先週末のランドローバー九州試乗会には、
“カメラのおみや”こと宮越孝政くんと一緒にいった。
理由は“鼻が効くヤツだから”である。
この男、何せ美味いモノには目がないというか
いかなるときでも喰うことしか考えてないというか、
そのうえ他誌も含めて仕事柄全国各地を回ってるから、
東京以外の土地に出向くときには非常に重宝する。
どこにいけば美味いモノを食べられるか、
ほとんど熟知の領域に達しているといっていい。
おまけに知らない土地に出向いても、異様に鼻が効く。
「あそこにしましょう!」と言い放った先で、
「何だこりゃ……?」となったことがほとんどないのだ。
そういう男だからして、見るからに
生まれつきの『くいしん坊! 万才』な体型をしてる。
これからの季節には暑苦しくてたまらないが、
4月頭のこの時期なら、まだだいじょーぶ。
そういうわけで、福岡空港に到着した俺達は、
簡単なブリーフィングの後に最初のチェックポイント、
阿蘇の草千里を目指すことになったのだが、
ディスカバー3のステアリングを握って
走り始めて10分もしないうちに、おみやが騒ぐ。
「あっ! ウエストだウエストだ! ウエストですよ!?」
……ウエスト? まさかフォーミュラ・カーが
福岡の街中を走ってるはずもないだろう。
いったい何のこっちゃ……? と瞬間的に思った。
「ウエスト、知らないんですか? ウエスト……。
マジで美味いんですから。安いし」
どうやら食い物屋さんのようである。
「寄りましょうよ寄りましょうよ寄りましょうよ。
だって朝6時に家を出て嶋田さん迎えに行って、
もう11時近くですよ。オナカすいてませんか?
寄りましょうよ寄りましょうよ寄りましょうよ。
ふつーオナカすきますよ、こんな時間なんだから。
ウエストですよ。朝メシだって食べてないもん」
道草くってる場合じゃないとは思ったが、
このまま黙殺してるといつまでもブツブツいいそうだし
ストまで起こしそうな勢いなので、
とりあえず駐車場に入ってクルマを停めることにした。
「ネギ入れ放題。揚げ玉入れ放題。
チェーン店なんですけど、マジで美味いんですよ。
ちゃんとダシとってる感じだし天ぷらは揚げたてだし」
求めてもいないのに、解説までしはじめる勢いだ。
見れば24時間営業のうどん屋さんである。
ならば注文してから食べ終わるまで、15分程度だろう。
ここは黙らせるためにも、入ることにするか……。
おみやはもう、ニッコニコである。
きっとダダっ子を持つ親御さんってのは、
毎日こんな気分を味わってるんだろうな……。
メニューを見ると、東京のうどん屋さんに慣れた身には
割安感たっぷりの値段である。
『かけ』280円、『かき揚げ』390円、
『ごぼう天』390円、『いか天』410円、
『肉』510円、『海老天』510円……。
俺は海老天2本と温泉卵1個と三陸わかめたっぷりの
『具沢山 得々うどん』480円を頼むことに決めた。
ついでにオプションで『肉』230円も追加する。
ほとんど“気分は御大尽”である。
チェーン店ゆえ、実はそれほど期待はしてなかった。
駅や盛り場の立ち食いそば屋さんみたいなもんだろう、
くらいのつもりでいたのだ。
ところが、入れ放題の九州ネギをたんまりと放り込み、
いざツルツルっとすすってみると、これが美味かった!
麺はちょっとばかり讃岐風で、
汁は出汁の効いた薄めの色に適度な塩気。
海老天も「さっき揚げました」とでもいうように、
サクサクとして気持ちいい。
俺はグルメじゃないから食の解説なんてできないが、
何つーか、とにかく美味いのである。
東京に戻って調べてみたところによれば、
『ウエスト』は福岡を拠点とする外食チェーンで、
うどんのほかにも焼肉、中華、和食、カレー、
そしてイタリアンなどなどを展開してるようだ。
40年近く、庶民派としてがんばってきたらしい。
俺はウエストのうどん屋さんが近くにあったなら、
きっと週に2〜3回は足を運ぶに違いない。
全店舗24時間営業の年中無休だから、
もしかしたらもっと頻度は高くなるかも知れない。
そのくらい気に入っちゃったのである。
だが、うどん屋さんに関していうなら
九州を中心に102店舗の展開となっているものの、
都内では町田市にひとつあるのみ。
美味しいからとはいえ、ファストフードを食べるのに、
そこまで労力を割くわけにはいかない。
……というわけで、ウエストの関係者の皆さん、
もしこれをお読みになったなら、
ぜひ目黒区の都立大学駅界隈への出店を考えてください。
安くて美味いモノには目がない某出版社の人間が、
きっと入れ替わり立ち替わり
食べにうかがうことになると思います。うはははは。
そして読者の皆さん、このウエストのように
「うちの地方じゃ当たり前なんだけど……」であっても
世に知られてない“安くて美味い店”があったら、
ぜひこのコメント欄に書き込んで教えてくださいませ。
……それにしても、おみや。
いやー、やっぱり今回の出張、キミと一緒でよかったよ。
キミは立派に役に立ってくれた。
ちゃんと賞賛しないといけないね。
「カメラマンがうまい(店を知ってる)と
編集屋は楽ができて助かるよ」ってさ。
……あれ? そういえば写真の上がりはどうなった?
おみや、早く持ってきてくれな。
だいじょーぶだいじょーぶ。怒ったりしないから。
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