2008年11月18日

プロフェッショナル・ドライバーの謎

昨日は、多くの皆さんがもうとっくに御存知であるとおり、
あなたが選ぶ カー・オブ・ザ・イヤー』の結果発表の日だった。

当初、俺は昨日の午前11時からの表彰式に出席して、
そこで発表された結果を速攻でアップしようと考えてたのだが、
外せない取材が入って朝から箱根に出掛けていたため、
日が落ちてしばらく経って東京に戻ってくるまで結果を知らず、
ようやく自宅に戻ってあれやこれやを片付けて
やっとこすっとここの『随筆』を書き始められると思ってたら、
ソファに座って膝の上に Mac を抱えた状態のまま目が覚めた。

結果はもうあちこちのブログにだって出ちゃってるし、
もちろん『あなたが選ぶ カー・オブ・ザ・イヤー』の公式 HP でも
当たり前のことだけどアップされている。

俺は完全に乗り遅れたわけだ。

……くっそー。
楽しみにしてたのに。ヌケガケ発表。

流行っちゃってからそれを買ったりするのが嫌なのと同じように、
俺はこうした場合、乗り遅れちゃったらまず乗らない。
ヘソ曲がりなのかも知れないし、天の邪鬼なのかも知れないが、
ゴヨーショーのミギリよりそういうところがあったらしい。

で、そのヘソがスカッと曲がった男が昨日、
いったい何をやっていたのかといえば、
PDK システムを搭載した新しいポルシェ911=997 に乗っていた、
というこっちはこっちでめちゃめちゃ楽しい仕事だった。

とはいえ、上の写真を見てもらうと解ると思うのだけど、
それは俺が試乗記を書くための取材じゃなかった。
向かって一番左で一番目立つ巨大な生き物は佐藤正勝カメラマン、
通称まさかっちゃんで、その厄介系は横に置いとくとして、
左から自動車ヒョーロクダマ……じゃなくて評論家の河口まなぶ君、
レーシング・ドライバーの新田守男選手と高木真一選手、
それに今のティーポにも御登場いただいている、
apr というレーシング・チームの代表兼監督にして
レーシングカーの設計者でもある、金曽裕人さんの4人。
彼らに新しいポルシェ911=997 に乗ってもらって、
マジメに評価してもらおうという魂胆だったのだ。

新田選手は GT300、スーパー耐久、
ジャパン・ル・マン・チャレンジの3つのカテゴリーで、
ポルシェ911=993 / 996 を駆ってのチャンピオン経験を持つ男、
高木選手はジャパン・ル・マン・チャレンジとスーパー耐久に加え、
ポルシェ・カレラ・カップのやはり3つのカテゴリーで、
ポルシェ911=996 でのチャンピオン経験を持つ男、
そして金曽さんはレーシングカーを設計・開発するという
“クルマを速く走らせる”“クルマを効率よく走らせる”ことの
エキスパートであると同時に 964 / 993 / 996 を
日常的に転がしてきている無類のクルマ好き、
さらに市販車として手の及ばない部分をツメにツメた
ポルシェ用のパーツ類の開発までしてたりもする。
まなぶ君は2台の 911=996 を所有した経験があり、
すでに海外試乗会で新型 997 のステアリングを握っている。

超豪華メンバー、新しいポルシェ911=997 を評価するのに、
これほど相応しい組み合わせはない。無敵といえるだろう。

評価がどんな具合だったかは次のティーポを待ってもらうとして、
ここでは昨日のプチ・トピックを少々。

まず、新田選手、高木選手のドライビングが、
やっぱり途方もなく綺麗だったこと。
いやー、そりゃもう端で見てるだけで惚れ惚れするくらいだった。
スムーズで角も無駄もどこにもなくてシャープで速くて、
それでいてめちゃめちゃセーフティ。
プロ中のプロの技というのを、久しぶりに見せてもらった。
以前、俺がサーキットによく出入りしていた頃には
ふたりとも“レースも巧みなコメディアン”と思わせるほど
天然ボケしてる印象が強かったのだけど、
ほんと、いやー、改めて感服させられた。すげーよ、ふたりとも。

で、もうひとつは、新田選手がクルマの試乗を終えたときのことだ。
下の写真がそのときのカットなのだけど、
みんな満面の笑みを浮かべてるように見えるでしょ?

これは新田選手が「うわ。すごい。ほんと、すごいよ」と
やたらめったら繰り返しているシーンなのだけど、
彼が何に感激してたのかというと……。

「ほんと、すごいよねぇ。最近のクルマってほんとにすごい。
 ストップ・ウォッチが備わってるなんてねぇ」

あんたはいったいいつの時代の人なんだ? 
そもそも感激するところが違うだろ、っつーの。

「実は最初からこの真ん中の時計みたいなのは
 たぶんストップ・ウォッチなんじゃないか、
 って思ってたんだよねぇ。いや、ほんと。ウソじゃないってば。
 でもさ、じゃどこで操作するんだろうって走りながら考えてて。
 これはサーキットを走るときとかに使うんだろうから、
 だったらドライバー本人が操作するわけだし、
 そんなに使い方が複雑なはずないだろうって思って、
 ダッシュボードにあるいろんなスイッチを押してみたんだけど
 ちっとも動かない。それじゃ、これはもしかして
 一番手が届きやすくて操作も簡単なところだ、絶対!
 と思ってハンドルの真ん中を押してみたら、
 プーッ! ってホーンが鳴っちゃった。どうやって動かすの?」

わざとボケてるのかと思ったら、実は本人は大マジメだったのだ。
さっきホメた分、返してくれ。

こういう男がなぜあんな素晴らしい走りをすることができるのか。
なぜ様々なカテゴリーのチャンピオンを獲ることができるのか。

世界は謎に満ちている。

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コメント (8)

Tipoの嶋田でーす!:

car10さま。
どもども。ゴブサタさんです。
新田くんも真ちゃんも、相変わらず元気で相変わらずお笑い系です。
「観客を置いてけボリにして、事は予定通りに進んでいく」
なるほど。でも、せめてお客さんには何も悟らせないように、
事を予定通りに進ませて欲しいものですね。

いち殿。
今年はスポーツカーが少なかったので、それだけ見ても、
華やかさに欠ける感じがしてきますねー。
でも、おそらく来年は賑やかになりますよ。
アルファからはミトが出てくるし、フィアットからは
チンクのアバルトもグラプン・アバルトも来るだろうし、
エコの分野だって新型プリウスにインサイトに……とね。
実は今から楽しみで楽しみで(^^)

いち:

セダンだけ違っていました(C5選びました)。

ちょっと華がない今年でしたね。

car10:

お疲れ様です。
相変わらずの新田、高木コンビが元気なようで嬉しいです。
最終戦ではレンタ返却の為、お会い出来なかったんですよね。
ま、それでなくても昔のようにお話しするのは至難の業なんですが。。。。。
観客を置いてけボリにして、事は予定通りに進んでいくのです。

>いちさん
最終戦来てたんならテント寄ってくれれば良かったのに。
金色55番。(笑)

Tipoの嶋田でーす!:

変態ブラザーズ弟殿。
CCC の場合はすべて一般の皆さんの投票によって決まるので、
作為的な何か、みたいなもんはまずできないんですよぉ。
ネット投票によるコンピューター集計だから、
集計データは即座に蓄積されていってゴマカシも効かないし。
それにレギュレーション上は規定の期間内に“発表”されていれば
ノミネートも受賞も可能ということになってるし……。
俺達プレスは報道目的の試乗をしているのだけど、
実際のところ iQ の世間での注目度はビックリするくらい高く、
ポンと置いておくと自然に人垣ができるってのを実感してるので、
それが数字に出たのかなぁ……と素直に思ってます。
ところで新田君はウケを狙ってどうこうするタイプじゃなくて、
自覚なしの“天然”君なんだと思います。
おそらくウケを狙おうとしたら滑るタイプ。いいヤツなんです。

くるきっつぁん。
俺も“一個人”としては、“これから先も”っていうと悔しいから
“しばらくの間は”っていっておくけれど、
まぁポルシェを手に入れられることはなさそうです。
が、スイッチを探すようなことはすることはあっても。
プーッ! とホーンを鳴らすようなことはしないと思います。

ヨネルトくん。
俺もチンクエチェントがひとつでも賞をとれたことに安心してます。
俺達があのクルマに感じた“パワー”みたいなものは、
ちゃんと広く伝わってるんだなぁってことが判ったもので。
自然に笑顔にさせてくれるクルマって、
やっぱりそうそうあるもんじゃないですからねぇ。

マリコさま。
いやいや、あの取材そのものはとってもとっても楽しかったんで、
あんまり疲れたりはしてなかったですねぇ。
ただ、当日は“夜の生き物”のくせに早起きしちゃったので、
それで眠くなってソファでつぶれちゃったんだと思います。
まぁ……よくあることなんです。年寄りだから。

マリコ:

お疲れ様です☆

「カーオブザイヤー」について、
教えてくださりありがとうございました(^o^)

日曜にクルマ大好きの弟サンがいたので

私「お姉ちゃんはカーオブザイヤーに投票したんだよ」
弟サン「どんな車があるの?」
私「トヨタとかマツダとか・・・」
弟サン「車種は?」
私「トヨタとかマツダとか・・・」

・・・という会話があり、
弟サンにも投票してもらいました(^o^)

私は大賞はトヨタのカローラでない車
(結果3位くらいの・・・)
で弟サンは三菱のパジェロにしたのですが・・・

予想はしていたのですが、
圧倒的にトヨタのアレでしたね☆

嶋田さんはまたまた大変でしたね・・・
お疲れ様です☆

チンクが無事に入ったみたいですね!
よかったです♪

良い車は自然と笑顔になるんですねー!!

くるきち:

ポルショにはこれまでも、これから先も縁がない私が触っても同じ反応をすると思います。

変態ブラザーズ弟:

今年のCCCには、出来レースっぽい何かを感じざるを得ません。
大賞を取ったiQ、実はまだ販売されていないようですし。
それでノミネートはおかしな話だと思います。
それ以外にもトヨタは未発売車種のノミネートがまだありますし。
本来の趣旨を最大手のエゴでねじ曲げてごり押しを押し通すやり方は如何なものかと。


それにしても新田さんはコメディアンに鞍替えしても通用しそうな感じですね。


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