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September 30, 2009

Weberキャブレターの奥深さを垣間見る

いやー、Weberキャブレターって、本当に素晴らしいですね。
Weberの奥深さにすっかりハマってしまいました。この楽しみはこれまで所有していたストックのSolexでは決して味わえないものかもしれません。


今回、我がインターメカニカに搭載されるポルシェエンジンの新たなキャブレターセッティング出しを試みてみました。

するとエンジン特性が激変!

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我がインターメカニカに念願のポルシェ912エンジンを搭載してはや10ヶ月。キャブレターはWeberの40IDFが搭載されておりますが、これまでのセッティングも決して悪くはなかったと思います。ちなみにこれまでのキャブセッティングは以下の通り。

Venturi(ベンチュリサイズ):32mm
Main Jet(メインジェット):1.35
Idle Jet(アイドルジェット):0.55(0.52のときもありました)
Air Correction(エアジェット):1.80
Emulsion Tube(エマルジョンチューブ):F11


このセッティングで我がポルシェエンジンは3500回転から素晴らしい吹け上がりを見せてくれました。高回転域での鋭い官能的な伸びとレスポンスは、一度体感してしまうと中毒になってしまうほどの危険な味わいです。とにかく回して気持ちいい! というセッティングでした。ただその一方で、アイドルジェット(低速域)からメインジェット(中速域)への切り替わり領域で若干トルクカーブにフラットスポットがあり、それが低速域のトルク感に物足りなさを感じるときもありました。ただ決してトルクが細いわけではないのですけどね。あくまでもフィーリングの話です。


そこで、このトルクカーブをリニアな特性にすべく、ある程度Weberのセッティング方法をある程度習得したところで、さらにセッティングを煮詰めていこうと考えていたのです。まあ実際のところワタクシWeberのことマスターしたなどと言うにはほど遠い知識と技量だと思うのですが、いつまでもリサーチしていてもはじまらないので、トライ&エラーで習得していこうという作戦です。

さて、Weberキャブレターですが、VWやポルシェに標準で搭載されていたSolexとの決定的な違いは、エマルジョンチューブの有無といえるでしょう。エマルジョンチューブとは何か? それはWeberの奥深い世界の入り口でもあります。Emulsionを直訳すると乳状液ですが、Weberキャブでの役割はメインジェットを通ってきた燃料とエアコレクションを通ってきた空気を乳化(混ぜ合わせる)させること(下の写真Tの部分がエマルジョンチューブ)。



このエマルジョンチューブ、なんと20種類近くも存在し、これを変えるだけで、混合気の特性が大きく変わりエンジン特性に大きな影響を及ぼすのです。まさに料理の世界のようで、 エマルジョンチューブのチョイス1つでエンジンの味がガラリと変わり、ひとたび究極のセッティングを見つければ、そこには今まで味わったことのない官能の世界が待っているわけです。ただしそこにたどり着くには奥深い茨の道が続くのです。

今回はエマルジョンチューブの交換を試してみることが一番の目的なのですが、その前にちょっとキャブレターのベーシックをご紹介。ただWeberのセッティングはチューナーそれぞれのノウハウや考えもあると思いますので、あくまでも参考としてチェックして頂けると幸いです。

セッティングを煮詰める上でWeber IDFの場合、アイドリング、低速領域(プログレッションサーキット)と中速域以降(メインサーキット)で系統を分けて考えていきます。

特にメインサーキットはメインジェット、エアコレクション、エマルジョンチューブが担当していますが、この組み合わせで実にきめ細かいセッティング出しが可能になっています。またエアコレクション、エマルジョンチューブは低速領域(プログレッションサーキット)での特性にも大きな影響を及ぼします。そうなんです、Weberだとメインジェット、エアコレクション、エマルジョンチューブの組み合わせ次第で無数のセッティングが可能なわけなんですね! ただそれ故に泥沼にハマってしまうケースもあるようで、ここに「Weberのセッティングは難しい」といわれる理由があるのかもしれません。でもWeberは気まぐれで気難しいキャブレターなどではなく、いじったとおりに忠実に反応する(体感するほどその効果が確認できる)実に分かりやすいキャブレターだなという印象です。

さて、今回のセッティング、アイドルに関してはすでに満足いく結果になっていますのでジェットはそのまま。
私のポルシェエンジンの40IDFは気候条件によって.52か.55を使い分けています。

今回は低速領域(プログレッションサーキット)と中速域以降(メインサーキット)のつながりをスムーズにしていきたいので、エアコレクションとエマルジョンチューブを中心に煮詰めていきたいと思います。

ただその前に全般のセッティングのおさらいをしておきましょう。最初のステップがベンチュリサイズの決定。下の図をご覧下さい。4、6気筒エンジンの排気量ごとのベンチュリサイズのチャートです。



ここで注意が必要なのはVWやポルシェの空冷4気筒エンジンでツインキャブにした場合、計4つあるベンチュリひとつひとつが1気筒ごとに混合気を送り込むので、下の表を参考にメインベンチュリサイズを決定します。1気筒ごとの排気量と回転数を元にベンチュリサイズを算出します。私のポルシェエンジンの場合は1720cc÷4=430cc、5500~6000rpmということで算出すると、ベンチュリ径32~34mmくらいがベストと言うことになりますよね。 現在わたしのWeberには32mmのベンチュリが装着されています。


ベンチュリ径が決まると、次はメインジェットのセレクトです。メインジェットは中速域以降の燃料供給量を決める重量な役割を担っています。

メインジェットのセレクトにはなんと公式があり、

ベンチュリ径×4=メインジェットサイズ

なのだそうです。私の場合ですと、
32mm×4=128メインジェット。つまり約130メインジェットと言うことになります。ただこれはあくまでもスターティングポイントの目安で、ここから気候や走行条件に合わせてベストセッティングを探ることになります。実際私のポルシェエンジンの場合ですと今のところ135で落ち着いております。

さらにエアコレクション(エアジェット)算出の公式

メインジェットサイズ+60=エアコレクション

となっています。エアコレクションはその数値が大きくなると、エアの流入量が増えるので、エマルジョンチューブで混ざり合った混合気は薄くなります。燃料を濃くしたい場合は番手を小さく、薄くしたい場合は番手を上げます。

私の場合だと、メインジェット:130+60=エアコレクション:190
ということになります。これまでは180をチョイスしています。

さて、エマルジョンチューブに話を戻しましょう。Weber 40IDFの場合、標準で装着されているエマルジョンチューブはF11で、当然これまでそれを使用してきたわけです が、今回ためしにF7を試してみようとなったわけです。

写真はエアコレクションとエマルジョンチューブ、メインジェットが組み付けられた状態。上部に取り付けられるエアコレクションエアが吸入され、下部に装着されるメインジェットから燃料が流入します。

メインジェットを通ってきた燃料は、エマルジョンチューブ下側の穴から排出。チューブ外側を通りメインノズルに燃料が供給。一方エアジェットを通って流入してきたエアは、エマルジョンチューブ内部を通り、レイアウトされた穴から吹き出し、燃料と混合されるようになっています。


ではF11とF7で何が違うのかチェックしてみましょう。写真左2本がF7、右2本がこれまで装着されていたF11です。共に下側がメインジェット、上側にエアコレクションが装着されます。F11に比べてF7はチューブの径が小さいため、ガソリンの通り道が若干広がります。つまり燃料の供給量が増えることが期待できます。



エマルジョンチューブ真ん中近辺から上部にある小さい穴からエアが供給されます。穴の高さと数の違いをチェックしてみましょう。 F11方が大きいエアの抜ける穴が上向きにレイアウトされていることに気が付くと思います。しかも大きい穴に加えて上部ににも数カ所穴があけられています。一方のF7は小さい穴が下の方にレイアウトされています。

さらにチューブ中央部の太くなっている部分デザインも違いますよね。この中央部の太くなっている部分の上端が下にあるとプログレッシブからメインサーキットへの移行が早くなる特性があるそうです。左がF11、右がF7です。


実際にF11とF7のエマルジョンチューブにエアコレクション側から息を吹いてみると抜け方が全く違います。F11の方が抵抗が少ない感じですね。つまりF11はアクセル開度が少ない段階(踏み始め)からエマルジョンチューブが効き始め、つまりエアと燃料のミックスがはじまり、混合気の補正が早い段階ではじまります。F11はベンチュリ径の小さいセッティングに有効と言われています。VW用に用意されている40IDFの場合、28mmベンチュリ、F11エマルジョンの組み合わせが多いようですね。

一方のF7はエアの抜ける穴が下部にレイアウトされており、アクセルの開度大きくなってエアの流入圧力が高くなった際により燃料とエアが混ざり合うことになるわけです。つまり低中速域では燃料が濃くなるセッティングになるわけですね。これはベンチュリ径の大きいセッティングに有効と言われています。

まあ大体こんな原理であると考えられます。ということで今回はエマルジョンチューブをF11からF7に変更してみます。これまでのF11に比べてF7はチューブの径が小さいため、ガソリンの通り道が若干広がります。つまり燃料の供給量が増えることが期待できます。混合気が濃くなることが予想されるので、エアコレクションのサイズもアップしておきます。まずは1.80から2.00にアップして様子を見てみることにします。 

で、今回のセッティングは以下の通り。
 
Venturi(ベンチュリサイズ):32mm
Main Jet(メインジェット):1.35
Idle Jet(アイドルジェット):0.55
Air Correction(エアジェット):2.00
Emulsion Tube(エマルジョンチューブ):F7

で、結果は。

低速域のトルクが大幅に増しました。ドライバビリティも大幅に向上し、本当に運転しやすくなりました。
さらにアイドルジェットからメインジェットへの切り替わりもリニアになり、フラットスポットも無し。
2000回転からの加速でアクセルをちょこっと乗せただけでトルク感が全く違います。
4500回転あたりからの高回転域での鋭さ(レスポンス)が若干失われたように感じますが、悪くないと思います。
もしかしたらエアコレクションのサイズをワンサイズ落とすことで鋭い伸びが得られるかもしれません。

この辺はプラグの焼け具合を見ながらさらに煮詰めていきたいと思っています。

ということで今日はこの辺で。

ではまた。

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Posted by : Shin Watanabe : September 30, 2009 4:06 AM

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コメント Comments

こんにちは、インターメカニカ本社BBQでお会いしたSSです。
チャートによると排気量に対しベンチュリィサイズ32㎜は大きいように思うのですが、あくまでチャートは目安なのでしょうか又は私の見方が間違っていますか?
WEBERには興味あるので結果が楽しみです。

投稿者 Posted by SS : February 25, 2010 12:07 AM

SSさん、どうもご無沙汰しています! お元気ですか?
チャートですが、1番目のチャートの場合だと確かに1720ccで32mmだとオーバーサイズとなるのですが、空冷4気筒車でツインキャブにする場合はちょっと特殊で、計4つあるベンチュリひとつひとつが1気筒ごとに混合気を送り込むので、2番目のチャートを参考にベンチュリ径を算出します。自分のポルシェエンジンの場合は1720ccで1気筒あたり430cc、ピークパワーが5500~6000rpmということで算出すると、ベンチュリ径32~34mmくらいがベストと言うことになります。

投稿者 Posted by シンノスケ : February 28, 2010 5:05 PM

コメントした後日にもう一度投稿内容を読み返すと、「下の表を参考に・・」とちゃんと書いてあるじゃないですか。 失礼しました。
因みに近所の修理屋さんに912の5速ミッションとエンジンを載せ換えたIMがあります、後はキャブのセッティングだけと言ってましたが、ポン着けで終わらないんですね。

投稿者 Posted by SS : March 1, 2010 9:39 PM

SSさん、どうもです。
日本にも912エンジン、5速ミッションのIMがいるんですか? 自分も次は5速にしたいなと思っていますが、エンジン交換の用に簡単にはいかないようです。非常に興味深いですね。
キャブのセッティングは、そうですね特に最近のWeberは新品でもポン付けは禁物で、きちっと初期設定を出してあげないといけません。でないといつまでも適正な同調を取ることができないんです。でもとても扱いやすいキャブレターだと思います。

投稿者 Posted by Shin Watanabe Author Profile Page : March 4, 2010 6:28 PM

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