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2005年6月15日

アインシュタインと太田哲也


「常識とは、18歳までに身につけた
偏見のコレクションのことをいう」
「どうして自分を責めるんですか? 他人がちゃんと
必要なときに責めてくれるんだから、いいじゃないですか」

アルバート・アインシュタインの言葉である。

俺は小学5年生のとき、アインシュタインの
『相対性理論』を見事に読破して、神童と呼ばれた。
高校生向けだったか、軟らかめに噛み砕いた本だったが、
俺はその本を綺麗に理解して周囲の大人達を驚かせた。
昔の俺は頭がよかった。本当に賢かったのである。えへん。

中学生のときにトルストイの『人生論』に挑戦し、
辞書をひきひき難解な単語を解読しつつ読了したものの
結局はこの男が何をいいたいのか、てんで解らなかった。
その惨敗からこれまで、25年以上が経過する間に
俺の脳ミソは幾度となくショートとスタックを繰り返し、
今では小学生のときに理解できていた『相対性理論』を
どう真剣に考えてもさっぱり解読できない程度の
安穏とした状態に落ち着いてる。しょぼん。

だが、すでに『相対性理論』は理解できなくなっていたが、
アインシュタインの言葉はスッと心に染み込んできた。
ハタチをちょっと過ぎた頃だったろうか、
何かの雑誌でたまたま目にしたアインシュタインの記事に
アタマに記したふたつの言葉が出ていて、
スコーン! と気持ち良〜く、
小さな木槌かなんかで後ろから頭を殴られた気がした。

このジジイ、すげーじゃん。

今では『アインシュタイン150の言葉』という本が
ディスカヴァー21という出版社から発行されているから
それをぜひ手に取ってみたらいいと思うが、
偶然にも雑誌のページにその言葉を発見したときには、
クチをポカッと開けて呆然とする以外になかった。
その直後、膝を叩いて大笑いしちゃったのを覚えてる。

だって、よくよく考えてみたら「おー、そーだよなぁ」
と思える当然といえば当然な言葉の並びに、
俺はやたらと心地よさを感じて、
身体の奥の方から元気が沸々と湧いてくるような
プラスの感覚をおぼえちゃったのだから。

言葉というのは人を傷つけるための凶器にもなれば、
こんなにも元気を与えてもらえる太陽にもなるのである。

友人や知人がなにがしかの本を出版したら、
あくまでもそれが興味深ければの話ではあるが、
俺はなるべくココで紹介しよう、なんて考えていた。
昨日、せっかくグッタリ寝込んでるのだから……と、
親しくさせてもらってる太田哲也さんの最新刊
『生き方ナビ』(清流出版)を読ませてもらって、
俺はアインシュタインを思い出した。
いや、正確にいえばアインシュタインの言葉を目で追って
妙に元気にさせられたときの感覚を思い出した。
言葉が持つパワーというものを、再認識したのだ。

この本の表紙には、こんなふうなことが書いてある。
「これから未来をひらく君へ。
軽やかに生きるための50の道しるべ」

いうなればこれは、太田さんによるフォト&エッセイ集。
名前からすると生き方マニュアルを連想されるだろうが、
普通のそれと決定的に違っているのは、
著者が『太田哲也』だ、ということである。
よくある“生き方”本は、なんとなくモノを上から見て、
理屈っぽくて説教がましくて作り物っぽい感じもして、
とても読む気になれない。余計なお世話、なのだ。

けれど、コイツは理想主義でも屁理屈でも何でもない。
太田さんが実際に体験してきたこと、
何かに突き当たるたびに彼自身が考え、思い至ったこと、
あの壮絶な事故に巻き込まれて二度目の生を受けたからこそ
太田さんの中で芽生えた考え方や想い、
そういったものが、何の気負いもなく深刻ぶるでもなく、
まるで友達と世間話でもしてるかのような温かさで、
実に素直に軽快に並んでいる。

「ベストな解決方法なんてない。
あるのは、ベターな選択だけだ」
「人生を台無しにしてしまうほどの賭なんて
そうそうはないものなのだ」
「ゼロを知ると、プラスがいかにありがたいかを
感じられるようになる」
「カモメも、次のステップに上がるには、
格好などつけてはいられないのだろう」

この本は、アインシュタインの格言集とは違う。
“決めの言葉”だけがバシバシ並んでるわけじゃない。
あくまでも文はエッセイとして書かれている。
にも関わらず、パッと思い浮かんだだけですら
もっともっと羅列できるほどの“頭スコーン!”が、
ありとあらゆる場所に埋め込まれてるのだ。
つらつらと読みはじめていつしかイッキ読みとなり、
ついうっかり説得されちゃったりした。

冗談を言い合う仲の人をマジメにホメるには抵抗もあるが、
ああ、このままだとまた俺は周回遅れにされちゃうなぁ、
と感じて悔しいような嬉しいような、そんな気分になった。
それに自分がどこか洗濯してもらったような気分にも……。

俺はなぜだか、そのパワーをキープさせるために、
明日は帰りに食材を買い込んで思い切り喰おうと考えた。
そして今、俺はレシピを紐解いた買い物リストを握り、
駅前の東急ストアが閉まる前に突入するつもりでいる。
今日の夕食は、ひとりで豪勢に鍋でもつつきながら
軽くいっぱい引っかけようかと思ってるのだ。

鍋……。生き方ナベ……。

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