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2006年09月

2006年09月20日

いきどおり──


鼻の中の奥の方におできらしきものができたようで、痛い。

んなもん気にしなきゃいいじゃん……とは思うものの、
脳ミソに近い場所にあるせいかジンジンジンジン……と
常に自己主張をしてるのが感じられて、痛い。

鼻の付け根を拳でこする癖をすれば悲鳴をあげ、
左の鼻だけ塞がったようなモッサリした感覚には馴染めず、
仕事の合間にこっそりをハナクソをほじることもできず、
きっとイライラした気分だったろうことは否定しない。

インターネットで配信されてきたあるニュースを読んで、
俺はさらに不機嫌になった。
ちょっと前に話題になった出来事を思い出して、
またそのときの憤りが蘇ってきたのだ。

今日のニュースは、こんな内容だった。
『冥王星、来春以降中高教科書から除外される』

この夏、皆さんも御存知のとおり
「スイキンチカモクドッテンカイメー」の
“メー”である冥王星は、惑星ではなくなった。
なくなっちゃったわけだから、
ニッポンの書物の中で最も便利だけど
最も画一的で最も融通が利いてない存在といえる
学校の教科書の中の、“惑星”のくくりから
スカッと外されるのは仕方ないことだとは思う。

ニッポンという国の教育は、学問じゃない。
幼い子供達が無限の可能性をもってして
無意識に満たそうとする純粋な好奇心だとか
探求心のようなものを駆り立てるのではなく、
“いいガッコ”に入るための教育に使う教科書。
まぁ、そんなもんだろうとも思う。
大切なお受験のために必要なのは
本質を考えたり何かに思いを馳せたりではなく、
ひたすら暗記することが正義なのだから、
このことについて論じたって意味はない。

ただ、俺は無性に腹立たしく感じた出来事を
思い出しちゃったのだ。

「冥王星、惑星失格」
「冥王星、降格」
「冥王星、惑星から格下げに」

その出来事を報じた、いくつかの新聞の見出しである。
……失格? ……降格? ……格下げ?

この見出しをつけたヤツらは神なのか、そうでなければ、
天文学的に果てしないあんぽんたんであるに違いない。

……失格? ……降格? ……格下げ?

どこをどう叩けばそういう思い上がった言葉を選べるのか、
不思議でたまらない。

そもそも“惑星”なんぞというくくりは、
人間が天体を考えるときの利便性を高めるために
勝手に定義した概念であって、
最初から大宇宙に存在していたわけじゃない。

人類の歴史など、たかだか数千年。
ひとりの人間がヒトとして生きていられる時間なんて、
ほんの100年がいいところである。
対して大宇宙は数十億年か数百億年か──。
大空の遙か彼方に散らばっている多くの星々は、
今この地球の上に立っている総ての人間が
オギャー! と生まれたときより遙か昔から、
超然として存在していたのである。

なのに……失格? ……降格? ……格下げ?
250年近くをかけて太陽の周りを1周するといわれる
冥王星の公転周期の半分すらも生きてないヤツが、
人間が勝手につくった枠組みに当てはめて……失格だって?

つけあがるのもいいかげんにしろよ、馬鹿──といいたい。
同じ人間として、同じようにモノを書いて暮らす者として、
とっても恥ずかしく感じている。
穴があったら埋めてやりたいくらいだ。

確かに人類は努力に努力を重ねて科学を発展させ、
様々な不思議を解明したり色々なモノを発明したりして
今日に至っている。それは充分に敬うに値することだ。
だが、果たして人間は万能なのか?
宇宙の支配者ヅラをして星々の格付けを決められるほどの
大いなる資格を持っているのか?

科学の分野で日夜仕事をしている友人によれば、
解明されていることよりも解明されてないことのほうが、
比較するまでもなく圧倒的に多いのだという。
人類は何もかも判っているようでいて、
実はほとんど何も判っていないのだ……と。

ならばなおさら、
奥ゆかしさの欠片くらいは持たなくちゃ。

惑星と呼ばれなくなった冥王星は、
それでも太陽から約59億キロ離れた遙か彼方で、
きっと飄々と自分自身の悠久な時間を刻んでいる。
俺はその光景にぼんやりと思いを馳せながら、
こうして琥珀色の酒にだらしなく酔っぱらってる。
とてもかっこいいこととはいえないし、
明日になってここを見たら後悔するかも知れないけど、
それでいいんじゃないか? ……と思うのだ。

投稿者 T.Shimada : 04:46 | コメント (10) | トラックバック

2006年09月14日

『快適』のカタチ


俺は『あなたが選ぶ カー・オブ・ザ・イヤー』の
“選考委員”のひとりである。
これを読んでくれている皆さんの中にも、
きっとたくさんの“選考委員”がいることだろう。

登録さえすれば誰だってインターネットを通じて
「今年の1台!」を選ぶ催しに参加できる、
自分の意志でコレと決めたクルマに1票を投じられる、
というのは考えれば考えるほど素晴らしいなぁと思う。
すべてのクルマ好きが参加できる平等性がいいし、
ドアも窓も大きく開いてるような開放感がいいよね。
自分が心に決めた1台がもし選ばれなかったとしても、
自分もちゃんと選考に参加したという事実があれば
結果がどうであれ納得せざるを得ない、というのもいい。
誰もが参加できるカー・オブ・ザ・イヤーって、
クリアでいいなぁ……と思うのだ。

だが、俺にはひとつ、問題があった。
『ティーポ』というモノ好き系のクルマ雑誌の
編集チョーなんぞをながくやってるものだから、
スポーツカーや欧州車といった趣味性の高いクルマには
僅かながらの知識はあるかも知れないが、
RVや軽自動車となるとからっきし……なのである。
選考委員として認められている投票ポイントは
みんなと同じ1票だけれど、仕事が仕事である以上、
世間的にはやっぱり“クルマのプロ”と見なされる。

……いかん。ベンキョーしよう。

そんな気持ちになっていたこともあって、
今日……あ、もう昨日になっちゃってるけど、
三菱自動車の主力モデルのひとつである
新型『ekワゴン』のプレス発表会にいってきた。

軽自動車のプレス発表会にお邪魔するのは
4年ぶり……? いや、6年ぶりくらいかも知れない。
とにもかくにも、その進化の度合いには
恥ずかしながら(本当に恥ずかしながら)ぶったまげた。
新しいekワゴンの詳細に関しては
ホビダスオートのニュース三菱自動車のHP
確認してもらうほうがいいと思うのだが、
「今のケイってこんなになっちゃってるわけ?」と
驚いたり感心したり考えちゃったりの連続で、
自分の浦島太郎ぶりに呆れてモノもいえなかったくらい。

今回発表された新型ekワゴンの最大のキモは、
後席左側が電動スライド・ドアとなっているモデルを
選ぶことができる、ということ。
もちろん運転席からも操作できるし、
キーについてるスイッチで操作することもできるヤツだ。
これがラグジュアリーな大型ワンボックスであれば
ちっとも驚きもしない。だが軽自動車で、
しかも5万円程度のエクストラ・コストを払うだけで
それが選べるというのは充分に驚きに値するだろう。

この新型ekワゴンを開発するにあたって、
三菱自動車はなかなかユニークなマーケティングを行った。
スーパーマーケットで調査したり、
子育て中のママさんを集めてヒアリングを敢行したりと、
実際のユーザー層そのものズバリにフォーカスして
様々な分析を本気で行った、というわけだ。

片手にヤンチャ盛りのちっちゃな子供の手、
もう片方の手にはたっぷり詰まった重い買い物袋。
それが子育てママの日常。
さらに、そのうえ雨でも降ってたらどうなる?
電動スライド・ドアの採用は、そうして決まったわけだ。

説明しはじめたらキリがないので多くは語らないが、
とにかく最新の軽自動車には
細かな部分にまで神経の行き届いた
実に“日本的”な気配りに溢れていて感心させられた。
日本人の多くが欲するだろう“快適”のカタチを、
しっかりと満たしてるわけだ。
俺達が日常的に接してる欧州車達は、素っ気ない。
そういう細かなサービス精神のようなモノはない。
彼らが考える“快適”のカタチは、
まったく別のところにあるからだ。おもしろいものである。

そういえば、浦島太郎である俺がもうひとつ、
驚きながらも感心したものがあった。
“マルチポジションユーティリティ”というヤツだ。
フロント・シートの背面などに
ヒョータンを逆さにしたような穴があいていて、
そこにディーラーオプションで用意される
ポケット類やティッシュ箱ケース、傘立て、ゴミ箱、
子供用のテーブルやオモチャ入れといった
フックやアタッチメントをハメ込んで便利に使える、
これまたとても日本人的な快適ツールである。
発表会の会場にはそうしたアタッチメント類の
アイデア見本のようなモノがたくさん展示されていた。

その一角にあったモノに目を奪われ、俺は唖然とした。
だって、ヒックリ返るほど日本的なんだもん。
もちろんコレがオプション設定されてるわけじゃないが、
それにしても神棚つけて走ろうとするかぁ普通……?

……というわけで、そのギャグのセンスに笑わされて、
肝心のクルマの写真を撮るのをすっかり忘れて帰ってきた。
俺もまだまだ……である。

投稿者 T.Shimada : 03:54 | コメント (13) | トラックバック

2006年09月12日

ついに公開! アルファ・ロメオ8Cコンペティツィオーネ!


……である!
今月末から行われるパリ・サロンで正式発表となる
アルファの8Cコンペティツィオーネの写真が公開され、
ある程度以上に詳細な情報ももたらされたのだ。

……おおおおおっ!

2003年のフランクフルト・ショーのときから
それほど変わってないといえばそれほど変わってないけど、
変わってる部分はちゃんと変わっていて、
どっちにしても、どう見たってカッコイイじゃん!

まだまだ今夜は打ち合わせとかが続くので、
英文の資料を細かく読み込んでるゆとりがないのだが、
“市販される予定”のこのクルマについてざっと、
本当にざっと説明するならば、こんな感じになる。

『ボディはカーボン・ファイバー製』
『エンジンは4691ccのV8DOHCで
 最高出力は450HP/7000rpm、
 最大トルクは470Nm/4750rpm』
『トランスミッションは6速の2ペダル』
『駆動方式はトランスアクスルのFR』
『もちろん限定生産』

……あああああっ!

まだまだ情報は細かく出てるのだけど、
今夜はどうにも時間がない! くっそーっ!
でも、きっとホビダスオートのニュースの中でも
このクルマに関してはバシッと触れられることになるから、
とりあえずのところはそっちを楽しみにして欲しい。

興味のある人が多いだろうから、
ちょっと乱暴なレポートでゴメンネなんだけど……。
あ。時間だ。これにて失礼。いってきまーす!

そーだそーだ。
写真だけは忘れずにアップしておかなきゃね。
それにしても……カッコイイじゃん!

投稿者 T.Shimada : 20:53 | コメント (10) | トラックバック

2006年09月11日

約束どおり、プレゼント 第1弾


ティーポ10月号(208号)の158ページ、
『エンツォ・フェラーリのパープルを追って』の
最終回で告知しているとおり、
あの記事を最後まで読んだ下さった感謝の気持ちを込めて
誌面に登場した“貴重なモノ”を
約束どおりどなたかにプレゼントすることにしようと思う。

今回は『エンツォ・フェラーリの名刺』である。

これはマラネロでフェラーリ社に文房具を納入してる
古くからの文具店『オリヴィエーリ』の現在の当主、
ピエトロ・オリヴィエーリさんからいただいたもの。
エンツォが使っていたインクを特定するために
いろんな可能性を探っていると伝えたら、
「うちで納入していたのはニョッキ社のものだけど、
 これを持っていってそのインク職人さんに見せれば、
 ハッキリしたことが判るんじゃないか?」
という親切な言葉とともに手渡されたモノだ。

当のインク職人さんであるアレッシさんは、
「この名刺は、まるでクリスチャンにとっての
 聖遺物のようなもんなんだろうね」
といって、とっても大切に扱ってくれた。
刻まれているヴィオラ(=紫)の文字は、
もちろんエンツォ・フェラーリの直筆。
アレッシさんによれば、
間違いなくニョッキのインクの色だという。

これ、俺が役得で手元に持っているよりも
エンツォ・フェラーリを心から敬愛してる止まない人に
持っていてもらうべきだろうな……と考えたので、
貴重なモノであることを承知でプレゼントすることにした。
そういうわけで、俺の手元にも1枚しかないから、
たった1名の方にしか差し上げられない。

ただし、これを俺にくれたオリヴィエーリさんはじめ、
今回の旅で俺を応援してくださった皆さん、
取材に協力してくださった皆さんのお気持ちを考えると、
この名刺を転売するような方には
どうしても差し上げたくないなぁ……とも思う。
なので当選された方には、申し訳ないのだけど
誓約書のようなものを書いていただくことになる。
それでもいい、という方だけご応募いただきたい。

希望される方は、下記をハッキリと記した上で、
tipo@neko.co.jp
……までメイルにて応募してね。

1:名前+年齢
2:住所+連絡先電話番号
3:今回の『エンツォ・フェラーリのパープルを追って』
 の記事を読んで想った、考えたこと
4:今後、ねちっこーく掘り下げた記事を読みたい
 人物または史実(といわれていること)/国を問わず
5:エンツォ・フェラーリに対する想い

締切は、そうだなぁ……今週の金曜日、
15日の金曜日、23時59分の到着までにしよう。
当選者の発表は、そうだなぁ……来週の金曜日。
皆さんが書いてくれたモノを、
ひとつひとつていねいに読ませていただきたいから、
22日の金曜日の夜中にココで。
もちろん想いの強い人に差し上げたいとは思うけど、
文の上手・下手とかは全く関係なく
ちゃんと書いてくださった方には等しく
当選のチャンスはあると思ってもらっていい。
ちなみにプライバシーポリシーに関しては
このホビダスに準ずるので、どうか御安心を。

たくさんの人の応募を待ってるからね。
よろしくよろしく。

ちなみに、もうひとつのプレゼントは
次の月曜日辺りに……の予定。



投稿者 T.Shimada : 21:57 | コメント (5)

2006年09月08日

山ちゃんに……またやられた……


ティーポの初代編集長だった“山ちゃん”こと
山崎憲治さんの本が発売となった。
実は何日か前から書店に並んではいたのだけど、
仕事の合間にちょろちょろ読み進めて、
さっきようやく読了したのだ。

新・ニッポンの外車生活

山ちゃんの作家活動再開後の最初の本のタイトルである。
このタイトルに「おおっ?」と反応した人は、
1980年代の何ともいえないワクワク感が
街のあらゆる場所に漂っていた、あの時代を知ってる人。
バブルの景気がゴンゴンと膨らんできて、
急激な円高の影響でそれまで高値の華だった輸入車が
身近な存在になってきて、もしかして俺にも……と、
夢だった世界を現実感のある興奮に置き換えて
ニヤニヤした経験があるクルマ好きであるに違いない。

1986年の『ニッポンの外車生活』。
1987年の『ニッポンの外車生活 その2』。
1989年の『ふたりのクーペ』。

山ちゃんがその頃に書きまくったクルマ絡みの短編小説は、
クルマ好き達の間で大きな話題となったものだった。
手が届きそうなところまで降りてきた輸入車達と
その周辺にいる男と女が繰り広げるストーリーの数々は、
まんま自分の姿が投影された
等身大モデルみたいに感じられたものだった。
むふふ……と笑いたくなったり、シュン……としょげたり。
主人公と一体になって怒ったり悩んだり、
あるいは顔から火が出るような想いをしたり。
心のどこかにある何かをキュッと鷲づかみにされて、
俺達は山ちゃんがさらさらとしたタッチで描いた物語を、
軽快なタップダンスを見るかのような思いで
ワクワクしながら読んだものだった。

今回の本は、今となってはもう手に入れることのできない
それらの短編集の中からとりわけ印象的な話を抜き出して、
大幅に加筆・修正を加えたベスト版ともいえる作品。
あの頃を知る人にとっては甘くホロ苦く懐かしい、
そしてその頃を知らない人にとっては
時代の紙芝居を見るかのように新鮮な、そんな1冊だ。

だが、それだけで終わってるわけじゃない。
山ちゃんはそれらに加えて21世紀に入ってからの
今の“等身大モデル”なストーリーと、
20年ほど前の物語のいくつかの続編を紡いでいる。
昔と全く変わらない、温かな目線で──。

で、読み終わった後の感想はどうかといえば、
何ていうか……いや、もちろんおもしろかった。
ときにクスッと笑っちゃったり
ときに胸がキュンとしたような気分になったり、
ああ、読んでよかったなぁ……と思ったのは確かだ。

……確かなんだけど、ちょっと悔やんでもいる。
だって最後の物語を読み終わってあれこれ考えてたら、
ちょっとばかり泣きたいような気分になっちゃったのだ。
20年前の自分と今の自分と──。
俺はどういうわけか「いつの間にこんなふうな
妙にスレたオヤジになっちまったんだろう……」と、
切なさのようなものを感じちゃったのである。

山ちゃんは16年もの長い間、俺の上司だった人だ。
天賦の才としかいいようのない閃きに驚かされ、
時代を見つめる眼差しの鋭さに呆気に取られ、
浪花節ベタベタな人情味に温められ、
信じられないほど阿呆な茶目っ気に脱力させられ、
でたらめとしか思えない理不尽さにやっつけられ……と、
いってみればそんな毎日だった。

「……こ……んの……くそじじい!」

予期せず「やられた!」と気づいた瞬間、
いったい何度、そんなふうに悪態をついたことか。
山ちゃんは俺達にとって、
嬉しいこともムカっ腹を立てたくなることも、
何であれ常に「……やってくれるよ」な人だったのだ。
そして今、ちょっとばかりニヤニヤしながら、
俺はまたしても同じ科白をクチにしてる。

「……こっっっっっんの……くそじじいっ!」

夜の空気がだいぶ涼しくなってきた。
そろそろ読書の秋、である。
この週末、ひょいっと本屋さんに足を運んで、
この本を手にとってみたらどうだろうか。
夏が終わってしまった寂しさにも似た気持ちを、
さらっとやわらげてもらえるはずだから。

投稿者 T.Shimada : 22:27 | コメント (9)

2006年09月07日

今シーズンが終わってもいないのに


モータースポーツ界も今年の折り返し地点を過ぎた。
今週末のイタリア・グランプリでは
ミハエル・シューマッハが引退を発表して
キミ・ライコネンが来季のフェラーリ入りを発表するとか
あるいはシューマッハ+ライコネンの最強コンビ誕生が
誕生するのでは? とかウワサが取り沙汰されていたり、
ルノーが残留するジャンカルロ・フィジケラの相棒として
レース・オブ・チャンピオンズで
シューマッハをもくだして優勝したこともある
ヘイキ・コバライネンを昇格させることを発表したりとか、
来シーズンへ向けて盛り上がりを見せている。
まだちっとも寒くなっていないというのに、
ストーブリーグの炎はぼーぼー燃えさかってるのだ。

だが、俺にとってのここのところ最大のニュースは、
来季WRCに復帰するシトロエン・スポールが
ダニエル・ソルドを起用すると発表したことだ。

今シーズンのWRCは、めちゃめちゃ面白くなってきた。
クロノス・シトロエンのセバスチャン・ローブの
圧巻ともいえる速さにはただただ感嘆するばかりだが、
マニファクチャラーではフォード・ワークスが
逆転制覇しそうな勢いで追い上げてきてるし、
どういうわけかスピードにのれないマシンを必死に駆って
トップ争いに復帰しようともがく
スバルのペター・ソルベルグの奮闘ぶりも感動的だ。
トシ新井がWRCラリー・ジャパンで
充分世界の頂点でも通用することを証明したのも
素晴らしいニュースだった。
ラリーの世界はなんとなーく地味に思えるけれど、
実は素晴らしいドラマに満ち溢れているのだ。

ところがドライバーの速さに注目してみると、
セバスチャン・ローブとマーカス・グロンホルムが
ふたりして頭ひとつ飛び抜けた感じで接戦を繰り広げ、
フォードのミッコ・ヒルボネンも
スバル時代とは比較にならないほど速くなってきたが、
かつての王者ペター・ソルベルグは
いまだ失速のラビリンスからは抜け出せず、
そういう意味では危うく役者不足になるところだった。

それを救ってくれてるのが、
ドイツ戦からクロノス・シトロエンのクサラを駆って
マニファクチャラー・ポイントの得点資格を得た、
ほとんどWRCルーキーに近い若手である
ダニエル・ソルドの存在だ。
彼は現在、ローブ、グロンホルムに続く
ドライバーズ・ポイント3位のポジションにいるのだ。

彼はスペイン出身の23歳。
2005シーズンにはJWRCをクロノス・チームの
シトロエンC2で制し、今シーズンは
同じくクロノスから昨年型のクサラWRカーで
WRCにスポット参戦をしていたわけだが、
出場するたびほとんどポイントを獲得するという
ちょっと普通とはいえない思えない速さを見せ、
ドイツ戦からはクロノスのセカンド・カーを駆る
ドライバーに昇進、そのドイツ戦では
昨年型とはかなり異なる最新型のクサラに
初めて乗ったというのにローブに継ぐ2位を獲得し、
多くの人を驚かせたのだった。

WRCのSSを一度でもナマで観たことのある人なら
誰でも知っていることだけど、
クローズドのサーキットとは異なる普通の道を
信じられないようなスピードで駆け抜ける
WRCドライバーは、みんな超人である。
並の感覚ではスロットルを踏めないような場所で、
彼らはタイヤ半分、石コロひとつで
あっさりとあの世に旅立っていけるステージを
神業とも思えるようなドライビングでクリアしていく。
ラリーのトップ・カテゴリーを走るような連中は、
揃いも揃って第一級中の第一級なのだ。
その中で誰もが驚くような走りを見せるのは、
並大抵のことではない。

今季のダニエル・ソルドは、それをやってのけている。
まるでセバスチャン・ローブの
WRCデビューの当時を見ているかのようだ。
そのローブもソルドのことをすっかり認めていて、
彼が注目すべき速さを持ったドライバーであり
次第に自分を脅かす存在になるだろう
というような発言をしているほどだ。

そのセバスチャン・ローブとダニエル・ソルドが、
来季は同じシトロエン・ワークスで
現在開発中のC4WRCを駆ることになるわけだ。

フォードはフォーカスをさらに熟成させて、
もっと強力な存在になってそれを迎え撃つだろう。
スバルだって今シーズンまでの
異常とも思える不調ぶりを覆して出直すはずだ。
WRCの来シーズンが、今から楽しみでしょうがない。

……っと、まだ今シーズンが終わってないんだった。
今シーズンも、これからがますます面白くなるところ。
次号のティーポ“ラリー特集”では、
その辺りもキッチリと展開していくつもりだから、
ラリーに興味もある人も、全く知らない人も、
どうか楽しみにしていてね。

投稿者 T.Shimada : 05:24 | コメント (12)

2006年09月04日

ボツ原稿の謎


あと1日半もすれば全国に本屋さんに
新しいティーポが並ぶことになる。
今回はひさびさの“スーパーカー”特集。
できあがった本を開いてみたらそれなりにオモシロイので、
皆さんもまずは本屋さんにいったら
どうか立ち読みでもしてみてくださいな。

俺は新しい本ができあがってくると、
愛機PowerBookに保存しているその号の仕事の痕跡を
ひとつひとつ確認しながら、
外付けハードディスクに保存し直したり捨てたりと、
整理することにしている。
いってみれば自分に区切りをつけるための、
禊ぎのようなもんだ。

さっきまでその作業をしていてほぼ終了したのだが、
ひとつだけ、どうにも不可解なファイルが残ってる。

コレは最終回を迎えることになった
『エンツォのパープルを追って』のために打ち込んだ、
ジオット・ビッザリーニさんの言葉だったはず。

俺は勢いに任せてちゃかぽことキーボードを叩き続け、
そこから削りながら原稿を仕上げていくタイプなのだけど、
ココは最終的に行数の関係で割愛をした部分。

延々と原稿を書き続け、頭はボ〜ッとして、
指も滑らかに動かず、ミス・タイピングを繰り返す。
もしかしたら半分以上眠ってる状態にあるのかもしれない。
そういう空白に近い時間というのが毎月あって、
削りの作業に入る前の原稿にはこういう箇所も少なくない。
こうして2回も3回も続けてミスをしても、
どうせ後で削るのだから……と放っておくわけだ。

どうしてこの部分だけが削られず別に残っていたのかは
わがことながらちっとも覚えてないのだけど、
あまりにもあんまりだったから無意識に保存したのかも。
だが俺は、この保存しちゃったファイルを、
後でいったいどう活用するつもりだったのだろう……。

『エンツォ・フェラーリとつきあうには、
 彼と同じように真摯な態度でいなきゃならないんだ。
 牛を……臼を……ウドを……
 嘘をついちゃいけないんだ』

……うーむ。
まったくもって謎である。

そういうわけなので、昨日もお伝えしたことだけど、
こっちのほうもヨロシクね。
一緒に祭の御輿をかつごうよ。



投稿者 T.Shimada : 18:22 | コメント (17)

2006年09月03日

一緒に『今年の1台』、決めない?


来年の話じゃないから鬼は笑ったりしないと思うが、
年末が近くなってくると、このギョーカイの人間どもや
クルマ好き達の間で必ず話題になる催しってのがある。

この日本にもいくつかが存在している、
いわゆる“カー・オブ・ザ・イヤー”ってヤツだ。

話題のうちのおおよそ半分くらいは
「今年は何が受賞するんだべか?」ってことだが、
もう半分はちょっと辛辣っぽかったりもした。
深夜のファミリーレストランの隣のテーブルから
こんな声が聞こえてきたこともあった。

「俺達には関係ねーよ。だってさぁ、
 選ぶのは俺達じゃないし、専門家だけが集まって
 勝手に選んで“コレです”っていわれもなぁ……」

まぁそこまでいうこともないとは思うが、
反面、その気持ちも理解できないわけでもなかった。
だってさぁ、やっぱクルマ好きを自負するものとして、
「俺はコレに1票だっ!」って投票したいもんねぇ。

この9月1日からスタートした
新しい“カー・オブ・ザ・イヤー”は、
そうしたクルマ好きの小さな夢を叶えてくれるモノだ。

その名も『あなたが選ぶ カー・オブ・ザ・イヤー』。

そう、「あなたが……」ってことは、
俺達みんなが選ぶカー・オブ・ザ・イヤーなのである。

詳しいことはオフィシャル・ホームページへアクセスして
じっくりと詳細を確認して欲しいのだが、
要するにコレはクルマ好きの老若男女、誰もが
会員登録(もちろん無料)さえ済ませておけば
インターネットを通じて平等に投票することができて、
その総数で「今年の1台」が決定するっていうもの。
従来の他のカー・オブ・ザ・イヤーとどう違うかといえば、
簡単にまとめるとこんな感じになるだろう。

1:クルマに興味を持つ人なら老若男女、
 誰だって投票することできる。
 →つまり、あなたが選考委員!
2:みんなの投票で決まるわけだから、
 より自分達のニーズに近いクルマが結果として選ばれる。
 →つまり、クルマを買うときの参考になる!
3:偉い人でもクルマのプロでも、1票は1票。
 →つまり、誰もが公平・納得の選定レギュレーション!
4:選考委員募集の窓口になる加盟媒体は、
 自動車関係だけに限らず多岐にわたってる。
 →つまり、結果は妙にマニアックに偏ったりしない
 社会性の高いモノに!
5:軽く数十万人の投票があるわけだから、
 誰にも票の動向をリードすることができない。
 →つまり、結果にはこれっぽっちも嘘はない!
6:インターネットとメールマガジンで、
 クルマその他の最新情報をいつでも手に入れられる。
 →つまり、クルマ好きには特にお役立ちで楽しい!
7:投票対象となるカテゴリー分けをしっかりハッキリ。
 →つまり、誰でも判る単純明快なイヤー・カー選び!
8:カテゴリー分けは“通”好みや
 “玄人”好みのモノだけに限らない。
 →つまり、どのカテゴリーも等しく大切に考える姿勢!
9:エントリー車種を1カ所に集めた
 誰でも参加できるリアル・イベントを開催。
 →つまり、誰もがクルマをしっかり見てから投票できる!
10:投票した人には総額数千万円の
 豪華賞品が当たるチャンスがある。
 →つまりヒトツブで二度オイシイ!

……ほら、ちょっとオモシロイでしょ?
まるでコレは日本中のクルマ好きを巻き込んで開催する、
規模の大きなクルマ好きのためのお祭りなのだ。

ティーポがお祭り好きなのは、みんな知ってるよね?
そういうわけなので運営団体にも加盟した。
写真は1日の記者発表会の模様。
各自動車メーカーやインポーターの広報さんはもちろん、
テレビや新聞などのプレスもたくさん見えていて
盛況だった。

もちろんスタッフ全員しっかりと登録を済ませてる。
そもそも登録したら、楽しいことはありそうだけど、
それで失うモノなんて何ひとつないわけだしね。

せっかくなので最新のティーポが書店に並ぶ前に、
ここでいちはやく皆さんに教えちゃおうと思ったのだ。

はい、ここまで読んだ人、
ここに飛んでいってパッパと登録を済ませて、
俺達と一緒にどのクルマに1票を投じようかと
ワクワクした気分を楽しもうな。

俺はねぇ、まだ全部じゃないけど、
頭の中ではだいたい決めつつあったりする。
だけど、まだ秘密。教えてあげない。
だって明日になったら変わるかもしれないんだから。

んっふっふっ。こういうのって楽しいよねぇ。

投稿者 T.Shimada : 18:29 | コメント (6)



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