素材で釣り糸を使い分ける Part 2

前回の特集で、ナイロン素材の釣り糸にもメリット・デメリットがあることをお伝えしましたが、今回は「フロロ・カーボン」を特集します。近年、釣り人の支持を集め、一般化したこの素材には、一体どのような特性があるのでしょうか?

同じモノ・フィラメントでもナイロンとはまったく違う素材

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ビッグバスとの激しい対峙にも負けないスーパーストロングなフロロライン。東レのソラローム・スーパーハードストロング

 フロロカーボンはフッ素系樹脂で、主にポリフッ化ビニリデンなどが原材料とされています。実は、釣りの世界にこの素材が導入された歴史は案外古く、昭和47年ごろには登場していたようです。ナイロンと同じモノ・フィラメントでありながら、その特性はナイロンとは大きく異なり、釣りの種目や状況によっては、ナイロンより有利な場合があり、現在ではナイロンと肩を並べるぐらいに一般化した素材です。

 

 

 

 

フロロ・カーボンのメリット

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ボトムマテリアルの変化はもちろん、あらゆるタイプのバイトも瞬時に感知する為に開発された超高感度フロロカーボンライン。DUELの「エックス・バス・センシティブフロロ」。

 フロロ・カーボンは張りが強く、一般的に、感度が良いラインとされています。また、フロロ・カーボンの使い心地は、同じモノ・フィラメントであるナイロンと比べても、まったく違います。実際に使用してみると、確かに高感度ですが、実はナイロンと比較して、極端に伸びが少ないわけではありません。実はフロロ・カーボンの高感度の秘密は、張力がかかった場合の初期の伸度の低さにあります。つまり、魚信など、小さな力では伸びにくく、伝達性が良いのです。これが感度の良さにつながっています。大きな張力がかかった場合、実際にはナイロンの20%~45%という伸度に対して、フロロ・カーボンも17%から37%の伸度があり、ナイロンと比べて、伸びない素材とは言い切れません。

 フロロ・カーボンには比重が高いというメリットもあります。ナイロンの比重1.14に対してフロロ・カーボンの比重は1.78。感度の良さよりも、この比重を重視してフロロ・カーボンを使う釣り人も多いはずです。というのも、比重が高いということは、仕掛けやルアーを目的の棚、レンジまで素早く沈めることが出来るわけで、手返しよく攻める場合や、潮流の早い場所、底を探る場合など、ナイロンよりも有利になります。

 また、フロロ・カーボンには、吸水性がほとんど無く、紫外線に対する耐性も高いというメリットもあります。つまり実釣り環境で、ナイロンのように強度低下が起こることはなく、耐久性があると言えます。フロロ・カーボンは根ズレにも強いという考え方もありますが、実際には同じポンド数ならば、ナイロンよりもフロロ・カーボンの方が断面積が大きい、つまり、フロロ・カーボンの方が太い場合が一般的です。この太さが根ズレに対する強さの一要因となっていますから、他の素材と単純な比較は出来ないと思われます。

フロロ・カーボンのデメリット

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硬さとしなやかさを高次元で両立させたフロロカーボン100%ライン。東レの「ソラロームバス」。

 フロロ・カーボンの最大のデメリットは何といってもその張りの強さと硬さでしょう。その特性ゆえ、リールのスプールに対する馴染みがあまり良くありません。ゴワゴワとした使い心地を敬遠する釣り人も多いと聞きます。また、その硬さゆえに巻き癖が強くなりがちで、使い慣れないとライン・トラブルが頻発するというケースもあります。その弱点を克服すべく、様々な技術が開発され、最近ではしなやかなフロロ・カーボンも登場してきています。ただし、張りが強く硬いという特性がフロロ・カーボンのメリットを生んでいるとも考えられ、いたずらに柔らかくせず、フロロ・カーボン自体の特性を生かした素材のブレンド・改良がメーカーの腕の見せ所でもあります。根ズレに対する優位性に関しても、擦れ合う対象物や状況によっては、ナイロンよりも切れやすい場合もあるようで、絶対的なものではありません。

使いこなせば強力な武器に

 以上、メリット・デメリットを述べてきましたが、さすがにその優位性を認める釣り人も多く、その特性に慣れて、使いこなせれば、強力な武器になるのがこのフロロ・カーボンです。特にその高比重に関しては、釣りの種目によっては圧倒的に有利と言えるでしょう。仕掛けやルアーを沈ませつつ、感度も欲しいという場合、フロロ・カーボンが最良の選択となるケースは多いはずです。

●記事制作:ホビダス編集部 渡辺
東レフィッシング

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