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2006年10月

2006年10月20日

すすきとナイアガラ


お茶っぴき、である。
いや、違った。
風邪っぴき、である。

ずいぶん前に似たような内容を「岡っぴき、である」で
書きはじめたことがあるような気もしないではないが、
いずれにしても、ちっともおもしろくない。
さえないねぇ、さすがに。わはははは。

実は9日に帰国してからこっち、
延々と風邪をひきっぱなしなのだった。

咳はではじめると速射砲のようだし
痰の絡み方といえばスライムのようだし
鼻水はときどき鉄砲魚のようだし、
おおよそ思いつく風邪の症状は総ナメの状態。

もちろん、ちゃんと発熱だってしてる。
平熱より1〜1.5度ほど高い辺りを行ったり来たり。
たいしたことないっていえばたいしたことないのだが、
だからこそタチが悪いともいえる。
これまでに2度ほど病院に行って薬ももらって
マジメに飲んでるからってこともあるのだろうが、
倒れ込むほど酷くはならないのである。

目が覚める。前の晩よりも調子がいいように思えるから、
今日は大丈夫かも……と仕事に出る。
1〜2時間後にそれが錯覚だったと気づくのだが、
結局ダラダラと能率の上がらない状態でしばらく過ごす。
こりゃダメだ……と悟って、早めに自宅へ戻る。
翌朝、目が覚める。前の晩よりもだいぶいいように思えて
……という繰り返しなのだ。

さらに困ったことに、毎日、電池が切れるのが異様に早い。
体力が落ちてるからっていうのもあるのだろうが、
ありえないことに19時に自宅に帰る暴挙に出て、
この“随筆”をちゃかぽこやろうと机に向かっても
21時にはグッタリとして横になっちゃったりする。
で、そのままコトリと眠りに落ちるのだ。
そりゃもうオモシロイほど呆気なく。

眠りといえば、マジメに飲んでる薬もそう。
相性がいいのか悪いのか、恐ろしく眠くなる。
食後に5種類を定められた分だけ飲むと、
ちょうど1時間経った辺りでコトリと眠りに落ちる。
仕事場だろうが移動中のクルマの助手席だろうが、
ものの見事にコトリと落ちる。これまたオモシロイほどに。
これじゃ迂闊にクルマを運転するわけにはいかない。

なら休めばいーじゃん! が正解なのだけど、
毎日ひとつは外したくない案件があって、
しかも日中は、ダルさと薬による眠気以外には
それほど「ああ、つらい……」とは感じられないのだ。

使命感に燃えるがゆえ不調を押して仕事に立ち向かう、
というのだったらまだカッコイイのだが、
俺の場合はただただ流されてるようなもの。
自分が悪いといえばそのとーりなのだが、
それにしても良くも悪くもならないなんて、
何とまぁタチの悪い風邪──。

だが、人間とは強い生き物であり、
そういう状態にあっても美しいモノには感動できる。
写真はつい2日ほど前に特集の取材にでかけたとき、
メットが運転してくれてるムルティプラの窓から撮った
箱根は仙石原の光景である。
すすきの穂がプラチナ色に反射しながら風にそよぎ、
呆気に取られるくらいに綺麗だった。
しかもそのキラキラは微妙なグラデーションを描きながら、
遙か向こうの方まで延々と続いているのだ。
ダメなところも山ほどある日本だけど、
この国に生まれてよかったと心から思える瞬間だった。

秋は日増しに深くなっていく。
野山の美しさも、日々装いを変えていく。
風邪をひきやすい季節である。
どうか皆さんも御自愛あれ。

あ。やばい。ティッシュはどこにいった?
今度は鼻水がナイアガラの滝みたい……。

投稿者 T.Shimada : 02:28 | コメント (14) | トラックバック

2006年10月07日

難民──


今、パリにいる。
というか、パリに戻ってきた。

先月号の締切をクリアするのがやっとだったから
皆さんには知らせるゆとりもなかったのだけど、
26日の夜に飛んで以来、ずっと海外にいるのだ。

その目的は、まずはパリ・サロンに繰り出して
アルファ・ロメオの8Cコンペティツィオーネを
ジックリと観察してくること。
それが終わってからイタリアはモデナに渡って、
これまでとはちょっと毛色の違う
現地取材をゴソッと敢行してくること。
そして某社に立ち寄ってお願い事をしてくること。
さらにはパリに戻って色々と捜し物をしてくること。

せっかくなので最初にパリに到着した日から
ここもチョロチョロと何かしらアップしようと
愛機PowerBookを持ってきて、
アルファ8Cコンペティツィオーネについては
世界一速い速報でも展開しようか、
なぁーんて考えていたのだけど……甘かった。

パリは比較的ホテルのロビーなどLAN環境が整っていて、
いつもの5区の宿も当然オッケだったはずなのに
どういうわけか今回は何度やっても上手くつながらず、
そこから徒歩3分の無料で無線LANにアクセスできる
とっても便利なカフェも故障中でダメ。
ならばケータイからもアップできるフォームになってる
と聞いていたからそっちから……と思ったのだが、
これも何度トライしても最後の最後でつっかかってダメ。
モデナに渡ったら渡ったで、
わざわざ部屋に無線LANが通ってるところを予約したのに、
エラーが頻発してまったくどうにもならない。
ケータイもローミングのキャリアの問題なのか、
ブログのアップどころの騒ぎじゃなくて、
リモート操作でパソコン用メイルの送受信ができるように
セッティングしてあるのにアクセスすらできない。

フロントのおっさんに頼んでPCを貸してもらったものの
嫌いなウインドウズであるばかりか日本語環境もなく、
仕方なく編集部に英語でメイルをしたら
“英文じゃなくローマ字使って日本語で書いて”と来た。
中学生以下レベルの英文をたった10行作るのに
30分もかかっちゃう俺も俺だが、
ローマ字で書けとリクエストしてくるスタッフもスタッフ。
どっちもどっち。馬鹿の大安売りである。

文明社会ってのは進めば進むほど
それが「ある」こと「使える」ことを前提にしがちだから、
いざ「ない」「使えない」となると、
ワケもなく不安な気分になっちゃうから始末に追えない。

そんなわけで俺は、このヨーロッパ出張期間中、
モノの見事に心細きネット難民なのだった。
ついさっきまで、だけどね。

というのも、再び元の宿に戻ったわけだから、
“どーせダメだろ”と思いながら試してみたのだけど、
今度はどういうワケかスパッとストレートにつながった。
訊ねてみると、理由は判らないけれど
フランスでは普通によくあることなのだそうだ。

ならば今のうち! とばかりにアップしたのは、
夜のサン・ミッシェル近くに路上駐車してる
ボート・テールのベントレー。
もちろんコンペティション・モデルである。
これが普通に路駐してたのだ。しかも二重駐車。
ビックリしちゃうでしょ?
俺だってビックリしちゃった。

実はこの界隈のとある場所に、
フランスの英国車好きが週末や夜中に集まる
英国車好きが経営するレストランがあって、
ときどき旧いジャガーやMG、トラなんて顔ぶれを
見ることができるのだった。
この日もコイツの後ろにはTミジェット2台と
XK120、DB7が停まってた。
だけど、それすらどうってことないように思わせる、
こんな凄まじいマシンの路駐はさすがに初めてである。
思いっきり感動したので、とりあえず──。

あと30時間とちょっとしたら、
パリを飛び立って日本に戻ることになるわけだが、
帰ったら今回の旅の報告その他、
ここでチョロチョロとするつもりなので待っててちょーだい。

いや……あのね……だからさぁ……頼むから、
「今のうちに鎖国する」とか冷たいこといわないで……。

投稿者 T.Shimada : 08:41 | コメント (15) | トラックバック



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