機械式腕時計の魅力とは?

ケータイでも安いクオーツ時計でも正確に時間を知ることはできる。それなのにあえてアナログな機械式腕時計を選ぶ理由は……。

時間を確認する事の変化

 ケータイ電話の普及により、最近若い人たちを中心に腕時計をしない人が増えていると聞く。たしかに、時間を確認するときに手の甲を顔の前にかざして腕時計を見るという、少し前までならごくありふれた光景も、最近はあまり見かけなくなった。代わりにバッグやポケットの中からケータイを取り出して時間を確認している光景は、比較的目にする機会が増えたような気がする。  時間を確認するという行為だけで考えれば、どちらの手段でも結果に差はない。腕時計で確認しようがケータイで確認しようが、「10時10分」は「10時10分」なのだ。 imagewatch.jpg

腕時計の作動方式

 現在市販されている腕時計のほとんどは、大きく3つの作動方式に分類できる。

①機械式腕時計
②クオーツ式時計
③電波時計

 ①の機械式腕時計は、ゼンマイに蓄えられた動力が歯車を回転させることによって時を刻む方式で、リューズを回すことでゼンマイを巻き上げる「手巻き」と時計を着けた腕の振りなどの振動によってゼンマイを巻き上げる「自動巻き」の2種類がある。
 ②のクオーツ式時計は、電池を動力源として内部の水晶(クオーツ)を振動させることによって時を刻む方式。現在最も一般的なタイプだ。
 ③は近年普及しはじめたタイプで、時間やカレンダー情報がのせられている標準電波をケースやブレスに内蔵した超高性能なアンテナで受信し、時刻を修正する方式である。
 時刻を表示するという点でいえば、3タイプとも仕組みが異なるだけで、機能自体は何も変わらない、ただ、腕時計の基本機能である「正確な時を刻む(表示する)」という点、つまり精度では③→②→①の順となる。具体的には、機械式腕時計の場合、高性能ムーブメントを搭載したモデルでも日差±10~20秒程度のズレが生じるが、クオーツならそれが月差で±10~20秒程度、電波時計ともなるとズレは30万年に1秒以下という驚くべき精度を誇るのである。

機械式腕時計を選ぶ理由

 ではなぜ、人は「機械式腕時計」を選ぶのか。
コンピュータ全盛のこの時代に「精度」という、時計にとって最大の実用性を犠牲にしてまで、機械式腕時計を選ぶ理由はないと思われるかもしれない。たしかに、正確な時間のみを追求するのであれば、機械式腕時計を選ぶのはナンセンスである。クオーツ時計の方が安くて精度は高いし、電波時計なら時刻を合わせることすら必要ではないのだ。
 だが、モノを選ぶという行為には、すべてにおいて実用性や合理性だけでは割り切れない一面があるのではないだろうか。服でもクルマでもケータイでも。人がモノを選ぶ時には基準があるはず。それこそが「こだわり」なのだ。

後編に続く

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記事制作:ウォッチセンサー編集部
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