皆様、もう今月号のティーポをお読みいただけましたでしょうか?
いよいよ Corso Tipo で販売を開始したハイロック・ジーンズ。
雑誌の記事の中では掲載しきれなかったことを、ここで細かくフォローしようと思いまして、
しばらく時間をかけつつ連載していきたいと考えております。
ハイロックの高岩さんと知り合った経緯だとか、
いったいなぜクルマの雑誌なのにジーンズを扱うことになったのかだとか、
なんてことを詳しく書いていくことから始めようかと思ったのですが、
まずはジーンズそのものの魅力を、余すことなくお伝えしたいと考えました。
本に掲載した写真は小さいし、そのあたりからお伝えしますね。
まずは永世定番とも言える、ハイロック・ジーンズの5ポケットデニム・ストレート。
価格は1万7640円。正直安くはない価格です。でも、高くはないと思いました。
これから詳解するディティールは、ティーポ本誌とダブる部分があります。
が、やはりそこが今回ジーンズを取り上げた理由、ハイロック・デニムの命ですので、
再掲載することをお許しください。
ハイロック・ジーンズと他のジーンズとの違い、それはどうすれば分かるのか?
一番分かりやすいのは、今、あなたがはいているジーンズと比べることでしょう。
ボクも自分がはいているものと比べてみて、その違いに驚きましたから。
まず、全体を眺めてみてすぐ分かるのは、色落ちのリアルさですよね。
普通、色落ちは、段差のついた板の上にジーンズを置いて、
電動ヤスリみたいなので削って落とすわけですが、
それだとどうしても色の落ち方に立体感が出ない。
そりゃ当たり前ですよね、普通は何年も時間をかけてやることを、
電動ヤスリを使って一瞬で作ってしまうわけですから。
もちろん、布自体、通常のデニムの 1.2〜1.3 倍ほど目を細かく設定しています。
さらに、特殊な加工を施して、柔らかい手触りを可能にしています。
だから基本的に丈夫だし、あぐらをかいて立ち上がっても
極端にヒザが出たりしません。それだけでも「すごい!」と思わされてしまいます。
デニムの世界では、布の風合いに拘りたいってのが第一にあって、
何十万円もするヴィンテージ・ジーンズを買う人たちがいるわけですよね。
でもそれは非現実的なので、僕らは「ヴィンテージ風」ってヤツを買うわけです。
見ていただければ分かれると思いますが、ハイロックのデニムは、
不思議なことに「色落ち」は立体的なんです。
もちろん、何年も履いて「色落ち」をしているわけではありません。
でも、他のデニムみたいに一瞬で「色落ち」をしているわけでもないんです。
その作業や工程にある秘密は教えてもらえませんが、人の手と時間をかけて、
こういう風合いを出すように工夫しているんだそうです。
ポケット周りや縫い糸も、こんな感じになっています。
他の5ポケットでも、似たような感じでアタリがありますが、
少しずつ異なっています。なぜか?
それは1本1本手作りだから。
この風合い、一度手にしたら他のデニムが安っぽく見えてしまうかもしれません。
縫製。元々高岩さんは縫製からこの仕事を始めたわけですから、そこら辺のコダワリ
(コダワリというと高岩さんは「当たり前のことを当たり前にやってるだけですから」
といい顔をしないですが)は凄い、の一言です。
まずはフロント部分。
あなたのデニム、ボタンホールの下の縫い糸、ちゃんとチェーンステッチですか?
腰回りは最後の部分、布が重なって厚くなるのでシングルステッチが楽で簡単なんです。
でも、最後までチェーンステッチで縫いきることが、見た目はもちろん、
頑丈さという点でも重要なんだそうです。
次は股の部分。縫製上は「こまた」と呼ぶそうです。
ここの処理はキレイですか? 足の内側部分、右から左へとつながってますよね。
これ、ハイロックは一本縫いなんです。
少しでもずれればアウト。途中で糸が足りなくなってもアウト。
これ、ミシンを少しでも扱ったことがある人なら分かるでしょうが、かなり難しいです。
熟練した方でも失敗することがあるみたいです。
でも、高岩さん曰く、縫製を生業にしている以上、
ここは譲れないところなんだそうです。
続いて後ろのポケット。
ここにはカン止めがなされています。
カン止めとは、ポケット左右の上部を縫いつけること。
ポケットに手を入れるときに、指や爪が当たるのを防いでくれますし、
座ったり立ったりするときに椅子との擦れも防いでくれます。
もちろん、引っかかりがないのでジーンズ自体の痛みも少なくすみます。
ベルトループは、布の風合いが自然に出るよう、
織り込んで中心を盛り上げ縫いつけて立体的にしています。
また、その立体感を強調するため、本体に取り付ける際に
カン止めの左右を落としています。
どうですか? このデニム一本にどれだけ手間暇がかけられているか。
正直ボクは驚きました。
でも、ハイロックは「それが当たり前。当たり前の仕事をしてるだけで、
岡山の児島産というだけで、馬鹿みたいに高い値段をつけるのはオカシイ」
という考え方でつくっています。
だからこそこの価格が成立しているのです。
ハイロック・ジーンズとボクが持っている2万、3万円する有名ブランドデニムとを、
作りや風合いなどで比べてみても、勝ることはあっても劣ることはありません。
「無知は損だ」と思いました。これこそ職人さんの良心的な仕事ですね。
だからこそ、ティーポで取り上げようと思ったんですけどね。
次回は、スリム・ブーツカット・デニムについてレポートしますね。
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◎◎◎編集チョーも愛用してる、5ポケット・ストレートはコチラ!◎◎◎

