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March 3, 2010
009から022へ変更
このタイトル、一体何のことと思われるかもしれませんが、クラシックVW-ポルシェな方ならピンと来る方も多いはず。Boschのディストリビューターの番号です。私のインターメカニカに搭載されるポルシェ912エンジンはこれまで009が装着されておりましたが、この度022に変更いたしました。
これまで009でも絶好調だった912エンジンですが、022に変えてその結果は、、、
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022デストリビューターは1963年に登場したメカニカルアドバンス式のデスビです。356CやSC、そして912まで使用されていました。
今回装着したBosch 022デスビはオレゴン州のVintage Werksでリビルトされたもの。Vintage WerksのEdさんはビンテージVW&ポルシェを専門にデスビ、フューエルポンプ、キャブレターのリビルトを手がけていらっしゃいます。デスビのリビルトの際にはしっかりと進角カーブのテスト測定も行ってくれており、レポートを添付してくれるのです。アメリカには細かいパーツ単位、分野でのスペシャリストが数多くいてくれるおかげで本当に助かります。まさに自動車文化大国を実感する瞬間でもあるのです。
さて、気になるデスビを交換した結果ですが、正直にいうと、009から022に変更して劇的に体感できるほど変化を感じることはできませんでした。まあ、当たり前と言えば当たり前の結果なのですがね。
本来VW用のデスビである009ですが、これをポルシェ356/912に装着した場合、評価は真っ二つに分かれます。
009でアイドリング側(スタティック)で適正の進角(3度BTDC)にセットすると、3000回転で20度程度ほどしか進角せず、規定値から10度ほど進角が足りなくなってしまいます。このセットアップでドライブすると、912エンジンにとって009は全くダメダメなデスビとなり、本来のポテンシャルを得ることができずに大幅なパワーロスを感じることになります。
ところが356/912エンジンで009のセットアップに関しては裏技があって、3000回転時にセッティング出しをすると結果は全く異なるモノになります。3000回転をキープした状態で30度の進角が出るように、009デスビを回しながら進角を進めてセットアップしてあげると、あらまた不思議、356/912エンジンは水を得た魚のように素晴らしいポテンシャルを発揮してくれるのです。ただちょっと気になるのは、アイドリング~1500回転側で進角のカーブが若干適正から外れてしまうのはないかという懸念。009の正確な進角カーブデータを持ち合わせていないので、4点のみですが実際測定したところ、900回転では5度BCTD、1000回転では8~9度、1500回転では15度と、3000回転では30度と912エンジンのスペック適正許容範囲内に収まっていることが確認できました。またこのセットアップだと009の方が356/912のストックのデスビよりもパワーが得られるという説もあるのですが、正確なパワーデータを取ったわけでもないので実際のところは分かりません。009で実際ドライブした印象では低速域からのトルクあり、3000回転以上からののびも素晴らしく、これまで1年以上のドライブで問題に感じた事はありませんでした。
私の見解ではポルシェ356/912エンジンでの009の評価が真っ二つに分かれている理由は、タイミングをアイドリングで取るか、3000回転でセットするか否かでないかと考えています。
ただ、見た目、つまりアピアランスの点ではやっぱり022ですよねー。鋳物でできた黒いボディの022。素晴らしいじゃありませんか。
さて、デスビの交換ですが至って簡単。これまで付いていた009を引っこ抜いて、022を取り付けるだけ。新しいデスビの取り付けの際には、もちろんポイントギャップの調整、可動部分への油脂の注入を忘れません。
装着の際には1番シリンダーが上死点に来るようクランクプーリを回しておきます。デスビを装着した際に検電ランプがあれば、点火時期を合わせてあげることによって、交換直後でも確実にエンジンをスタートさせることができます。
実際のタイミング調整はタイミングライトを使用します。
ワークショップマニュアルでは356/912エンジンは年式によってはエンジンを停止した状態で検電ランプでタイミングを出すもの、タイミングライト(ストロボライト)エンジンをアイドリングの状態でセッティング出しするモノがあるようですが、個人的にはタイミングライトでのセッティングをオススメします。しかもアイドリングだけでなく、1500回転、3000回転でのタイミングチェックもオススメします。なぜならキャブレターと一緒で、アイドリングの設定をしただけではなく、上の回転域での本来の性能がしっかり出ているかチェックしたいですよね。タイミングのセッティングも一緒で、実際のドライブで使用するエンジン回転域での進角が出ているか否かで本来の性能が引き出されるか、それともパワーロスに繋がるのか。つまりデスビが正常に機能しているか確認することができるのです。
そこでタイミングライトの登場です。こちらは長年愛用してきたパナソニックのタイミングライト。スパークしたときにストロボが光るオーソドックスなタイプですが、356/912エンジンの場合ちょっと問題が発生します。それはクランクプーリーにTDC(上死点)マークしかないので、進角3度、15度、30度を測定するのが難しいんですね。プーリーにマークする方法もあるのですが、規定タイミング箇所までの寸法を測るの面倒くさいし、マークを入れてしまうと見た目が損なわれてしまいますよね。
ということで強力なツールの登場。デジタルタイミングライトです。ストロボの光るタイミングを1度単位で調節(オフセット)することができるタイプなんですね。しかもタコメーター、電圧計、さらにデスビの角度(Dwell)セッティングまで表示可能な高性能タイミングライトなのです。これを使用するとプーリーに上死点(TDC)マークしかなくても、アイドリングから高回転時の規定の進角を自由自在に測定することができるのです。
使用方法は至って簡単。バッテリー式でないので、電源をジェネレーターから取り、1番シリンダーのプラグコードにつなぐだけ。これでタイミングの測定ができます。
ということで、装着され、タイミングのセッティングもバッチリの022。
素晴らしいの一言に尽きます。
ではまた。
Posted by : Shin Watanabe : March 3, 2010 6:18 PM
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