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2005年12月

2005年12月13日

少しは手加減してくれ……


面白いことを小耳に挟んじゃったので、御報告。

あのね、今日、パリでアウディの新型車が発表される。
それっていったい、どんなクルマだと思う?
……ヒント? うん。そうだね。『超弩級』。
……もひとつ? うん。『すっごく速いクルマ』。
さあ、頭に浮かんでくるのはなぁーんだ?

アヴス・クワトロ?
ローゼマイヤー?
ヌヴォラーリ・クワトロ?
ル・マン・クワトロ?
そういう一連の夢のあるプロトの具現化……かな?

だとしたら、うんうん、いいねぇ。
俺もアウディのアヴス以降のスポーツカー系の
コンセプトカー、大好きなんだよなぁ。
お願いだからそのまま市販化してくれって思うくらい。

でもねぇ、違うんだ。
今日発表になるのは、アウディR10ってクルマ。
レーシングカーなんだ、耐久レース用の。

R10は、いうまでもなくR8の後継車である。
R8といえばル・マンやLMES、ALMSといった
スポーツカー耐久レースで無敵を誇ったマシン。
この6年間で77レースに参戦して、
ル・マンでの5回の勝利を含めて61勝もあげている。
その後継モデルがついに発表されるわけだ。

R10に関してはこれまでも噂がチョボチョボ出てたけど、
発表を前にした公式コメントによると、
どうやらこれまでのアウディのプロジェクトの中で
「最も挑戦的なものである」らしい。
R8があれだけ強かったんだから、
おそらくとんでもなく進化しているだろう
R10がショボいはずなんてない。
イタフラのノリはいいけど最後のツメが甘いのと違って、
ドイツってのはそりゃもう
やるときは徹底してヤルからね。マジで。

そうそう。面白いことってのは何かっつーと、
今日の正午……ってことは、時差は今8時間だから
日本時間では20時以降ってことだな、
日頃はプレスにしか公開されない発表会の模様を
誰もが見られるってこと。
インターネット・ライヴでストリーム配信されるのだ。

20時になるちょっと前にここにアクセスして、
これから再びはじまるかも知れない
アウディの快進撃がスタートする瞬間を目撃しようよ。

……ん? もちろん俺もアクセスするつもり。
だってパリまで見に行くことなんてちょっとできないし、
なによりモータースポーツの歴史が動く瞬間の
生き証人になりたいじゃん。

2005年12月 8日

真冬の夜のスーパースター

仕事を終えて自分の部屋に戻った後の、
1日を締めくくる秘めやかな楽しみ。

たっぷり湯をはったぬるめの風呂に浸かりながら本を読み、
じんわり汗ばむくらいまで粘ったら、
キンキンに冷えたビールをゴキュッと飲りながら、
再び本の世界に没頭する。
20代の頃から春夏秋冬いつの季節も変わることのない、
自分らしく在るための夜の儀式みたいなものだ。

ん? なになに? ほぉ。……余計なお世話である。
「オヤジみてーだ」といわれたところで、
俺はもはや41歳、立派なオヤジなのだ。
馬鹿にされたところで、痛くも痒くもない。
よくある『ビールにプロ野球』のセットじゃないだけ、
ありがたいと思ってもらいたいもんである。

いやいや、話を元に戻すことにするが、
よーく茹で上がった身体に冷たいビールを流し込むと、
デレンと弛緩しきっていた全身のド真ん中を
キュンと引き締まった心地よさが貫いて、
たまらなく気持ちいいのだ。んー、幸せ……である。

1本目はそのままストレートにクパッと空ける。
気持ちよさを、ひたすら追求するのみ。

問題は2本目である。
その時点では冷たさによる快感には慣れちゃってるから、
ここから先、ビールは“酒”として機能しはじめる。
となれば、何か舌に嬉しいツマミが欲しくなる。
時間にゆとりがあれば自分でキッチンに立ち、
わがことながら創作料理と表現する以外に手段のない
ツマミ“のようなもの”をこしらえるのだが、
なかなかそういうわけにもいかない。……最近、特に。

とすれば、どこかで何かを調達することが必要になる。
夜の空気が凍てついて、街にジングルベルが鳴り響き、
スーパーマーケットではクリスマスケーキと並んで
ミニ門松とミニ供え餅が売られるという神の縄張り争いに、
嫌でも冬を思い起こさせられるこの季節。
お持ち帰り系で最も喰いたくなるモノはといえば、
いうまでもない。『タコ焼き』である。

不思議なことに、麻婆豆腐を喰っていても、
唐揚げを喰っていても、野菜炒めを喰っていても、
パスタを喰っていても、サラダを喰っていても、
何を喰っていたとしても、突然、頭に浮かんでくる。
「ああ、明日はタコ焼きを喰いてーな」と。
クチの中に熱々のヤツがクシャッとつぶれて
ソースやマヨネーズと絡み合いながら広がっていく味わい、
鼻孔をくすぐってくる青海苔とカツオブシの芳香、
そして咬めば咬むほど味わい深いタコの感触。
……うーむ、たまらん。

俺の場合は、ほぼ完全なブランド指定(?)だ。
その名は──『頑固蛸』
が・ん・こ・だ・こ……である。

編集部のある碑文谷から目黒通りを都心方面にひた走り、
山手通りこと環状6号線に交わる約100m手前。
坂を下り始めて間もない左側に、
そのプレハブに毛が生えたような庶民感覚の屋台はある。
いつどんな時間帯に通りかかっても、
それは若いカップルであることが多いのだが、
ほぼ絶対といっていいくらいに
タコ焼きの仕上がりを待つお客さんが屋台の前にいるから、
通りがかりでもすぐにそれと判るはずだ。

屋台の中にズラリと並んでる有名人のサイン色紙に
一瞬怯んだような気持ちにさせられるが、
それはここんちのタコ焼きが評価されていることの証。
どこのどんなヤツに食べさせても必ず……そう、必ずっ!
「美味いねぇ」というニコニコ顔を見ることができる。
自分ではない誰かと幸せを共有できることの幸せ。
素晴らしいことを誰かに教えてあげられる幸せ。
ここんちのタコ焼きは、幸福の種みたいなもんである。
大袈裟に聞こえるかもしれないが、マジメな話、
幸せなんてのはそうしたところから創り上げるものなのだ。
とにかく、一緒に食べたり紹介したりして
喜ばれる点においては、一度もハズシたことがない。
欧州在住の知人などはもはや完全にクセになったようで、
帰国したときの“喰いたいものリスト”の
ほとんどトップに『頑固蛸』を置いてるくらいだ。

メニューはいたってシンプル。
タコ焼きのみ、だ。
うむ。男らしい。

とはいえ、味付けには何種類かが用意されていて、
最もベーシックなたこ焼き+オリジナル・ソースに、
表面を油でカリッと揚げたものとソフトなものの2タイプ。
そして、そのソフトなタイプに
かつおのだしが効いた溶き卵をかぶせて焼く“たこ玉”。
同じくソフトなタコ焼きをソースではなく
刻みネギと醤油でシャキシャキいただく“ネギ醤油味”。
そしてごく最近加わった、俺はまだ試したことのない
キムチ+ネギの“キムたこ”、というラインナップ。
もちろんトッピングのマヨネーズや青海苔、
カツブシなどはお好み次第だ。価格はそれぞれ500円。

個人的にはオリジナル・ソースのカリッと揚げたヤツと
卵の甘さが絶妙なマッチングをみせる“たこ玉”の
2種類がオススメ。友達の間でも評判は抜群だ。
コイツを頬張って深く堪能するためには、
風呂を短く切り上げてもいいと思うほどである。

まぁグルメでもなく食通でもなく評論家でもない俺が
ここで何をどう表現しても説得力はないよなぁ。
というわけで、試してごらん。
あつあつのをクチに放り込んで「……はふはふ」って。
とっても幸せぇーな気分になれるからさ、きっと。
俺はホラ吹きだけどウソツキじゃないのだよ。

年中無休で11時から25時までやってるから、
日頃とってもありがたいことこのうえないのだけど、
──ちっ! もうこんな時間になっちゃってる。

ああ、今夜はどうしよう……。