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2006年04月

2006年04月29日

打倒、ヘルメット!


つい昨日のことだった。
編集部で一番の若手であるヘルメット坂上
カサコソと近寄ってきて“嶋田さん嶋田さん”と、
ニヤニヤ笑いながら声をかけてきた。

ヤツの掌には親指ほどの大きさの
アルピーヌ・ルノーA110がちょんと佇んでいた。

「それ、なに? どうしたの?」
「コンビニの缶コーヒーのオマケなんですよ」

レトロモビルで抜群に程度のいいA110を見て以来
小さなベルリネットにどことなくお熱な俺が
シゲシゲ眺めていると、「はい」と差し出してくる。

手にとって見ると、1/87か1/90か1/100か、
マニアではないのでその辺りはさっぱり判らないが、
こんなにも小さいのになかなかプロポーションもいいし、
色合いも実際のアルピーヌ・ブルーっぽくて、
充分に目と気持ちを楽しませてくれる。
……かわいいじゃん。

それに……メット。
俺が密かにフランスのアルピーヌ系専門誌を取り寄せて
仕事の合間にボケ〜ッと眺めてるのを知ってたのか、
わざわざこうして持ってきてくれるなんて……。
こりゃ缶コーヒーどころか、メシでもゴチソーせにゃ。

「さんきゅーな。ありがと」
「いいえ、ただ自慢しただけです。返してください」

……なぬ?

そうだった。ヘルメット坂上はこういうヤツだった。
その半キャップ型ヘルメットにも似た優等生っぽい髪型と
お姉さまから見ればかわいらしく思えるベビー・フェイス、
それに表向きヒジョーにハキハキした態度から
コイツはとっても『いい子』に思われがちなのだが、
ときどきクチからボソッと出てくる無意識の言葉が
他の先輩スタッフ達をフリーズさせたりするほど
果てしなくナマイキだったりするし、
無邪気を装って放つ冗句が先輩スタッフにとっては
立ち上がれないくらいグサッと突き刺さるものだったりと、
意外や天才的かつ驚異的な腹黒さを隠し持ってる男なのだ。
けれど、やるべきことは実にキッチリとやってるから、
やるべきことをキッチリとやることができない先輩達は、
たじたじとなって返す言葉もない状態なのだった。
コイツはオモシロイものを持ってるなぁ……と、
微笑ましくも淡い期待を感じていた今日この頃だったのだ。

……だが! ことが俺に及んでくるとなれば話は別である。
立ち向かってくるなら全力で叩き潰すだけ。

手始めに、俺は元モデルカーズ編集部員にして
ジェイズ・ティーポ編集部員のチャボを捕まえて、
そのアルピーヌのミニチュアカーを
どうしたら手に入れることができるのかを聞き出した。

JTが販売してる『Roots』というブランドの
『アロマブラック』300gを店頭で買うと、
1本につきひとつがオマケとしてくっついてることが判明。
キャンペーンは4月下旬から開始されたばかりだが、
オマケがなくなり次第終了することも判明。
オマケには5種類あって、A110はもちろんのこと、
もうひとつの雄である8ゴルディーニ、
ル・マン仕様のA442B、
05年にダブル・タイトルを獲得したF1のR25、
ワンメイク・レース・マシンのメガーヌ・トロフィが
それぞれ透明な袋に入っているから、選べることも判明。

これだけ判ればこっちのものである。
俺は夜中のうちに近所のコンビニエンスストアを回り、
Rootsのアロマブラックを2本購入し、
アルピーヌ・ルノーA110とルノー8ゴルディーニの
2台を手に入れることに成功した。
残る3台も同時に確保しようと考えてたのだが、
この2種類しか残っていなかったのである。
まさか不人気ってことはないよなぁ……?

いずれにせよ、俺は全5台をコンプリートすることを
固く決心した。今日もこれから繰り出すつもりだ。

んっふっふっ。ヘルメット坂上めぇ、
俺を本気にさせやがって。
あんまりオトナをナメるでないぞ。


投稿者 T.Shimada : 23:49 | コメント (11)

2006年04月28日

Red Bullでブルッ(……自分でいうのも何だけど、さぶっ)


チマタでウワサになっているエナジー・ドリンク、
『レッドブル』を初めて飲んだ。

レッドブルは、日本語訳すると“赤い牛”である。
東北語訳すれば“赤べこ”となるわけだが、
俺達クルマ好きにとってはF1グランプリを戦う
レッドブル・レーシング・チーム、
そのセカンド・チーム的な位置づけで
“赤い牛”をイタリア語訳した名前を冠する
スクーデリア・トロロッソの2チームを所有し、
WRCのシュコダ・チームのスポンサードをもしてる
飲料ブランドとしてよく知られてるところだ。

それ以前からザウバーにスポンサードしていたから、
この頭を低く下げた威嚇系の牛マークを
見知っていた人も多かったことだと思う。
当時から「なんで日本に入ってこないのかな?」と
思っていたのだけど、それがこの4月4日から、
関東と関西のセブンイレブンで
先行販売されることになったわけだ。

エナジー・ドリンクとしてのレッドブルは、
元々は1970年代の終わり頃にタイの製薬会社が開発、
マーケティングの戦略が巧みだったこともあって、
瞬く間に過半数以上のシェアを自分達のものにした。
タイの国技であるムエタイ関連に積極的にスポーサードし、
そのファンの多くを占める低所得層=主にガテン系、
つまりは肉体を酷使することが強いられる人達に
“激務をやわらげるためのスタミナ・ドリンク”として
アピールしたのが成功の要因だったといわれている。

1984年からオーストリアの会社がタイ以外の国における
販売権を獲得してからは世界各地で販売されるようになり、
今や100カ国以上で合計年間10億本!
こりゃもう間違いなく世界最大といえる数字である。
モータースポーツも含めたスポーツに対する
スポンサー活動が貢献したのは説明するまでもないだろう。

基本的にはアルギニンというアミノ酸、カフェイン、
そしてB2、B6、B12といったビタミンB群を
原材料としたドリンク剤で、
日本で販売されるものはすべて日本の薬事法に合致した
日本仕様になっているとのこと。
そのためなのか、本国仕様などには配合されている
タウリンが、日本仕様には配合されていないという。

……という具合に偉そうに説明してる雑ネタは、
実は後になってから知人に教わって知ったこと。
俺はたまたま打ち合わせで入った青山のカフェで
メニューに“Red Bull”の文字を発見し、
反射的に興味が膨らんで注文したのだった。

出てきたのは、キュービック・アイスの入ったグラスと
ブルー&シルバーに赤の牛マークの描かれた缶である。

自分でグラスに注いでみる。
……あれ? 何かコレ、黄色いじゃん。

スポーツ全般にスポンサードをしてることから
ポカリスエットのような飲み物を想像してたのだが、
どうやらそれは違っていたようだ。
むしろコレはユンケルだとかタフマンだとか
アルギンZだとかリポDスーパーといった、
いつもお世話になってる“おやじドリンク”系にも似た、
水分補給というよりも栄養補給のためのドリンク、
ということなのかも知れない、と思った。

グラスを持ち上げ、クチに運んでみる。
……ん? ……ん? んー。

元気はつらつオロナミンCをやや薄味にして
炭酸を弱くしたような味というか、
リアルゴールドを炭酸も含めてマイルドにして
まろやかな大人っぽい感じにしたような味というか、
どう表現したらいいのか今イチ言葉が出てこないのだが、
これまでに体験したことがあるような
一度も味わったことがないような微妙な味である。

いや、不味いわけではない。
薬局などで売ってるような多くの“おやじドリンク”系と
比べたらマイルドで飲みやすいし、
清涼飲料水系のエナジー・ドリンクと比較すれば
本格的なのに充分にソフィスティケイトされている。
青山のちょっとばかり洒落たカフェで出されても、
まったくミスマッチな印象のない雰囲気も悪くない。
それにセブンイレブンでは確か270円で売ってたはずで、
普通の缶ジュースと比較されたら高価に感じるが、
中身は清涼飲料水ではない本格的エナジー・ドリンク、
そう思えば適切な値付けじゃないか?
俺はそんなふうに思ったのだった。

だが、伝票を手にしてレジへ向かい、俺は驚愕した。

『レッドブル 700円』。

店頭売り270円のものを、
グラスと氷を一緒に出しただけで700円……。
レモンスライス1枚ついてないのに700円……。

これからはコンビニエンスストアで買うぞ。
俺は心に誓ったのであった。

投稿者 T.Shimada : 23:49 | コメント (11)

2006年04月22日

あっ、さてぇ……

あっさぁーてっ……あさーてさーてさーてさーてっ、
さてぇーは南京玉すだれ。

タイトルの「あっ、さてぇ……」の
いったい何が「さて」なのかといえば、
ジャガーとランドローバーの広報マンである
高木賢朗王子から頂戴したレザー製ロディア・ケース、
“4月21日”記念プレゼントの締切が、
いよいよ明日に迫ってきましたよ」なのである。

クイズの答えは簡単、
この『新・本日も場外乱闘』と
前の『本日も場外乱闘』を最初からクリックして、
“カメラのおみや”こと“宮越孝政”の
名前が登場してるのが全部で何回か、
それを数えるだけでいいのだ。
……って、これじゃクイズじゃねーじゃん。

で、その回数と好みの色、
Web Tipoの感想、住所・氏名・年齢などを書いて、
tipo@neko.co.jpまでメイルで応募してね、
ちなみにメイルのタイトルは
『本日も場外乱闘のさらに場外乱闘』係で統一、
というのがレギュレーション。……簡単でしょ?

のんびりゆったりできそうな土曜と日曜、
『本日も場外乱闘』『新・本日も場外乱闘』を見て、
時間を無駄に過ごしてみるのもいいのでは……と。

……これじゃちっともオススメ文になってないなぁ。
まぁ胸を張って堂々とオススメできるもんでもないし、
暇で閑でたまらない人はどうぞ、って感じかなぁ。

それにしても、……ほぉーっ。スッキリした。
この写真を見ているうちに、どうしても
南京玉すだれをやりたくなって落ち着かなかったのだ。

「あっ、さてぇ……」っていうタイトルから
南京玉すだれに入っていって、それから……?
と『随筆』の流れを考えてたら、
どうもそのタイトルに相応しい内容が見つからなくて、
結局はコレしかないか……と。

タイトル先行型でそこにこだわっちゃうと、
あんまりオモシロイものはできないという典型を、
今回は“皆さんのために、あえて”お見せしたわけである。
……ちぇっ。負け惜しみなのバレバレじゃん。

うーむ……スランプかな? スランプだな。
うんうん。きっとスランプに違いない。
ああ、俺はダメ人間だ……。

ぐ……。

投稿者 T.Shimada : 14:34 | コメント (4)

2006年04月20日

嬉しいから、贈り物!


今日の東京はやたらとおかしな天気だった。
「お。雨があがったぞ」と思って軒から出て、
ポクポクと歩き始めた途端、ドシャーッ!
と銭湯の湯船をヒックリ返したような雨が降ってきて、
思い切り濡れた。春の嵐というヤツだろう。

一瞬にして着替えなきゃならないほどの
グチョ濡れになったが、そう悪い気分でもない。
もともと少しくらい雨が降ってる程度なら
面倒くさがって傘をささないタチ。
それにこの季節が、俺は嫌いじゃないのだ。

やたらと眠くなったりするのは困りものだけど、
段々と暖かくなっていくのが体感できるこの季節は、
緑が生まれてきたり花が開いたりと
眠っていたもの達が目覚める頃合い。
生命の躍動感のようなモノを思わせてくれるせいか、
理由もなく嬉しい気持ちになれるからだ。

夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の良さがある。
春も好きだけど、考えてみれば、
俺は日本の四季の総てが好きだ。
そうした季節の移ろいを身体や心で感じ取れたとき、
俺は「この国に生まれてよかった」と素直に思える。

今日もこの妙な天気の空の下、俺はどういうわけか
「日本に生まれてよかったなぁ」と感じたのだった。

明日は4月21日だ。
なので、それを記念して、いつもここで
下らないタワゴトにおつきあいくださってる皆さんに、
数は少ないから抽選になっちゃうのだけど、
写真の素敵なモノをプレゼントしたい。

これは厚手のレザーのシッカリしたバインダー・ケースに、
フランス製の逸品『RHODIA(=ロディア)』の
A5サイズのブロック・メモがマウントされてるものだ。
もちろんメモを使い切ってしまったら、
ロディアは世界中の大抵の国で一般市販されてる
逸品中の逸品、しかも価格もお手頃だから、
中身を交換すればいつまでだって使えるってワケだ。

これを用意して下さったのは、
ランドローバーとジャガーの広報担当であり
ギョーカイでは“王子”の異名をとる、高木賢郎さん。
よって、紺色のヴァージョンには『LAND ROVER』、
緋色のヴァージョンには『Daimler』のロゴが
表面に控えめに刻まれている。
なかなか「オトナ〜」なミニ・レザー・ノートなのである。
これをそれぞれ、1名にプレゼントしましょ。

応募の条件は……そうだなぁ……どうしよ……?
んー。そうだそうだ。こうしよう。
クイズに答えてもらうことにしよう。

その設問は……設問は……どうしよ……?
んー。そーだそーだ。
この『本日も場外乱闘』の第1回目から今回までの間、
“カメラのおみや”ことカメラマンの“宮越孝政”くんが
登場しているのは全部で何回でしょうか?

実はこのレザー・ノートの紺色ヴァージョン、
俺も宮越カメラマンも同じモノを持ってるのである。
ランドローバー九州試乗会の時に頂戴したのだ。
なので、問題はおみや。
まぁ、おみや自身いろいろと問題のあるヤツだから、
“問題”という言葉がヤケに似合ってるしね。

というわけで、調べるための時間が
必要な人もいるだろうから、締切は23日・日曜日。
この日の日付で届くように、
問題の答えと好みの色とWeb Tipoの感想、
住所・氏名・年齢などを書いたうえで、
tipo@neko.co.jpまでメイルしてちょーだいな。

メイルのタイトルも統一しようか。
『本日も場外乱闘のさらに場外乱闘』でどう?
発表は総てのメイルを読ませていただいてから行うので、
おそらく24日または25日にこのページのコメント欄にて。
あ。当選者の決定は、抽選ね。あくまでも抽選。
だから悪口書いてくれてもオッケ。全然だいじょーぶ。
当選者の決定には関係ないから。俺がキズつくだけで。

……へ? なにぃ? 「4月21日を記念して」の意味?
うはははは。そうだった。説明してなかったね。
意味はね、うん、一般的にいえば「ない!」ってとこだな。
だってさぁ、春でしょ?
気持ちいいじゃん? 嬉しいじゃん?
なんとなーく幸せな気分になってくるじゃん?
それだけそれだけ。ふはははは。

投稿者 T.Shimada : 22:30 | コメント (5)

2006年04月19日

またしても、やられた……


朝の6時に目黒を出発してバビューンと走り、
ほんのついさっき目黒に戻ってきた。
行き先は福島県の会津若松と裏磐梯。
次号のグランツーリスモ特集の撮影である。
バビューンと走ってくれたクルマは、
現行版ポルシェ911、つまり997のカレラ4だ。

911に乗るたび、毎度のことながら、
「ぐーっ。911、惚れたぜ」な気持ちにさせられる。
最初の911がデビューしてから
もう40年以上が経過してるってのに、
年次やモデルごとに素晴らしい部分がどんどん膨らんで、
必ず新しい発見と感動があるからだ。
ナローや近頃ヤケに魅力的に思える930といった
クラシックな911も大好きだから
言い切ってしまうには若干の抵抗もあるけれど、
「最良の911は最新の911」という言葉には
やっぱり納得せざるを得ないなぁと素直に思う。

911並に加速するクルマは山のようにあるし、
911より巡航速度の高いクルマだってゴチャッとあるが、
911のようなフィーリングや感動を与えてくれるクルマは
911以外には存在しない。それはいつの時代も変わらない。

最新のカレラ4のどこにそんなに惚れたのかといえば、
スタビリティやトラクション性能、
そして4駆のネガを全くといっていいほど感じさせない
911ならではのコーナリングの面白さ。

ありとあらゆる場面で感じさせてくれる安心感と安定感、
そして“走らせる”ことに大きな喜びを感じさせてくれる
スポーツカーとしての類い希なテイスト。
今日のようにバビューンと長い距離を走って
バビューンと帰ってくるような
日本の広さを体感するような走り方をするには、
コイツは全くもって無敵だなぁと思う。

しかも東京を出てからノンストップで
会津若松インターを経由して裏磐梯まで走ったのに、
その時点ではこれっぽっちも疲れを感じることがなかった。
グランツーリスモ中のグランツーリスモである。
いつものとおり「またしても、やられた……」
という気持ちでいっぱいだ。

でもね、さすがに今日はちょっとくたびれちゃった。
だって現地に着いてみたら、異様に寒かったんだもん。
寒いと身体がこわばって、全身がこっちゃうでしょ?

先発隊として昨日から現地入りしてたナパのヤロー、
「寒いから厚着してきた方がいいっすよ」くらいの
気の利いたことをひとことでもいえばいいのに、
「雪が残ってるところもありますけど、
まぁ東京よりもちょっと涼しいくらいですかね」
なんてフツーにサラッと連絡してくるものだから、
ただでさえ薄着傾向の強い俺は
ちょい厚のネル・シャツにキルティングのコート、
という気楽なカッコで飛んでいった。

ところが到着してみたら、写真のような状態なのである。
裏磐梯の山をグイグイと上がっていったら、
道の両サイドは雪の壁だよ、雪の壁。
しかも2mは優に越えるほどの高ーい雪の壁。
撮影のために寄った途中の湖なんて、
まるで流氷が押し寄せてきたみたい凍ってるわけだ。
先週までは湖の上を歩いて渡れたほどだったらしい。

ナパ……。
いったいどーゆー感覚してるんだ……?

そういえばヤツには、福岡に空港があることを知らずに
手配した新幹線のチケットを渡されて
往復9時間の新幹線日帰りの旅をさせられたり、
地理感覚がごっそり抜け落ちてるおかげで
1日の単独走行距離1200kmの自走出張を強いられたり、
考えてみたら何度も何度もはめられてる気がする。
911とは別の意味で「またしても、やられた……」だ。

ヤツは根っからのバカなんだろうか……?
それともバカを装った悪事の天才なんだろうか……?

寝覚めが悪くなるから自分で手を下すのは嫌なのだが、
誰かヤツの息の根を、頼むっ! 止めてちょーだい。

投稿者 T.Shimada : 23:22 | コメント (2)

2006年04月18日

プチプチ……


最初は「あれ? どこかにぶつけたっけ?」と、
ふと思っただけで忘れてしまうくらいのものだった。
が、翌日それは赤みを増してボンヤリと腫れ、
どことなく痒いような感じになり、
気づけばそこだけではなく、
服に隠れたいろんな場所に転移しはじめてる様子。
そのまた翌日になると明らかに真っ赤な発疹状に姿を変え、
それらは「ほら、掻け。掻けってば」と主張しはじめた。

先週の木曜日頃から、ちょっとばかりオカシイ。
身体のあちこちにプチプチができて、喧しいのである。

日曜日の朝には、ただでさえ常日頃から
「お願い、電気消して」というのは俺の方だと思うくらい
人前で裸になれない身体だっつーのに、
シャツを脱いでみたら白い肌の辺り一面に
真っ赤な花畑が点在してるような状態。
自分でも「きもちわり……」と感じられるほどの
大量のプチプチが生まれ育っていた。

ミズボーソーだろうか……? いや、もうやってる。
フーシンだろうか……? いや、それもやってる。
発疹チフスってヤツ? それともツツガムシ病?
あるいは……ジステンパー?

焦った俺は、医者をやってる親しい友達に電話した。
「そりゃタイジョーホーシンじゃねーの?」
それなら過去に2度ほどやっている。
あんときとはどうも感じが違う。
それにタイジョーホーシンは、笑っちゃうくらいに見事に、
その名のとーりプチプチが“帯状”になった。
しかも、どういうわけか右か左の半身だけ。
アジの干物の気持ちが少し解ったような気がしたものだが、
今回は分布の仕方が全く違っているのである。
「なるほどな。判った。ならば医者にいけ医者に」
……だから電話したんだってば。貴様は医者じゃないのか?

そして月曜日、俺は痒さと痛さにあっぷあっぷしながら
病院にいくことにした。もう……たまらん。
何事にも欲望に忠実な俺は、どうやら眠っているときに、
ボリボリバリバリと全身を掻きむしったらしいのだ。

診断の結果は「おそらくアレルギー性の発疹ですかね。
ストレスからくるものってのもありますしね」。

俺は幸せなことにアレルギーが出たことは一度もない。
ストレスも、それほど感じてるとは思えない。
だがドクターによれば、アレルギーはある日突然……、
なぁーんてこともあるのだという。

とりあえず飲み薬と塗り薬をもらって
すごすごと仕事場にでかけたわけだが、そこで俺は、
自分がいかに素晴らしい人的環境にあるかを実感した。
俺が痒みと痛みに顔をしかめてると、
「それはきっと油モノのとりすぎによるアレルギーでしょ」
と判を押したようにクチにするのだ。どいつもこいつも。

確かに俺は、油モノが嫌いじゃない。
素直に白状するなら好物のひとつである。
だが、俺は野菜だって大好きなのだ。
外食ではまともに美味しく野菜を食べられないから
必然的に油モノを採る機会が多くなるわけで、
自宅でクチに入れるのはほぼ7割以上が野菜なのである。
外食でも同じくらい美味しそうな肉と魚が並んでいれば、
魚系を選ぶくらいの気づかいだってしてる。
……わかってないなぁコイツら。

最もわかってないのは、ナカジーである。
常にもっともらしいことをクチにする常識派にして
とってもいい人そうに思える良識派、
そう見えて人を落とすときにはこれっぽっちも容赦のない
ナカジーが、腹式呼吸の響く声でいきなり訊ねてくる。
「ならば嶋ちゃん、ゆうべは何を食べた?」
「油モノなんか喰ってないよ。うなぎ」
「うわっ。うなぎが油モノじゃないだなんて、
もうその認識そのものが油っこいよ」
……マジすか? うなぎって油モノだったの?

そんな具合にあちらこちらでペシャンコにされた俺は、
あまりにも悔しいので真っ赤なプチプチを接写し、
ここにアップして俺がここんところ毎日味わってる
気持ち悪さをヤツらにも共有させてやろうかと思ったが、
ここを見てる人は少ないとはいえヤツらだけじゃないし、
なにしろ何枚か写真を撮ってみたら
「あまりにもあんまり」といえるほどグロテスクなので、
代わりにエンツォとアルフレッドが眠る
モデナの公園墓地の前の花屋さんで撮った
綺麗な方のプチプチの写真をあげておくことにした。
仕返しは必ずするけどね。んっふっふっ。

それにしても……コイツは痛い。
着ているシャツがサッとすれるだけで動きが止まる。
激痛じゃないのは幸いといえば幸いだが、
チクチクピリピリとこざかしく、
間断なくジワジワと痛めつけてくるのが腹立たしい。

明日はポルシェ911カレラ4と
アストン・マーティンV8ヴァンティッジで
会津まですっ飛んでいく楽しみにしてた取材なのに、
とてもじゃないがスポーツ・ドライヴィングは難しい。
しかも、両方ともマニュアル・ミッションなのだ。

くっそー。今夜、綺麗サッパリ治ってくれねーかなぁ。
明後日、もうちょっと痛くなってもガマンするから。



投稿者 T.Shimada : 22:12 | コメント (7)

2006年04月17日

待ち合わせてはいけない場所


遠い街からひさびさに東京にでてくる友人と、
「メシでも喰おうよ」と待ち合わせることになった。
昔と同じく待ち合わせの時間だけ決めて、
場所は当日の午前中に連絡を取り合って決めよう、
ってことになった。うーむ、このいい加減さが懐かしい。

当日、ヤツが連絡してきて指定した場所は、
何とっ! 神田は神保町であった。
日頃の生活圏内からすればほとんど縁のないエリア、
ちょっとばかり不安になったのだが、
ヤツの「用事が終わるのがそのエリア」であり、
「待ち合わせの13時半に遅れる可能性がある」らしく、
しかも「本好きのお前なら退屈しないと思う」という
「俺なりの気づかい」だなんていわれたら、
さすがに別の場所を指定する気にはなれない。

神田・神保町は古本屋街である。
専門的な古書を扱ういかにも……な店も多いが、
若く金のない学生さんを相手に、
チョイ古のハードカバーや新書、文庫などを
ビックリするほど安く売ってるお店もある。
基本的には新刊をバンバンと買っていくタイプではあるが、
見逃してる本や買いそびれていた本ってのがある。
たまには古本屋さんを冷やかしてみるってのも悪くない。

俺は予定よりも30分ほど早めに神保町に着いて、
あちこち歩いて見てみることにした。

……おお、買おうかどうしようかと思ってるうちに
すっかり忘れてたけど、これこれ。
……ん? これは悩んだ結果見送った本じゃん。
この値段だったら、失敗だと思っても悔しくないな。
……マジ? これが1冊300円? 定価なら圏外だけど、
こうなったら買いだろ、やっぱ。
……なにぃ? なかなか見つからなかったのに、
いつの間にか廃刊になってたヤツじゃん。らっきぃ!

いくつかの店でレジに持っていってはクルマに運び、
運んではまた別の店に繰り出し……。
気がついたらリア・シートに25冊の本が積まれていた。
これだけ買っても1万円札1枚でことたりてる。
疲れてクルマに戻り、パパッと苦手な暗算をしてみたら、
1万円+αが浮いた計算になる。

それにしてもヤロー、遅すぎねーか……?
時計を見ると、もはや14時半近くを示してる。
連絡してみようと助手席に置いてあるケータイをとると、
画面に『不在』『伝言』のマークが残ってる。

……あ。やべ。

何度めかに買った本を置きに来たとき、
ポケットからポロリと落ちたケータイを助手席に置き、
そのまま別の古本屋さんに繰り出したことを思い出した。
確認してみると、ヤツはきっちり13時半には
第1回目の連絡をよこしていたのだった。
速攻で電話を入れて詫びを入れた。

「わりわりわりわり。いやー、本がたくさんあって……」
「おまえなぁ……」
「っつーか、こんな場所を指定したお前が悪い。
 こうなることくらい想像できなかったんか?」
「……普通はあんまり想像しないと思うんだがな」
「そりゃ想像力が欠落してる証拠だって。
 バツとして……俺がメシおごる。わりわり。マジで。
 なんだっておごるから。許してくりぃ」

古い友人と馬鹿話をしながら喰らうメシは、
どんなときでも美味いモノだ。
昔話に妙に笑える年齢に、俺もなったんだなぁと思う。
年齢を重ねていくのも、悪いもんじゃない。
たまにはこうした週末ってのも、いいものだ。
うんうん。美味い。
俺はクルマだから残念だが、
ヤツは午後のビールをクイクイと気持ち良ーく開け倒し、
ホロ酔い加減で気持ちよさそうである。
これで調子にのって、もっと頻繁に昔の仲間を訪ねて
東京に出てくるようになるといいのに……。
そんなことを思いながら、東京駅までクルマで送り、
ヤツをカミさんと子供の待つ田舎の街に返品した。

古本屋は楽しかったし安かったし、
ヤツとの遅い昼メシは美味かったし楽しかったし、
いい休日になったもんだ……と素直に感じる。

そういえば差し引きいくらだ?
古本が9200円。
焼き肉とビールで1万7800円……。
とんだ休日になったもんである。

何が「俺なりの気づかい」なものか。
待ち合わせの場所に古本屋街を選んだのは、
ヤツの巧妙な罠だったに違いない。

……前沢牛をでも送れよな、コノヤロー。


投稿者 T.Shimada : 23:13 | コメント (6)

2006年04月13日

いちばん美味しかったモノ


どういうわけか観光とは縁がない。
今年だけに限定したとして、アメリカに行っても
イタリアに行ってもフランスに行っても、
まったく“観光”と名のつく行為ができなかった。

まぁ仕事であちこち行ってるわけだから
それを望むのはゼータクもしくはワガママだとは思うが、
イタリアなんて入りも出もヴェネツィアの
マルコ・ポーロ空港だったっつーのに、
いったいなぜヴェネツィアが“水の都”と呼ばれてるのか、
理由がさっぱり判らないまま帰ってきたくらいなのだ。
つい最近、親しい人がヴェネツィアに滞在していたとき、
俺はそんなこと全く知らずにケータイに電話したのだが、
「ヴェネツィアは何回訪れても素晴らしい」
と繰り返していた。だが、俺は何も観てきてないから、
「へぇー」とヌケた答えを返す以外に手がなかった。
「俺もいったことあるよ」なんて、とてもいえない。

たいていの場合は朝から晩までスケジュールみっちり、
自分でプランを立てた出張であっても
移動→人と会って→移動→人と会って→また移動、
なぁーんてことを朝から晩まで繰り返してたりする
見事なまでのビンボー性(でありビンボー人)だから、
きっと同行した人達も大変だったろなぁと思うほどである。

だが、チャンスは突然やってきた。

先日の出張のときのことだった。
目的としていた仕事が全部終わってふと時計を見ると、
空港から東京へ飛ぶ飛行機まで数時間ほどあった。
しかも、そのときに自分がいた場所から近いところに、
とある有名な神社仏閣があることを知った。

電車に乗って、わずか数駅──。
俺は駅員のおっさんを質問攻めにして、
その有名な観光スポットに立ち寄ってからでも
楽勝で空港へ行って空を飛べることを確認した。

で、行ってみたわけである。
学生さん達が春休みに入ってすぐの日曜日だったが、
まぁ若い人達はこんなとこにゃこねーだろ、
きっとガラガラに空いてるに決まってる。
そう思ってたのだが、意外や意外。
両脇に土産物屋さんが居並ぶ参道は、
その昔はきっと若かったんだろうと思われる人に混じって、
現役で若い人達もたくさん歩いていた。
うーむ。やはり日本人なんだねぇ。
やっぱ神社仏閣巡りをするっていう行為は、
きっと俺達の遺伝子に組み込まれてるんだなぁ……、
と新鮮な気分になったもんだ。

逸話を残す樹木に「頭がよくなりますよーに」と願い、
小銭入れに入ってたチャリ銭を総てつぎ込んで
「このさき幸せに生きていけますよーに」と祈り、
土産物屋さんを冷やかして2〜3を求め、駅まで戻る。
その間、わずか45分。俺の観光は終わろうとしていた。

だが俺は、大きな満足感を覚えていた。
単独行だったのはちょっと残念だったが、
何せひさしぶりの観光である。
実際のところ、とても明るくスッキリした気分だったのだ。

──んっふっふっ。俺もやればできるじゃん。
そうしたワケの解らない感慨に浸りながら、
駅前の広場に差し掛かったとき……。

「おにーさん!」

女性の声が耳に入ってきた。
横目で周りを探ってみると、俺の周りには
おじさんとおばさんとおじいさんとおばあさんだけである。
声をかけられたのは俺だ。俺に違いない。

ドキドキしてることを悟られないように
落ち着いた風で振り返ってみると──。

イカ焼きを売ってるおばさんだった。
「喰ってけ」という類のお誘いだったわけだ。
まぁ人生とは、そういうものである。

せっかくなので1本300円也を払って喰らうことにした。
旅先でいいことばかりあるとは限らない。
人生なんて、こんなもんである。

ところがっ! これが驚くほど美味かったのだ。
肉厚だし、焼き加減も柔らかすぎず硬すぎず、
タレの味も醤油のからさの中に微妙な甘さが隠れてて、
ついつい「もう1本!」と手を伸ばしてしまったほどだ。

前の晩には地元でよく知られてるというラーメンも食べた。
その前日には贅沢な食事も御馳走になった。
美味いモノをたくさんクチにしたのは確かな事実だった。
だが、ここしばらくで最も「美味いっ!」と感じたのは、
実はこのイカ焼き300円×2本だったのだ。
人生、なかなか捨てたもんでもない。

素材の味を活かしたシンプルな料理は美味い、
というのは当然といえば当然。
だがこれは、もしかしたらタレにすごい秘密があって
焼き加減が名人級だったのかも知れないけど、
それにしても実に単純なイカ焼きである。
思えばあれは“気分”という地域限定の調味料が
提供してくれた美味さだったのだろう。

そういえば参道をポクポク歩いて帰るときに
買って帰るのがとてもいいアイデアのように思えた
お守り風キーホールダーと杉をモチーフにした置物も、
もはや自宅のデスクの上に転がったままだ。
いったい何がどういいアイデアに思えたんだったっけ?
俺はどうしてこれを買ったんだ?

観光、恐るべし……である。



投稿者 T.Shimada : 22:09 | コメント (8)

2006年04月12日

○▽マルコ……?


撮影・佐藤正勝

本誌ではレポーターとしてもお馴染みの
レーシング・ドライバー、桧井保孝選手は、
昨年まではレース界で「老けた三船 剛」と呼ばれ
マッハ号に憧れる子供達に微妙な影を投げかけていたが、
今年はヒノイヤスタカという元々の名前に戻って
GT300クラスのランボルギーニ・ムルシエラゴに乗り、
日本で最も盛り上がってるスーパーGT選手権に
「昔の名前で出ています♪」である。

カラオケを歌ってるわけではなく、レースに出ているのだ。
……あ。ふつー間違えないか。うん。間違えないよな。

彼がステアリングを握ってる
ゼッケン88番『アクティオ・ムルシェRG-1』は、
昨年までGT500クラスにエントリーしていた。
チームとしてのJLOCは1994年から
ずっとランボルギーニをこのクラスで走らせてきて、
その存在感とサウンドでファンを魅了し続けてきたのだが、
さすがに日本の自動車メーカーが莫大な予算をかけて
死に物狂いで開発を進めて挑んでくるクラスゆえ、
輸入車でエントリーしていて、しかも
予算的にも物資的にも苦しい立場のプライヴェーターが
太刀打ちできるモノではない。
そこで戦いの場をGT300クラスへと移し、
体制を少し変更してエントリーしたら……。

なんと開幕戦で優勝! ……という
ものすごく喜ばしい結果を得ることになったのだ。

そのときのドライバーのひとりが、
桧井保孝選手なのである。
桧井選手、ついにGTレース初優勝!
同時にこれは、チームにとっての初優勝でもあった。

古いツキアイゆえ、顔を合わせるたびに
彼にはヒドイことばかりいってるような気がするが、
素直に「おめでとう!」と伝えたい。……今回だけね。

開幕戦でのランボの優勝は、誰も予想していなかった。
が、この優勝は冗談でもなければマグレでもない。

今のGTは、一度勝っちまったクルマは
次からはそう簡単に勝てないような仕組みになっている。
ハンディ・ウエイトを積まされるからだ。
しかもムルシエラゴは今回から性能調整の名目で
エンジンのリストリクターを2段階縮小することが
義務づけられ、パワーがずいぶんと絞られた。
となれば第2戦は勝負権なし。アウト・オブ論外。
多くの人は、そう見ていた。まぁそれが自然である。

だが、88号車は続く第2戦も、予選では苦戦しつつ
見事6位に入賞してポイントを獲得し、
現在GT300クラスのポイント・ランキングで
トップをひたひたと走っているのだ。

桧井ちん、すげーじゃん。

まぁ元々ウデのいいドライバーであることについては、
レース界でもよく知られた男である。
ただ、ヘルメットを被ってキリッとするまでは
擬音で表すなら明らかに「ふにゃ」としてる性格ゆえ
いじられ役として最適であることから、
いろんな人に面白がられてからかわれてるだけなのだ。
そうでもなければ貴重なフェラーリF1のステアリングを、
コーンズさんから委ねられるはずもない。
非常に優れたウデを持ってるのだ。運転はね。

彼の今年の相棒は、マルコ・アピチェラ選手。
ジョーダン・ハートからF1GPに出場した経験もある、
イタリア人のヴェテラン・ドライバーである。

このふたりのコンビネーションが、
近頃、レース界で密やかな話題になっている。
ふたりのレース中のラップ・ライムがほとんど変わらない
相性のよさ、ということだけではない。
もっと……なんちゅーか……ほら……つまり……ね?

あー。もうハッキリいおう。ソックリなのである。
古い言葉を使うなら“クリソツ”というヤツだ。
顔と身体のバランス、体型、顔のまろさ、
顔立ち、顔つき、表情、帽子を脱いだときの髪型まで、
まるでウリのように似てるのである。
キョショー(註:“巨”大な“笑”い)佐藤正勝氏による、
このポディウムの写真でジックリ見比べてみて欲しい。
どっちが桧井選手でどっちがマルコ選手か判るかな?

そんなわけでひっそり広がりつつあるこのコンビの愛称は、
そのまんま『ダブル・マルコ』。

うっくっくっ。うはは……ふははははははは。

桧井ちん、俺は今までキミがラテン系だとは知らなかった。
謎の怪物ヒバゴンのお膝元である広島に誇りを持つ、
比婆山脈系なんだと思ってた。すまんすまん。

ここはひとつお詫びに換えて、
ムルシエラゴとともに今年のル・マンへいく(だろう)
キミのことを盛大にレポートするから許してな。

それにしても、だっ……ダブル・マルコ……。
ふははははははは。


投稿者 T.Shimada : 23:56 | コメント (5)

2006年04月11日

リニューアル、ひとまず……


トップ・ページを見ていただくとお判りのように、
ようやくスタッフそれぞれの“勝手ブログ”を
オープンすることができた。
担当ナパが突っ走って先にトップ・ページだけ変更し、
その後の作業がやっと追いついた、というカタチだ。

実はトップ・ページが切り替わった1ヶ月ちょい前、
何の気なしにアクセスした俺は
「ぬぉーっ!」っとヒックリ返ったのだった。
だって、まったく知らなかったんだもん、
その日に切り替えられるっていうこと。
肝心要のコンテンツがまだ揃ってもいないっつーに。
けれど、上がっちゃったものは仕方ない。
そもそも昔のティーポのコンセプトは
『痛快! ナリユキ雑誌!!』だったのだ。
ナリユキを最大限楽しむ心のゆとりは大切だ。

そんなわけで雑誌づくりの合間を縫うようにして、
なんとかかんとかここまでやってきた。
ウエっちが「さてさて」なんつー卒倒モノの
ジジむさいタイトルからスタートしていたり、
310がワケあって素顔をさらせない裏街道の男なのかと
疑惑を持たせるような写真で登場していたり、
ナカジーが出張中で1日だけ遅れることになったり、
ナパが相変わらず果てしなく見苦しかったり、
メットがやたらカワイコブリッコした
プロフィール・カットで腹立たしかったりするが、
とにもかくにも再スタート。
ひとまず、リニューアルのスタート地点に立ったわけだ。

ヤツらのブログにはほぼ間違いなく高尚なことなんて
なにひとつ登場することなく、
その点はオレの『随筆』と大きく異なっているわけだが、
まぁティーポをつくってるあんぽんたんどもが
どんなキャラクターを持ってるもんなのか、
ちょっとばかり楽しみにしてもバチは当たらないと思う。

ここから先も“読み物系”や“図鑑系”など、
コンテンツを充実させていく計画は
着々と進行してる(……よなぁ?)ので、
どうか見捨てないでね、とお願いしておきたい。

……としたためて、更新なった新しいトップ・ページを見たら、
スタッフのところにだけ「NEW !」の文字が
燦然と輝いていた。当初、俺は置いてけぼりの仲間はずれ。
場外乱闘のリングの上にも何かキラキラしたものが欲しい、
と思うのは人としてのごく自然な感情の流れである。

そこで俺は、ナパが更新作業その他をお願いしてる、
とある男のところに直訴の電話を入れた。

「あのさぁ、みんなのところ“NEW !”って出るけど、
俺だけこうして仲間はずれにしちゃうわけ?」
「いや、だって嶋田さんのところ……新しくないし」
「あーそーかそーか。俺はどうせ古い人間だからな。
ヒストリックカーならぬヒストリック人間だからな」
「そういう意味じゃないです。ただ、ほら、
前からちゃんとオープンしてたとこ……」
「そーゆーことをいってるわけじゃないんだよなぁ。
なんかこう、ちょっとは気を利かすとかさぁ……な?」
「……はぁ」
「ほら、“NEW !”がダメだっつーなら
他の言葉のキラキラをつけるとか」
「どうしましょうかねぇ……?」
「んー。ほんじゃ“NOW !”はどうだ? ナウ!」
「それでいいんですか?」
「いいよ。ナウ。それでいいよ」
「わかりました。それじゃ、すぐにやりますよ」
「おー、さんきゅよんきゅー」

そして、待つこと小1時間──。
んっふっふっ。キラキラしてるじゃん。うはははは。
ふむ。これでカンペキ。これでいいのだ。

……だが、それから数時間後のついさっき、
俺は友達からのケータイ・メイルを見て、驚愕した。

「おまえはアホか。みんなが“NEW ! ”なのに、
どうしておまえのところだけ“NO !?”なんだ?
そんな簡単なスペル・ミスをするなんて、
中学校から英語をやりなおせよ。この馬鹿すかし!」

ぬぅおぉーーーっ! ……マジすか?

……マジだった。
キラキラしてるのは、間違いなく“NO !?”だったのだ。
しかも、俺のところだけキラキラのリズムが違ってる。
きっとあの男は「ナウ」を「ノー」を聞き間違えたのだ。
慌てて電話をしたのだが、つながらない。
何度トライをしても、ちっともつながらない。
まぁ時間も時間っていえばそのとーりなのだが……。

ふむ。仕方ない。ティーポの元々のコンセプトは
『痛快! ナリユキ雑誌!!』である。
しばらくはこのままで……いくしかないんだろうなぁ……。



投稿者 T.Shimada : 02:54 | コメント (8)

2006年04月10日

2000年前の裏切り者


先週末の夜中になんとな〜くアクセスして
なんとな〜く辿り着いたニュースに、俺は驚愕した。
ここしばらくで、最もビックリしたお話しだった。
何と2000年近くもの長い間、
世界的に裏切り者扱いされていたひとりの男が、
もしかしたら実は無罪だったかも知れないというのだ。

その男の名は、イスカリオテの『ユダ』。
クリスチャンであるなら知らなきゃ嘘、
そうでなくても多くの人はその名を知っている、
イエス・キリストの弟子だった男である。

ユダは新約聖書の中で、
イエスに選ばれた12人の弟子のひとりでありながら
銀貨30枚と引き替えに師を敵に引き渡す手引きをし、
イエス・キリストが磔にされた
直接の引き金を引いた人物として描かれている。
以来、ユダの名前は2000年近くにもわたって
裏切り者の代名詞として今日まで語り継がれてきている。

新約聖書の中には、イエスの言動を記録したといわれる
4人の記者による4つの“福音書”が収録されている。
ほとんどが1900年以上も前に記された
それらすべての中で、ユダは既に裏切り者扱いだ。
マルコの福音書とマタイの福音書では
金銭欲に目が眩んだとされていて、
ルカの福音書とヨハネの福音書の中では
サタンが身体の中に入ったと記されている。
ほかの11人の弟子達だってイエスが囚われるときには
とっとと見捨てて逃げてるわけで、
そういう意味では一度裏切ったも同然じゃねーか、
という気もしないではないのだが、
とにかくユダはブッチギリの裏切り者とされてきたわけだ。

ところが、聖書に含まれていない
もうひとつの福音書が存在している。
それが2世紀頃に当時のキリスト教会によって
異端の禁書とされた、『ユダの福音書』だ。

様々な鑑定の結果、後年になってつくられた偽物ではなく
3〜4世紀に写本されたものであることが証明された、
現存する唯一と見られる『ユダの福音書』。
1970年代にエジプトで発見されて物議を醸したそれが、
長い時間をかけてついに解読されたという。

そこに記されていたのは、これまでのユダ像を
まるっきりくつがえすような内容だった。
ユダは師であるイエスの言いつけに従って
イエスの身柄をローマの官憲に引き渡したというのだ。
イエスはユダを「教えを理解している唯一の弟子」と誉め、
「お前は真の私を包むこの肉体を犠牲とし、
すべてを越える存在になる」と促したというのである。
ユダがイエスの望みにそったことによって、
イエスは肉体から解放されて神に昇華したのだ……と。

これが真実であるなら、ユダは裏切り者どころか
イエスの信頼を得た一番弟子だったことになる。
今後きっと、その内容や解釈を巡って、
世界的に大きな論争になるんだろうなぁと思う。

旧約聖書は2000〜3000年前に、
新約聖書は1900〜2000年前に書かれた古文書で、
しかも歴史に名を残す学者や宗教家ではなく
多くはごく普通の人々が書き残してきた
様々な文書から成り立ってるのだから、
もしかしたら誤解や曲解もあるかもね、
と教えてくれた学識者がいた。

また、長い歴史の中で聖書も揉まれてきたわけで、
時の権力者によって意図的な内容に
微妙にすり替えられてきてる可能性だってある、
というような記述を全く関係ない本で読んだこともある。

何が正しくて、何が正しくないのか──。
真実がどこにあるかなんて、誰にも判らない。
ましてや果てしない昔のことなんて、確かめようもない。
もちろん俺なんかには、想像すらできないお話だ。
ある種の学問と捉えて熱中する人が多いのは
こういう理由だったのか、と思うばかりである。

ずっとずっと、裏切り者のレッテルを貼られていたユダ。
彼がこの福音書のとおりの人物であったなら、
今、いったい何を想うだろう。
考えてみれば、誤解、曲解、思い込み……、
そうしたモノに苦しめられている人は少なくない。
亡くなってしまえば、言葉を返すことだってできない。
生きていてさえ釈明が許されないことすらあるってのに。

そういえば、亡くなってから20年も経っていないのに、
“冷徹”“エゴイスト”“傲慢”といった
硬い仮面ばかりが一人歩きで語り継がれている男、
──エンツォ・フェラーリ。
自分を釈明したいと考えているかどうかは別として、
彼もこれから歴史が積み重なっていくにつれて、
人間味のない鋼鉄の男として完結させられてしまうのか。

手元にあるイタリア取材のメモには、
「ちょっと違うんだなぁ」という証言がたくさんある。
“福音書”みたいにしたいだなんていう
大それたことを考えてるわけもないのだけど、
それをこれからどこまで皆さんに伝えていけるのか、
考えはじめたら頭が妙に冴えてきて眠れなくなった。

しょうがない……とりあえず今夜は飲もう。
こりゃとてもじゃないが飲まなきゃ眠れそうにない。
うん。そうだそうだ。飲むのが一番。そうしよう。

……あ。念のためにいっておくけど、
わざわざ飲む理由をこしらえるために、
長々と駄文をしたためてたわけじゃないぞ。
いや、それは誤解だってば……。マジで……。

投稿者 T.Shimada : 05:26 | コメント (4)

2006年04月07日

『手間』と『暇』

クルマに乗ってふらふら漂流していると、
ときどき思いがけないものに出逢って
嬉しくなることがある。
ドライヴの醍醐味、というヤツのひとつだ。

今回は目的もなくふらふらしてたわけじゃなくて
ランドローバー九州試乗会での出来事だったのだが、
クルマを乗り換えるチェックポイントから
ほんの少しだけオフセットした場所で、
生まれて初めて“塩”が手づくりされているところを
見せてもらうことができたのだ。

俺の手元にあるCASIO製電子辞書版の広辞苑によれば、
『手間』とは「あることのために費やす時間、
または労力」というふうに記されている。
『暇』の中には「すいた時間」だけではなく
逆に「何かをするのに要する時間」という意味もある。

普通、俺達が食卓で使ってる塩の多くは、
“イオン交換膜式”と呼ばれる方法で製造されている。
簡単にいうなら電気を利用して
海水から塩化ナトリウムを取り出す科学的なやり方である。
1970年代頭から数年前まで法規制でこの方法でしか
塩をつくることが許されていなかったのだが、
水分と塩分の分離も乾燥も人工的な手段で行われるわけで、
いってみれば工業製品みたいなもんだ。
つまり俺達は“塩”というよりも、むしろ純度の高い
“塩化カルシウム”みたいなもんを喰ってたわけである。
おかげで低コスト・大量生産が可能になったわけだから
悪いことばかりというつもりもないのだけど、
数年前にようやく自由化が認められるまでは
効率追求型の塩しか手に入れることができなかった。

ところがその日、俺が見せたもらった塩づくりの現場は、
そりゃもう呆れるほど非効率的な、
文字どおり『手間』と『暇』ばかりかかる
古式ゆかしきやり方が貫かれていた。

竹で組まれた“立体式塩田”に海水を何度もかけ、
風と天日にさらして海水の塩分を
1週間ほどかけてじっくりと濃縮させていき、
それを大きな釜で温度を調節しながら3日間炊いていく。
釜の中でゆっくり少しずつ結晶してきた塩を
1日かけてていねいにすくい上げて、
さらに杉樽で1日寝かせて塩とにがりを分離させる。
水をくみ上げてから売られるまで、およそ1ヶ月。
しかも手づくりの塩田と手づくりの作業小屋、
途中で台風にでも見舞われた日にゃ
ほとんど1から出直し……だ。

内海と外海の交わる玄界灘に抱かれ、
海と山がダイレクトに交錯する場所にある
福岡県は糸島半島・福の浦でつくられているこの塩は、
海と大地の恵みといえる豊富なミネラル分を
たっぷり含んだ“昔ながらの塩”である。

俺はここで『炊塩』100g300円と
『焼塩』100g500円を買って帰ってきた。
『炊塩』は握り飯にして、『焼塩』は生野菜に振って、
という緻密な計算をしたつもりだ。

で、どーだったかというと、
『炊塩』を塩握りにして、『焼塩』をキュウリに振って、
いわゆる普通の“食塩”と比べてみたのだけど、
どっちも普通の“食塩”をベースにして述べてみるなら、
濃厚だけどしつこくなく、やさしいしょっぱさ(?)で、
不思議なことに甘さみたいなものまで感じられる。
米もキューリも、元々の味までハッキリしてくるかのよう。
俺はグルメじゃないから上手く表現することができないが、
こういうのを「芳醇な味」というんだろうか……?
まぁ、端的にいうなら「塩って美味いねぇ」である。

手間と暇のたっぷりかかった『またいちの塩』、
ぜひぜひ試してみるといいと思う。
これ、マジでオススメ。

……ふっと思った。
闇雲に時間をかければいいってもんでもないけれど、
マス・プロダクツによる瞬間芸でつくられるクルマより、
そうじゃないクルマの方が味わい深いってのは、
やっぱりそういうことなんだろうなぁ……と。

何をするにも『手間』と『暇』を惜しむべきじゃない、
ということを俺達は忘れちゃいけないのだろうな。

投稿者 T.Shimada : 23:52 | コメント (6)

2006年04月06日

ウエスト、ばんざい!

先週末のランドローバー九州試乗会には、
“カメラのおみや”こと宮越孝政くんと一緒にいった。

理由は“鼻が効くヤツだから”である。

この男、何せ美味いモノには目がないというか
いかなるときでも喰うことしか考えてないというか、
そのうえ他誌も含めて仕事柄全国各地を回ってるから、
東京以外の土地に出向くときには非常に重宝する。
どこにいけば美味いモノを食べられるか、
ほとんど熟知の領域に達しているといっていい。

おまけに知らない土地に出向いても、異様に鼻が効く。
「あそこにしましょう!」と言い放った先で、
「何だこりゃ……?」となったことがほとんどないのだ。
そういう男だからして、見るからに
生まれつきの『くいしん坊! 万才』な体型をしてる。
これからの季節には暑苦しくてたまらないが、
4月頭のこの時期なら、まだだいじょーぶ。

そういうわけで、福岡空港に到着した俺達は、
簡単なブリーフィングの後に最初のチェックポイント、
阿蘇の草千里を目指すことになったのだが、
ディスカバー3のステアリングを握って
走り始めて10分もしないうちに、おみやが騒ぐ。

「あっ! ウエストだウエストだ! ウエストですよ!?」

……ウエスト? まさかフォーミュラ・カーが
福岡の街中を走ってるはずもないだろう。
いったい何のこっちゃ……? と瞬間的に思った。

「ウエスト、知らないんですか? ウエスト……。
マジで美味いんですから。安いし」

どうやら食い物屋さんのようである。

「寄りましょうよ寄りましょうよ寄りましょうよ。
だって朝6時に家を出て嶋田さん迎えに行って、
もう11時近くですよ。オナカすいてませんか?
寄りましょうよ寄りましょうよ寄りましょうよ。
ふつーオナカすきますよ、こんな時間なんだから。
ウエストですよ。朝メシだって食べてないもん」

道草くってる場合じゃないとは思ったが、
このまま黙殺してるといつまでもブツブツいいそうだし
ストまで起こしそうな勢いなので、
とりあえず駐車場に入ってクルマを停めることにした。

「ネギ入れ放題。揚げ玉入れ放題。
チェーン店なんですけど、マジで美味いんですよ。
ちゃんとダシとってる感じだし天ぷらは揚げたてだし」

求めてもいないのに、解説までしはじめる勢いだ。
見れば24時間営業のうどん屋さんである。
ならば注文してから食べ終わるまで、15分程度だろう。
ここは黙らせるためにも、入ることにするか……。
おみやはもう、ニッコニコである。
きっとダダっ子を持つ親御さんってのは、
毎日こんな気分を味わってるんだろうな……。

メニューを見ると、東京のうどん屋さんに慣れた身には
割安感たっぷりの値段である。
『かけ』280円、『かき揚げ』390円、
『ごぼう天』390円、『いか天』410円、
『肉』510円、『海老天』510円……。

俺は海老天2本と温泉卵1個と三陸わかめたっぷりの
『具沢山 得々うどん』480円を頼むことに決めた。
ついでにオプションで『肉』230円も追加する。
ほとんど“気分は御大尽”である。

チェーン店ゆえ、実はそれほど期待はしてなかった。
駅や盛り場の立ち食いそば屋さんみたいなもんだろう、
くらいのつもりでいたのだ。

ところが、入れ放題の九州ネギをたんまりと放り込み、
いざツルツルっとすすってみると、これが美味かった!
麺はちょっとばかり讃岐風で、
汁は出汁の効いた薄めの色に適度な塩気。
海老天も「さっき揚げました」とでもいうように、
サクサクとして気持ちいい。
俺はグルメじゃないから食の解説なんてできないが、
何つーか、とにかく美味いのである。

東京に戻って調べてみたところによれば、
ウエスト』は福岡を拠点とする外食チェーンで、
うどんのほかにも焼肉、中華、和食、カレー、
そしてイタリアンなどなどを展開してるようだ。
40年近く、庶民派としてがんばってきたらしい。

俺はウエストのうどん屋さんが近くにあったなら、
きっと週に2〜3回は足を運ぶに違いない。
全店舗24時間営業の年中無休だから、
もしかしたらもっと頻度は高くなるかも知れない。
そのくらい気に入っちゃったのである。

だが、うどん屋さんに関していうなら
九州を中心に102店舗の展開となっているものの、
都内では町田市にひとつあるのみ。
美味しいからとはいえ、ファストフードを食べるのに、
そこまで労力を割くわけにはいかない。

……というわけで、ウエストの関係者の皆さん、
もしこれをお読みになったなら、
ぜひ目黒区の都立大学駅界隈への出店を考えてください。
安くて美味いモノには目がない某出版社の人間が、
きっと入れ替わり立ち替わり
食べにうかがうことになると思います。うはははは。

そして読者の皆さん、このウエストのように
「うちの地方じゃ当たり前なんだけど……」であっても
世に知られてない“安くて美味い店”があったら、
ぜひこのコメント欄に書き込んで教えてくださいませ。

……それにしても、おみや。
いやー、やっぱり今回の出張、キミと一緒でよかったよ。
キミは立派に役に立ってくれた。
ちゃんと賞賛しないといけないね。
「カメラマンがうまい(店を知ってる)と
編集屋は楽ができて助かるよ」ってさ。

……あれ? そういえば写真の上がりはどうなった?
おみや、早く持ってきてくれな。
だいじょーぶだいじょーぶ。怒ったりしないから。

投稿者 T.Shimada : 03:23 | コメント (10)

2006年04月05日

セヴン狩り


うう……。
恐ろしいことを耳にしてしまった。
ついにここまで来ちゃったか、という感じである。

ウラをとったわけじゃないから
情報の正確さにはまるっきり自信はないのだけど、
ここのところの毎週日曜日の早朝から午前中にかけて、
関東地方の走り屋のメッカといわれる
誰もが知ってるエリアのワインディング・ロードで、
なんと『セヴン狩り』が行われてるのだという。

それはグレた子供達の退屈しのぎで行われてるのではなく、
シカツメらしい表情を浮かべた
司法の手先によって行われてるのだから
避けるのも逃げるのもちょっとばかり難しい。

休日の朝、気持ちいい春の空気の中、
そのワインディング・ロードに走りにやってくる
スーパーセヴンを彼らは待ちかまえてるらしいのだ。

やってきたセヴン(それにジネッタ)を、
とりあえず手当たり次第停める。
セヴン乗りには思い思いのモディファイを
楽しんでるオーナーが多いから、
まずはそれが“狩り”の対象になる。
触媒のないマフラーなんぞがついてたら、即アウト。
『故障』のステッカーをパーン! と貼られて終わり。
しかも「あなた、確信犯ですね?」と
“悪質な行為”を理由に30万円の罰金を課せられた人も
何人か出てきてるらしい。

クルマをモディファイするのが正しい行為かといえば、
まぁ“模範的な行為”とは言い難いだろうとは思う。
触媒のついてないマフラーがより激しく大気を汚す、
という理屈も解らないわけじゃない。
文句を返せる筋合いじゃないのは、そりゃ確かだ。

でもさぁ……と、俺は考えちゃうのだ。
違法改造や速度違反を取り締まってもいいけど、
だけどもっと先にやっとくべきこと、あるんじゃないの?

ときどき検問で停められたときなどに、
似たようなことを“穏やかに”相手に問うことがある。
すると多くの場合返ってくるのは
「それはどういうことですか?」である。
そのたびに、俺はいつも感じるのだ。
「それが何かを一般市民に教わらないと判らないようなら、
あなたは公僕やめたらどう? アタマ悪すぎだから」と。

それにしても趣味の対象でしかあり得ないセヴンが、
狙い撃ちにされるなんて……。
ああ、恐ろしい時代になったモノである。



投稿者 T.Shimada : 03:02 | コメント (5)

2006年04月03日

キハラの運命


週末、俺は福岡にいた。ランドローバーの試乗会である。
ディスカバー3、レンジローバー・スポーツ、
そしてレンジ・スーパーチャージドの3タイプに乗り、
2日間かけてたっぷりとした距離を走って、
その持ち味を体感してみてくれ、という趣向である。
試乗記そのものは次号で展開することになっているが、
いや、ひとことでいえば驚くほど快適、
こうしたロング・ツーリングのような旅系にも
最適だということがしっかりと確認できた。

この両日、招かれていたのは8媒体。
その中には姉妹誌のオートカー・ジャパンも含まれていた。
来ていたのは、キハラというスタッフだった。

キハラは写真のF1ドライバーの中の
エディ・チーバーとパトリック・タンベイを足して、
それを2で割り、そこに和風テイストを加えた感じの男。
しかも、どことなく“売れないホスト”風味である。
日頃は寡黙にコツコツ仕事をこなすタイプであるが、
ときどき大胆なことをして周囲のド肝を抜くこともある。

その最も代表的なモノは何かといえば、水疱瘡である。
ヤツは40歳になって突如として水疱瘡を発病し、
このビルの中を思い切り震撼させたのだ。
俺達はヒックリ返って驚いた。
だってヤツはどーしょーもなくなるまで病院に行かず、
「なんか調子悪いんです」「風邪ですけどね風邪」と、
しばらくの間、普通に出社して普通に仕事をしてたのだ。
それはまるで「へいっ! 一緒に苦しもうぜ!」という
悪魔の誘い。言葉を置き換えて説明するなら、
いわゆるひとつのテロである。

だが、まぁ人間性に多少の問題はあるかも知れないが
同時にちょっとは優しいところもある俺は、
「シジュー過ぎてミズボーソーはつらかろう」と、
密かにヤツの身を案じていたのであった。
なので、ヤツが病み上がりで出社してきた初日、
たまたまこの3階フロアの入口でバッタリ会った俺は、
ヤツがなんとなーく入りにくそうな表情をしてるのを見て、
“そうだよなぁ、気まずいよなぁ……”と思ったので、
ちょっとばかり気を利かせてやることにした。

「パンパカパーーーン! みなっさぁーーーんっ!
キハラくんが地獄から還ってまいりましたぁーっ!
さあ、ミズボーソー・キハラの入場です。拍手拍手っ!」
と花道をつくって盛り立ててやることにしたのだ。
あのときの、ふと下を向いて照れくさそうだった表情を、
俺は忘れることができない。

今回の試乗会では、設定されたルートの途中に設けられた
チェックポイントごとに、クルマを乗り換えて進む。
そのポイントに至るまでの道すがら、
自由に撮影して自由に運転して……というワケだ。

初日最後のチェックポイントをスタートすると、
俺達の背後にキハラの乗ったディスカバリー3がいる。
ノンビリ走っていくつもりだったので、
高速道路のブースをくぐったところでフッと左に寄り、
合図をして先にいかせることにした。

キハラの運転するディスカバリー3は、
分岐を右に行こうとしてスッと右に寄っていく。
確かカーナビも右方向を指示してた記憶があるから、
俺もその後ろをついていこうとした。

ステアリングをゆっくり右に切り始める。
前を走るディスカバリー3のミラーに映っている
キハラと目が合った。その途端──。

キハラは慌てたかビックリしたかのような表情で、
左のミラーを見つつスッとステアリングを左に操作して、
左側の分岐の方に飛び込んでいったのだ。

──へっ!?

と思ったときには身体が動いてた。
つられて左のミラーで後ろを確認しながら
左にステアリングを切って、
俺も左側の分岐に入ってしまったのだ。

──なにぃ!?

カーナビは、俺達がコースから外れたことを、
見逃すことなく瞬時に指摘した。
だが、高速道路では後戻りすることはできない。

ふと前を見ると、ミラーに映ったキハラの顔が弾けてる。
キハラは文字どーり爆笑してる。
ミラーでこっちを見ながら大口開けて笑ってるのである。
ヤツは身体を張って、俺達を逆方向に誘い込んだのだ。
ったく大胆なことをするヤツである。
おかげで俺達は25kmも余分に走るはめになり、
とてものんびりいくどころじゃなくなった。

ゴール地点で「んにゃろー!」と感想を述べると、
「見事にかかりましたね。やっと念願が叶いましたよぉ。
いつか復讐しなきゃと思ってたんです。わはははは」
とキハラは大喜びをしていた。
どうやらミズボーソーの一件を根に持っていたらしい。

なぁーんだ。あれは照れくさかったんじゃなくて、
悔しくて下を向いてたのか。へー。そー。ふーん。

まぁ今回は負けておいてあげよう。俺はオトナだからね。
でもキハラ、トイレに入って用をたしたいときには、
紙があるかどうか確かめてからにしたほうがいいぞ。
キミの誤算は俺の性格をよく読んでないってことだ。
俺は結構いいヤツなんだけどすごく根に持つタイプなのだ。

さーて、どうやったら最も効果的に
ダメージをつくりだすことができるもんだろか。
んっふっふっ。キハラぁ、楽しみだなぁ。
んっふっふっふっふっ。キハラぁ、……楽しみだろ?



投稿者 T.Shimada : 21:15 | コメント (9)



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