつものゼンマイや歯車が組み合わさって正確な時を刻む。



 ときには、機械式腕時計の針が刻む時の動きを眺めて欲しい。改めて時間の大切さ、その重さに気づくはずだ。それこそが機械式腕時計を持つことの最高の意義なのかもしれない。

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記事制作:ウォッチセンサー編集部

機械式腕時計の魅力とは?

ケータイでも安いクオーツ時計でも正確に時間を知ることはできる。それなのにあえてアナログな機械式腕時計を選ぶ理由は……。

時間を確認する事の変化

 ケータイ電話の普及により、最近若い人たちを中心に腕時計をしない人が増えていると聞く。たしかに、時間を確認するときに手の甲を顔の前にかざして腕時計を見るという、少し前までならごくありふれた光景も、最近はあまり見かけなくなった。代わりにバッグやポケットの中からケータイを取り出して時間を確認している光景は、比較的目にする機会が増えたような気がする。  時間を確認するという行為だけで考えれば、どちらの手段でも結果に差はない。腕時計で確認しようがケータイで確認しようが、「10時10分」は「10時10分」なのだ。 imagewatch.jpg

腕時計の作動方式

 現在市販されている腕時計のほとんどは、大きく3つの作動方式に分類できる。

①機械式腕時計
②クオーツ式時計
③電波時計

 ①の機械式腕時計は、ゼンマイに蓄えられた動力が歯車を回転させることによって時を刻む方式で、リューズを回すことでゼンマイを巻き上げる「手巻き」と時計を着けた腕の振りなどの振動によってゼンマイを巻き上げる「自動巻き」の2種類がある。
 ②のクオーツ式時計は、電池を動力源として内部の水晶(クオーツ)を振動させることによって時を刻む方式。現在最も一般的なタイプだ。
 ③は近年普及しはじめたタイプで、時間やカレンダー情報がのせられている標準電波をケースやブレスに内蔵した超高性能なアンテナで受信し、時刻を修正する方式である。
 時刻を表示するという点でいえば、3タイプとも仕組みが異なるだけで、機能自体は何も変わらない、ただ、腕時計の基本機能である「正確な時を刻む(表示する)」という点、つまり精度では③→②→①の順となる。具体的には、機械式腕時計の場合、高性能ムーブメントを搭載したモデルでも日差±10~20秒程度のズレが生じるが、クオーツならそれが月差で±10~20秒程度、電波時計ともなるとズレは30万年に1秒以下という驚くべき精度を誇るのである。

機械式腕時計を選ぶ理由

 ではなぜ、人は「機械式腕時計」を選ぶのか。
コンピュータ全盛のこの時代に「精度」という、時計にとって最大の実用性を犠牲にしてまで、機械式腕時計を選ぶ理由はないと思われるかもしれない。たしかに、正確な時間のみを追求するのであれば、機械式腕時計を選ぶのはナンセンスである。クオーツ時計の方が安くて精度は高いし、電波時計なら時刻を合わせることすら必要ではないのだ。
 だが、モノを選ぶという行為には、すべてにおいて実用性や合理性だけでは割り切れない一面があるのではないだろうか。服でもクルマでもケータイでも。人がモノを選ぶ時には基準があるはず。それこそが「こだわり」なのだ。

後編に続く

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