昨日は仕事場での仕事がスタートして2日目という
落ち着きなくバタバタしてるはずの日だったにも関わらず、
俺は夕方辺りからは何ひとつ仕事らしい仕事をしないで過ごした。
しかも20時頃になった辺りで仕事場を飛び出して、
都立大学の駅近くにあって行きつけみたいにしてる
綺麗とはいえないが何を食べてもハズレなく美味い中華屋さんで、
喰らうだけ喰らって呑むだけ呑んだ。
それこそ自分が掃除機か水道管にでもなったかと思ったほどに。
……うーむ。我ながら男らしい。メタボ万歳!
ティーポ関係者の DB のみで構成され、
ときおり誌面に登場しては世間の皆さんに呆れられている
“チームとんかつ” のメンバーになりたいから、
というのが暴飲暴食の理由なワケではない。絶対に。断じて。
そもそも俺は少し大袈裟に表現するとしても
“ややぽっちゃり型” であるに過ぎず、
どんなに喰って喰って呑んで呑みまくって努力をしても、
あの DB としてのエリートである彼らの仲間入りはできない。
……ん? “DB” の意味を知らないの?
でぶ、である。でぶ。でぶ。
いやいやいやいや、DB 話はともかくとして、
いったい何ゆえそんなことをしていたのかというと、
2008年のパリ・サロンで間違いなく世界中の話題の中心となった
山本卓身さんがフランスから帰国していて、
遊びに来てくれたからだ。
そう、ティーポをジックリ読んでくれている人は判ってると思うが、
シトロエンのデザイナーである彼は、
このクルマのデザインをした人物なのだった。
彼がスタイリングだけじゃなくてプロジェクトそのものも
まるっきりのゼロから創造し、
それを現実のモノとした『 GT by CITROEN 』。
パリ・サロンの現場では、フェラーリやランボなどに在籍する
プロの自動車デザイナー達の訪問を受けて喝采され、
日頃はコキ下ろすことこそ正義だと思ってるジャーナリスト達から
賞賛以外の言葉を綺麗さっぱり奪い去り、
ショーを訪れた山ほどの子供達の憧れの眼差しを
ボディに穴が開かなかったのが不思議なくらい強烈に集めまくった。
しかも、ただのハリボテで終わらせたわけじゃなく、
ショーの後に実際に走らせた、
というのは今号のティーポでのレポートのとおり。
俺はあまりにもあんまりな状況だったからパリ・サロンには行けず、
まだこの目で彼の作品を見ることも適わなければ
電話でちょろっと話した以外の四方山話も聞くことができておらず、
彼がわざわざ来てくれて、話を聞かせてもらった格好だ。
全体の流れとしては、大まかなところでは
ティーポでの南陽一浩くんの2回のレポートのとおりなのだけど、
ディテールを聞けば聞くほど鳥肌が立ってくる。
彼は実に飄々と、何てことなかったみたいに話すのだけど、
多少なりとも自動車メーカーというモノの内側を知る身としては
彼の成し遂げたことがどれほど凄いことなのかはよーく解るし、
ここに至るまでにどれほどの困難が
どんなレベルで立ちはだかってるかも想像がつくけれど、
実際のところは俺の想像なんて遙かに越えていたのだと思った。
彼はあくまでも飄々と、「楽しかった」「気持ちよかった」
というふうにしかクチにはしなかったのだけど。
途中からは山本キョクチョーも加わって、
3人で喰って呑んで語りに語り合っておよそ7時間。
とても書ききれないほどあっちに飛んでこっちに飛んで、
結局のところはクルマとヒトの話に戻って、
それでもまるで話したりないくらいだったのだけど、
おそらく読者の皆さんにとっての最も興味深い話は何かといえば、
それはこの『 GT by CITROEN 』が、今、ものすごーく真剣に、
何らかのカタチでの市販が検討されている、ということだろう。
コイツは凄いニュースだ。……でしょ?
でも、俺にとっての最も大きかったことは、
例えばそれがクルマの話ではなく “街” や “建物” や “人” や
あるいはちょっと大袈裟にいうなら “生き方” みたいなものも含め、
この人の “視点” ってオモシロイなぁ……って感じられたこと。
それがデザイナーという職業によるモノなのか、
彼のパーソナリティなのか……きっと両方だな。うん。
ともかく、あれこれ深く話し込んで改めて見えてきた、
彼の中にあるオモシロイところ。それに前から知ってる心の熱さ。
それはこういうもの! と上手く言葉に表せないのは悔しいけど、
今回のプロジェクトで世界の地面に上がった彼は、
きっともっと高いところに自然と登っていくのだろうな、と感じた。
「うあ? 卓身くん……頭……どうしちゃったの……?」
「ああ。日本に帰ってきて丸めちゃったんです。ツルッと」
「へぇー。どーして?」
「パリ・サロンが終わって、その後の取材攻勢とかも終わって、
この前クルマが走って……で、そういうのが全部終わったら
抜け殻みたいになっちゃって。落ちてたんですね。自分が。
次のプロジェクトにも身が入らなくて。……だから。
友達の家にバリカンがあったんで、ザーッと。スッキリしました」
彼は屈託なく笑いながら、きっと実は一番大変だった “困難” を、
そんなふうにサラッと話してくれた。
俺は自分より10歳近くも若い彼に、
会うたびにこうして何かを教えられている。
人生いつまで経っても勉強だなー、と酔いの回った頭で考えつつ、
いわゆる “負けてる” 感覚すらも
妙に心地よかった晩……いや、朝だった。






コメント (0)
兄やん、もうミニカーがあるんですか?
普通に欲しいかも。
次回の海外逃亡では是非。
プラモもあったら欲しいなぁ
投稿者: 変態ブラザーズ弟 | 2009年1月13日 19:43
日時: 2009年1月13日 19:43
変態ブラザーズ弟殿。
シトロエンはあくまでも量産車メーカーであって
スーパースポーツカー・ビジネスの難しさを知ってるから、
このGT by CITROENが
エンツォみたいにたくさんつくられることはないとは思うけど、
それでも市販をマジメに考えるって辺り、
独創的かつ前衛的なシトロエンらしいところですねぇ。
俺としては、早く実車を見たいなぁ……と。
car10さま。
だいじょーぶだいじょーぶ。
ヒクツなことにかけては誰にも負けない俺がいます。わはははは。
ヨネルトくん。
ちなみに、このクルマのミニカーは、もう存在するそうですよ。
ノレブが速攻で作ったそうなのだけど、
まだパリはシャンゼリゼにあるシトロエンのショールームでしか
手に入れることはできないそうなのです。
知ってたら買ってきたのにぃ。
特・名機某さま。
このクルマ、山本卓身氏に聞いたら何のスタディでも何でもなく、
ただただこのためだけにデザイン/製作されたんだそうな。
『グランツーリスモ5プロローグ』のソフトの中では
当初の設計どおりのパフォーマンスで走っているのだそうです。
くるきっつぁん。
別にスゴイ内容とかそーゆーのでも何でもなく、
ほとんどクルマ好きの飲み会みたいなもんでしたねぇ。
気が合う人と飲む時間ってのは楽しいもんなので、
気がついたらスゴイ時間になってたのは確かですけどね。
ちなみに表紙の撮影、マジで寒かったです。死ぬかと思った。
いち殿。
俺はちっとも DB などではなく、ただのプチぽっちゃり型なのです。
そこんところ、お間違えのないように
マリコさま。
ネンガジョーをどーもありがじょー。……って、ダメか(^^;)
今年は弟さんのエイトをぶんぶんと乗り回して楽しんでください。
AOP.サトウさま。
おっしゃっている内容の中でピッタリなことも
そうじゃないこともあったようですが、
それは俺がクチにしていいことではないと思うので黙っておきます。
が、山本卓身氏が尊敬に値する人物であるのは間違いないですね。
それだけは自身を持って、声を大にしてお伝えしたいですよ。
ちなみに『チームとんかつ』にコード・ナンバーをつける件、
アストン・マーティンにバレたらすっごく嫌がられそうなので、
あえて却下とさせていただきます。
なんだか……アストンの価値が思い切り下がる気がするし(-_-)
思わず笑っちゃいましたけど。
投稿者: Tipoの嶋田でーす! | 2009年1月13日 00:29
日時: 2009年1月13日 00:29
日本のメーカーじゃ絶対無理でしょうね、
なにしろスポーツカーでさえもゴルフバッグスペース
が基準になっている現状では、優秀なデザイナーさんが
海外に言ってしまうのも納得します。
特にシトロエンは、すでに50年代に宇宙船型のDSを作っておりますし、かなり自由に山本さんお仕事がすすめられたのでは?・・・と思います。しかし、量産メーカー、
かなり会社のトップとの激しいやりとりがあったと予想
されます。それに負けず理想を具体化できたとは、
感動、また、尊敬、脱帽いたします。
クルマの開発の現場にいる一人としても!
デザイナーは、ただ画を描けるだけじゃだめ、クルマ(その他も)その商品の機能を理解していなければ出来ない大変な
仕事です。・・・話は変わりますが、チームトンカツの名称
DBの下にメンバーの人数の数字いれてみては?
ア○トン・マー○ィンみたいでかっこいいかも?っていうか
昔の戦隊モノっぽいか?音楽ユニットかな?
プロデュースしましょうか?・・・なんちゃって
投稿者: AOP.サトウ | 2009年1月10日 13:30
日時: 2009年1月10日 13:30
お写真素敵です☆
お仕事いろいろお疲れ様です☆
嶋田さんに年賀状出したのです(^o^)
が!月曜日にお店に年賀状80枚追加してきました(泣)
今年もいろいろ予定が埋まりそうですが、
「目標・暇」で励みますよ(^o^)
今年は弟サンのエイトを私有化するぞお~(^o^)
投稿者: マリコ | 2009年1月10日 01:38
日時: 2009年1月10日 01:38
身体もDB、心も広々…嶋田変酋長の目標が決まりましたか(笑)。
器のでっかい人間になりたいなぁ。
投稿者: いち | 2009年1月 8日 20:54
日時: 2009年1月 8日 20:54
ならば、チームとんかつの名誉顧問に(オイオイ)。
そういや、正月間に食べ過ぎて、ちょっとメタボボディに戻りつつあるかも。
その飲み会、凄く来い内容だったんでしょうね。うらやましい。
P.S
Tipo2月号の表紙を見て、寒空の下、半袖でカニ目を走らせる嶋田さん、漢(オトコ)ですな。
投稿者: くるきち | 2009年1月 8日 20:22
日時: 2009年1月 8日 20:22
嶋兄ィ
"GT by CITROEN"ねぇシトロエンって名乗っているのであれば
足はやっぱハイドラクティブ・サスが付いているんだったら気持が良いんだろうけど
何となく次期"C4"のスタディってなカンジもするし
"グランツーリスモ"ソフトとどう絡んでいくかワタクシは
そこに注目したいなとホント最近は多くなりましたよね
日本人のデザイナーって以前は"オペル"でその腕を
ふるっていた児玉さんが有名だったんだけど元"ピニンファリーナ"の
"ケン奥山"さんとか"アウディ"の"和田智"さんと
思いついただけでもこんなに居るんだってすごいですね。
投稿者: 特・名機某 | 2009年1月 8日 18:44
日時: 2009年1月 8日 18:44
デザインといえば…ピニンファリーナが撤退でしたね…。
未来的で迫力のボディがいいです!ぜひ市販化…の前にミニカーを!
投稿者: ヨネルト | 2009年1月 8日 16:26
日時: 2009年1月 8日 16:26
こんな「おとな」?になりたい!!
現実は…、ヒクツだな。
う~ん、少々壊れ気味?!
投稿者: car10 | 2009年1月 8日 15:25
日時: 2009年1月 8日 15:25
最近は海外のメーカーで活躍する日本人デザイナーってよく出てきますよね?
この車がエンツォみたいに多く作られたらある意味すごいですね。
そのものでなくとも、小さいレプリカとかあったら欲しいです。
投稿者: 変態ブラザーズ弟 | 2009年1月 8日 07:36
日時: 2009年1月 8日 07:36