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March 28, 2007

クランクシャフトとケースの検証

前回は58Bug用に組もうと考えている36hpエンジンのクランクケースを細かくお見せしましたが、今回はそのクランクケースと長いこと温存しているオクラサ・ストローカー・クランクがどのような状態なのか。検証してみることにしましょう。

ようやく、私のケースとクランクが使用できるのかどうかハッキリします!

続きは↓をクリック!

ところでストローカークランクとは何でしょうか?
ストローが刺さったクルマという意味ではないですので念のため(寒~)。

ストローカーとはストロークから来ております。つまりエンジンの場合ですとピストンの上下運動の幅を意味します。ストローカークランクは純正のクランクシャフトに比べて長くとられているクランクシャフトのことを指すのですねー。

ノーマルの36hpエンジンの場合ですと、ピストンの幅は77mm。これに純正クランクシャフトを組み合わせると、ピストンが64mm上下にストロークするので、1気筒当たりの排気量は、、、、

直径=77mm
半径=77÷2=38.5mm
ストローク量=64mm

ですから、ピストン表面の面積は、、、

38.5mmの二乗X 3.14=4654.265㎟
となりますよね。

これにストローク量をかければ、1気筒当たりの排気量が、、、

4654.265 X 64 = 297872.96 ㎣ 
となりますよね。

297872.96 ㎣ = 297.87296㎤、つまり297.87296ccとなるわけで、
これが1気筒当たりの排気量となります。

空冷VWエンジンは4気筒ですから、
297.87296cc X 4 = 1191.49184 cc =約1192ccとなるわけですねー。

それがオクラクランクだと、

直径=77mm
半径=77÷2=38.5mm
ストローク量=69mm

ピストンはそのままですが、ストローク量が5mm増えることになるのです。
このストローク量5mmのエクストラ分、排気量が増えるわけですね!

実際排気量がどのようになるか計算してみると、

(38.5)の二乗X 3.14=4654.265㎟
となりますよね。これはノーマルと一緒ですが、

ストローク量が69mmで

4654.265 X 69 = 321144.285 ㎣ = 321.144285cc
となり、1気筒当たり30cc弱の排気量アップになります。

つまり総排気量は

321.144285cc X 4 = 1284.57714cc = 約1300cc近くまでアップすることになるのです!

なんだか数学の教科書みたいになってきましたが、オクラサ・ストローカークランクはスタンドエンジンの排気量をアップさせる魔法のクランクなワケですね。

私の所有しているストローカークランクは、当時アメリカでオクラサ・キットを販売していたEMPIが製作したもの。 

早速計測してみると、49.99mmと出ました! これが何を意味するかというと、スタンダードなのです。
新品のクランクシャフトは50mmで製作されていますから、49.99mmは誤差の範囲。つまり全く減っていないと言っていいコンディションなんですね! あとは、機械加工屋さんで歪みやバランスチェックをして問題ないことを祈るのみ。

ところでオクラサクランクはフライホイールと接続する面に使われるドエルピンが8本あります。ノーマルのクランクシャフトだとこれが4本しかありません。したがってオクラサクランクを組む際、フライホイールを8ピン仕様に加工する必要があります。元々8ピンのポルシェ356用フライホイールを使用するという手もありますが、コスト的にはVW用を加工する方が安く付くかと思います。

はい、次はクランクケースを検証していきましょう。
クランクシャフトが収まる各ボアのサイズを測定します。クランクシャフトが収まるボアの直線がキッチリ出ているか確認する必要があります。VWエンジンはクランクシャフトをケース左右から挟み込むを右な構造になっているんですね。その際、組み付け精度、バランス、そしてベアリングがキッチリクランクを押さえていることが大事。
  

ここはクランクシャフトが回る箇所なので、ケースの水平方向と平行でキッチリとラインが出ていないと、異常振動の原因となります。特に過去にオーバーヒートが発生したり、クランクシャフトが歪んでいたりしたエンジンだと、ケースが微妙に歪んで、各ボアの位置関係が変わってしまうこともあるんですね。これを修正するにはラインボアという手法で、ボアを削り、オーバーサイズにしてキッチリとラインを出します。このオーバーサイズはVWワークショップマニュアルによると0.5mm単位で行うと記述されております。ラインボアのチェックは機械加工屋さんで行う必要があります。
 

まあ、今回はまだ機械加工屋さん持ち込む以前の段階なので、とりあえずはボアの状態を確認します。Made in Chiaのデジタルゲージで各ボアを計測したところ、各箇所大体60.44mmという数字でした。
 

新品のケースであれば、ここは60mmのはず。ワークショップマニュアルによると60.119mmまでが許容範囲とありますが、このケースは明らかにオーバーサイズ。つまりラインボアが一度行われているケースであるということがわかります。各ボア、キッチリ数字が出ておりましたので、問題なさそう。

このクランクケースとクランクシャフトの計測を行うことで、エンジンを組む際に必要であるメインベアリングのサイズを判断することが出来るわけですね。もちろんケースのラインボアのチェック、クランクシャフトの歪み、バランスをチェックした上でのハナシですがね。

ということで、クランクとケースの状態が把握できました。次のステップは機械加工屋さんでエンジンを組み上げるためのチェック、必要であれば加工を行うことになるかと思います。あ、その前にフライホイールも手に入れなくちゃ。あ、ヘッドもないし、コンロッドもない、プッシュロッドもないよー。

つづく。

「空冷VWに乗る100の理由」 其の壱~其の九はこちら!

フォルクスワーゲンTYP-166 シュビムワーゲンのサイトはこちら。

これまでのインターメカニカの模様はこちらからチェックできます!

これまでの1958Bugの模様はこちらでご覧になれます!


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Posted by : Shin Watanabe : March 28, 2007 11:08 PM

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