April 16, 2010

iPadがもたらす大きな変化は思った以上にすぐそこに来ているのかもしれない。

インターネットが一般的に浸透し始めてかれこれ15年くらいでしょうか。今思い起こせば、インターネットの普及とほぼ同じ頃に、巨大な船の底に小さいボルト1本ほどの穴が開いたのかもしれません。そのころからちょろちょろ水漏れが始まっていたのかもしれませんが、その船はあまりに大きく、船体の異変に当初は誰もが(特に業界内では)気がつくわけもなく。しかしその船体の底には少しずつ浸水が進み、着実に沈下が進んでいます。その沈下のスピードはここ数年で加速してきたように思うのは、不景気のせいでもリーマンショックのせいでもない。ラジオ広告の総売上はすでに数年前にネットに抜かれ、昨年、ネット広告はとうとう雑誌・新聞広告をも追い抜いてしまいました。 そうです、出版業界という巨大船のハナシです。日本市場での雑誌書籍の売上総額は1996年をピークにかれこれ15年、ずっと減少傾向。これに反比例するかのように雑誌書籍の返本率は上昇する一方。これは単に不況が原因ではなく、市場の構造変化によるものとしか考えられません。

音楽CDが電子配信に置き換わっているように、出版業界の構造も、思った以上に早く変わる日が来るかもしれない。でもそんなことが起こるのかどうか? とうとうそれを予感させる端末が登場しました。これが未来のペーパーレスメディアの姿になるのでしょうか。

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またしてもApple。そうです。iPadです。どうせ巨大iPhone/iPod Touchの巨大版だろ。そんな気持ちで足を踏み入れたAppleストア。しかし触った瞬間、これは欲しい。欲しいというより買わなくてはならないと思いました。まさに即決。ここまで引き込まれる商品に出会ったのは久しぶりです。いよいよ登場した便所に持ち込むことができるメディア端末。しかもそれは全くストレスフリーで動き、読み物だけでなく動画や様々なコンテンツをもたらしてくれるマルチメディア端末ときている。

日本ではまるでiPadが黒船で、それに戦々恐々としている出版業界という縮図で一部報道されている印象を受けますが、少なくとも出版社にとってはiPadの先に暗黒の世界が待っているのではなく、バラ色の世界が待っているのではないかと思うのは、あまりに楽観的でしょうか。 ただし未来を暗黒にするかバラ色にするか。それはこれから起こりうるであろう、大きな構造変化を先取りできるか否かに掛かっているのではないかと思います。

これまでの出版業界、つまり著者、版元から取り次ぎ、書店、読者までの業界構造に大きな変革が訪れ、ばっさりと中抜きが起きるのはまず間違いないのでしょう。おそらく電子雑誌や書籍を配信する新しいインフラは、これまでの取り次ぎ、書店という流れを淘汰してしまうかもしれません。ただそれはコンテンツを所有する出版社、著作者と読者がほぼ直接結ばれる時代がやってくる事を意味します。音楽CDがそうなったように、家にいながらして何十万、何百万種類もの書籍や雑誌をダウンロード購入することできるような時代になるのです。世の中から紙媒体が無くなることはないと思いますが、その大半はペーパーレスに置き換わることでしょう。なぜなら紙媒体から電子媒体に置き換わることによって、版元にとっては印刷コストは丸々無くなり、膨大な紙資源も必要なくなり、配本や返本のための運搬コストも必要なくなります。つまり今、日本の至るところで叫ばれているCO2削減とは違う、本当の大幅CO2削減が実現できるのです。その上、在庫を持つ必要がなくなるので、コンテンツホルダーはこれまで蓄積してきたバックナンバーやアーカイブを販売することも可能になります。

さらに著作者にとっては紙媒体では良くて1割程度だった取り分(印税)もAppleやAmazonのインフラを使用すると、なんと印税7割が可能になる上、インフラ網はワールドワイドに広がっているので、世界中の読者と繋がることができるまたとないチャンスになるはず。

ただ問題が1つだけあります。それはコンテンツの価格構造。アメリカでは書店で15~30ドルで売られている書籍に関しては、AmazonでKindle用電子版が9.99ドル程度。、雑誌に関しては電子媒体で販売となるとというと、せいぜい5ドル程度まででしょうか。いや2~3ドルくらいの値段がいいところかもしれません。ネットの情報は無料が基本な世界なだけに、果たして5ドルでも雑誌の電子版が売れるのか? これはまだ何ともいえません。

ただ、ネットにアップロードされ、無料で手に入れることができる海賊版MP3ミュージックが氾濫していた頃、iPodを送り出し、iTune Music Storeという巨大インフラを構築し、音楽の電子配信を健全なビジネスモデルにした実績のあるAppleだけに、これからのApple、Amazonなどによる読者が使いやすいデジタルコンテンツのインフラ作りに期待したいところです。この手のインフラ作りに関しては全くをもって日本は不得意と言っていいですからね。

Appleは出版業界の大きな収入源である広告に関しても新しい提案をしました。コンテンツの売り上げで利益を確保するのが難しいとなると、メディアとしては広告収入に頼るしかありません。ただし、その点でAppleは希望の光も見せてくれたのです。

4月8日に行われたApple iPhone OS 4.0キーノートでアナンスされたモバイル広告プラットフォームのiADです。iPhone OS4で実現するそうです。当然iPadプラットフォームでも対応します。Appleは広告すらも楽しいコンテンツに変えてくれる可能性を見せてくれました。それにしてもSteve Jobs氏のプレゼンテーションには引き込まれてしまいますね。



Appleは我々が考えている以上に著作者、出版元のことを考えているのかもしれません。
ビジネスとして成り立つ広告収入が見込めるとなれば、出版社は一気に流れるかもしれません。

ただ古いビジネス体系のしがらみで身動きができないと、古く錆び付いてしまった巨大な船と一緒に沈んでしまうことになりかねません。きっと古い体質の出版社が足踏みしているうちに、これまで出版業界とは全く関係ない新しいベンチャーも生まれ、この業界に参入してくることでしょう。

そんな思いを馳せながら私もオーダーしました。iPad。

いつも参考にしている池田信夫氏のブログ。
http://newsweekjapan.jp/column/ikeda/2010/01/ipad-2.php

http://ascii.jp/elem/000/000/505/505144/

http://ikedanobuo.livedoor.biz/

ではまた。

Posted by Shin Watanabe : 6:06 PM | コメント Comments(0) | トラックバック TrackBack (0)

December 12, 2009

オーストラリアの交通事故を警告する恐ろしいコマーシャル

是非ともご覧ください。
オーストラリアのTransport Accident Commission(交通安全委員会)が製作した非常にメッセージ性の強いコマーシャルです。交通安全を願うコマーシャルを製作して20周年を記念して製作されたものです。

ご覧いただくには Flash Player が必要です。

Don't drink and drive.
安全運転を心がけください。
ソース先

Posted by Shin Watanabe : 11:54 AM | コメント Comments(0) | トラックバック TrackBack (1)

October 16, 2008

最新のオイルは空冷エンジン(旧車)にとって最適なオイルとは決して言えない。

「高級オイルを長く使うより、安いオイルをよりこまめに交換した方が良い。」
オイルの選び方によってはもはやこの決まり文句も通用しない時代が来てしまいました。色々調べると、クルマの進化、環境の変化と共にオイルを取り囲む状況もずいぶんと変わってしまったようなのです。


旧車乗りの皆さま、あなたはどんなオイルを入れていますか? 最新規格のオイルはすでに空冷エンジン、旧車にとってはサラダオイルにもなりません! まあ、これは極端な表現かもしれませんが、私にとってはそれほど深刻な事態であります。

続きは↓をクリック!

ワタクシが長く愛用してきましたオイルKendall。ずいぶん前に当ブログでも長々とオイルについての考察を書きましたが、その溺愛してきたKendallオイル、現在カリフォルニアでは入手困難となってしまいました。備蓄していたKendallもついに底をついてしまい、さて、どうしたモノかと、インターメカニカに搭載するポルシェ912エンジンのためのオイルを色々物色していたところ、ちょっと気になる記述が色々目に飛び込んできました。


現在エンジンオイルは、グレード、規格などは国際規格で定められていますが、最新の規格は空冷エンジンまたは旧車にとってエンジンをプロテクションするための必要不可欠である成分が排除されてしまっている物が多いそうなのです。

オイルの規格はアメリカ石油協会(API)が制定しているモノがほぼ世界標準ですが、そのAPIのSH/SJ/SL規格あたりまでのオイルにはエンジンの耐摩耗性に必要不可欠なZDDP、いわゆる亜鉛(Zn)、リン(P)成分、が0.12~0.14%含まれておりました。しかし、これが最新規格のSMでは0.10%以下にしなくてはならなくなりました。最近のエンジンオイルのトレンドは亜鉛(Zn)、リン(P)成分は多くても0.06~0.08%、もしくはそれ以下まで除去されてしまっているのです。

これはVW、ポルシェをはじめとする空冷エンジン、旧車には致命的なのです。

では、なぜ耐摩耗性、耐久性に有効なZDDP成分が除去されてしまったのか。それは環境基準、エンジンデザインの変化によるものです。亜鉛(Zn)、リン(P)からなるZDDPは有害です。つまり環境的には良くないものですよね。そしてこれら成分は酸化し、オイルに含まれている洗浄剤を消耗していきます。また触媒にも良いモノとは言えません。洗浄剤の性能が落ちてくるとO2センサー(まあこれは空冷VWでは一部インジェクション社にしかついていませんが)が汚れたり、触媒性能の悪化にもつながります。オイル自体が汚れるのも早いので、クルマの性能をきっちり維持していくためには3000~5000㎞程度、もしくは半年ごとのオイル交換が必要なわけです。

それがどうですか。最近のオイルはロングライフ化が進み、それこそ15000㎞、2万㎞オイル交換不要なんて信じられないロングライフオイルがありますよね。実際最新のメルセデス、BMWやVWも15000km、2万㎞オイル交換不要とマニュアルに記載されているみたいです。

またエンジン構造の変化もオイル規格の変化に関係しています。たとえば、カムシャフトと接触しているリフター。空冷VWやポルシェ、またプッシュロッドのV8エンジンなどに広く採用されているフラット式リフターから、今やローラ式に置き換わり、構造的ZDDP成分に依存しなくても潤滑、耐摩耗性能を維持できるようになってきております。このためロングライフ化、ZDDPに依存することなく潤滑が可能になっているようなのです。

現在はZDDPに変わる耐摩耗添加物としてボロン(B)に注目が集まっているようですが、空冷エンジンとの愛称にはまだハッキリとした結論は出ておりません。

この問題はポルシェ356 Registryでも取り上げられております。また他数多くのポルシェ系、空冷VW系、旧車系のForumでも話題になっております。

そりゃもちろん、これら最新規格のオイルを空冷エンジンに入れても、すぐに焼き付いてしまうようなことはないでしょう。でも、自らの愛機の心臓部、しかもその血液の役目をするエンジンオイルに必要不可欠な成分が不足しているとなると、ワタクシは放っておくことは出来ません。普通の走り方で本来使用すべきオイルなら20年持つものが、空冷エンジンに必要成分が欠如したオイルだと5年しか持たなかった。実際本当なのかどうか、現時点でワタクシにその判断は出来ません。でも、5年後に答えが出てしまっては困るわけです。

実際、アメリカの旧車関連のForumなどの書き込みを見ていると、リフターやカムシャフトに問題のあるエンジンが出てきているというメカニックからの報告事例も増えているようです。良かれと思って入れた最新オイルが、実は我が愛するクルマを蝕んでいたなんて、エンジンオーバーホールが必要になってから分かったんじゃシャレになりませんよね。

じゃー、旧車乗りはどうすればいいのよということになりますが、現在ワタクシが考える対策は以下の通り。

● API規格のSMより前のグレードのオイルを入手する。
● SM規格は使用しない。あなたがこれまで使用していたブランドのオイルでも規格移行に伴い成分が変わっている可能性があるので注意が必要。
● SM規格しか手に入らない場合は、ZDDPの補給することが出来るオイル添加剤を加える。(ただオイルとの愛称で不安が残る)
● 使用しているオイルの配合表をチェックし亜鉛(Zn)、リン(P)の配合率をチェックする。
● 旧車のエンジンに適合したオイルを選ぶ。

で、ワタクシ自身が下した結論はこちら。見つけました。末永く使用することが出来るオイルをね。

100% ペンシルバニア産のZDDP成分を豊富に含んだオイルを選ぶ。
そのオイルとは、Brad Penn Oilです。亜鉛(Zn)0.15%、リン(P)0.14%含まれております。


実はこのブランド、ペンシルバニアのブラッドフォードで精製され100%ペンシルバニア産のオイルを送り出しております。価格も調べた範囲では1クオート(946ml)あたり4ドル~6ドル程度。意外とリーズナブルなんです。いいですか、オイルの性能は価格ではないのですよー。特に日本で売られている有名ブランド缶入りの鉱物系オイルは、どこのブランドだろうが、どんなに高かろうが、中東産原油から精製されたナフテン系分子のオイルです。旧車乗りの方には断然アメリカ産のパラフィン系オイルの使用をオススメします

ところでこのBrad Penn Oilにも問題があります。それは入手経路。カリフォルニアでも一般のオートパーツストアでは売っていません。まあ、通販で購入できるので問題ないと言えば問題ないのですがね。今回はサンディエゴにある世界最速のVWドラッグマシンで有名なVW Paradiseから購入しました。日本では取り扱っているショップさんはあるのでしょうか? 


今回はまずはポルシェ912エンジン用にはシングルグレード#30のブレイクインオイルを入手。そうですZDDP成分を多めに配合されたならし専用オイルです。通常用は20W-50でいくかシングルの#40で行くか迷うところです。


Brad Penn Oilで検索してみてください。関連した記述が膨大に出てきます。日本語の記述はほとんどありませんがね。

ではまた。

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Posted by Shin Watanabe : 8:32 PM | コメント Comments(1) | トラックバック TrackBack (0)

March 7, 2007

感慨に浸りながらVWのことを想ふ

カリフォルニアも今日はようやくTシャツで過ごせる暖かさとなってきました。2007年のVWイベントシーズンもいよいよ本格始動までもうすぐ。今年はアメリカだけでなくヨーロッパでもビッグイベントの目白押し。楽しみになってきました。
でもですね。ここ最近世界のVWシーンを揺るがしないかねない出来事が立て続けに起こりました。
それはあまり聞きたくない類の出来事です。
これからは決して増えることがない空冷VW。そしてVWに関わりながら伝説を作った人たちは年々年老いていく。現在の世界のVWコミュニティを取りまく楽しい環境はいつまで続くのだろうか。


そんなことを考えさせられてしまいました。

続きは↓をクリック。

狭い世界だけにちょっとしたことが大きなインパクトにつながることもあります。
それは残念ながら、色々な政治的な対立、意見の相違などを起因とするものです。

アメリカ最大のVWイベントウィークに及ぼす影響は? ヨーロッパのVWシーンはどうなるのだろう? 日本のVW業界に及ぼすインパクトは? そんなことまで考えさせられてしまいました。

事の流れによっては、世界のVWコミュニティを揺るがしかねない大きな出来事だけに、微力ながら私にも何かできることがないかと考える日がここ最近続いております。

対立や意見の相違に色々理由はあるかも知れない。それぞれのサイドにそれぞれの主張がある。
でもその対立する両サイドの人は私にとってどちらもかけがえのない仲間であり、この世界を盛り上げたいと想う人たち。

狭い世界だけにお互いが引っ張り合ってこの世界がマイナスになるようなことだけは見たくありません。


そんなことを思いながら、前回のドイツのイベントのことを思い出しました。そろそろ準備を進めなきゃ。
  

  

  

  

  


みんなで力を合わせて盛り上げていきたいですね!


「空冷VWに乗る100の理由」 其の壱~其の九はこちら!

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Posted by Shin Watanabe : 9:19 PM | コメント Comments(0) | トラックバック TrackBack (0)

March 16, 2006

NO MORE CARBURETOR !? (PSE法騒動で思ったこと。)

ディーゼル車を締め出したり、ヒストリックカーに重課するような国ですから。充分有り得ると思いますよ。キャブレター車に規制の網がかけられるようなことが。

一連のPSE法(電気用品安全法)のニュースを海の向こうから見ていて、そんなことを考えてしまいました。

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今日は新しいカテゴリーの追加です。その名も「Objection! 異議あり」です!
ながーいので覚悟するように!

続きは↓をクリック!

法案の本格施行間際で沸いて出てきたかのように大きく取り上げられることになったPSE法(電気用品安全法)。寸前までまったく議論されないまま、この4月に本格施行される電気用品安全法。実は2001年から施行され、これまでの5年間は猶予期間だったのだそうです。

音楽業界の圧力によって、とりあえずは"ビンテージ”ものの楽器などは対象外にするなどの緩和措置がとられたとのことですが、文化的影響が全く検討もされないまま、このような法案がよくもまあ通ってしまうものです。

周知が足りなかったとしかいえない経済産業省はもちろんですが、我々消費者、メディア側にも大きな責任があると思うのですがいかがでしょうか。このような騒動や議論はそれこそ、法案が成立した2001年以前に起きてしかるべきだったと思うのです。

それにしてもあきれてしまうのは、今回の騒動で緩和措置こそとられることになりましたが、政府は法案をそのまま生かしておき、内容を曖昧にして骨抜きにし、結局のところワケの分からない機能しない法案にして幕引きを図ろうとすること。

ビンテージものは除外すると言いますが、何がビンテージもので何がビンテージものではないのでしょうか? 人によってはタダのがらくた、ある人にとっては宝石のような存在。例え市場の価値がなくても、ビンテージものになりうるのです。どうやってボーダーラインを引くのでしょうか? 市場で価値が高くないとビンテージとは認めてくれないのでしょうか? 

今回PSE法の例外となるのは電子楽器、音響機器、写真関係機器、映写機器などのようですが(詳しくはここに掲載されています)、アンティークショップで売られているようなビンテージな扇風機、冷蔵庫、古いコカコーラのベンディングマシン(自販機)、ビンテージモノのトースターなどはどうなってしまうのでしょうか?

中古電気店もPSEステッカーがなくともビンテージものにすれば販売できるようになるでしょうか? 「PSEステッカー」がなくとも「この商品は鑑賞を目的としたビンテージ電化製品ですので実際には使用しないでください」というステッカーがあれば販売できるのでしょうか?うーん疑問が一杯です。

音楽業界からの反発であわてて緩和措置を設定した感が拭うことの出来ない、今回の措置。本当に大丈夫なの? これでは法案自体も機能しないのではないでしょうか。抜け道を見つけて危険な電化製品を販売する悪徳業者も出てくることでしょう。本来規制すべき所に規制の網が掛からず、正直者だけが馬鹿を見るような。。。

最初から機能しないと分かっている法案なら、潔く一度廃案にして、最初から審議し直してみてはいかがなものでしょう。有識者を募るなどして、文化的側面を守りつつ、法律として機能するよう、キッチリ再検討すべきではないでしょうか。政府が老朽化による火災のおそれのある電化製品や、人体に悪影響が出る製品などを野放しにしたくないというのは、よーく分かります。

ただこんな事を繰り返していたのでは法律がどんどん複雑になり分かりにいものになってしまうと思うのです。もう一度議論し直して誰にでもわかりやすく、危険な電気製品が出回らないようなインフラ作りをすればいいじゃないですか。

悲しいかな文化的なインパクトも検証されないまま、そういった法案が平気で出てきてしまうのが今の日本政府の現状なのです。坂本龍一氏が言うように、文化破壊といわれても仕方がありません。文化大国から笑われてしまいます。これでは文化破壊国家を突き進んでしまうことにもなりかねません。

PSE法は電化製品に関する法案でしたが、これって人ごとじゃないなと思わされてしまいました。
旧車乗りにも降りかかってくるの大問題ではないでしょうか。すでにビンテージなヒストリックカーでもエンジンがディーゼルであるがため、泣く泣く廃車にせざるえないというハナシを聞きました。

日本ではすでに一連のディーゼル車規制によって、それが趣味で乗られていたヒストリックカーであってもディーゼルエンジンを搭載するがゆえに運転すらできなくなってしまうのです。
特例措置などを陳情することは出来ないのでしょうか。

この調子だと、それこそキャブレター車や触媒の付いていない旧車に規制が掛かることも充分有り得るハナシだと思います。

大気汚染問題。環境に優しいクルマを増やしていくことは方向としては間違っていないと思います。
でもですね。。。

ご存じの通り、国土交通省はすでに自動車税制のグリーン化なるものを実施しています。そこには「環境に優しい自動車の開発・普及の促進」と掲げられており、環境自動車(環境負荷の小さい自動車)を購入した場合は軽課、環境負荷の大きい古い型式の自動車に対しては重課。さらに自動車税の重軽課は、軽課と重課とがバランスする税収中立で設定するとあります。

我々VW乗りや旧車乗りが影響を受けるのはもちろん後者の方です。つまりビンテージカー愛好家は『環境に優しい新車』に乗り換え、軽課された分の税金を余分に支払わなければならないのです。

具体的には、車齢(新規登録からの年数)13年超の車は自動車税10%の割り増しになるわけです。これからどんどんハイブリッドや電気自動車などの環境自動車が増え、軽課された車両が増えれば増えるほど、我々旧車乗りはその軽課された分を重課されていくというカラクリなのです。

これって相当やばいことだと思いません? これからどんどんハイブリッドは増えていく一方でも、旧車が増えることはない。分子が爆発的に増えようとしているのに分母は今のままか減っていく一方。

そのうち重課50%、100%増し、それこそ300%増しなんて時代が到来するかもしれません。

果たして我々が大事にドライブしているVWは本当に『環境負荷の大きい自動車』なのでしょうか?
確かに国土交通省の考え方は確かに間違っていないと思います。自動車メーカーが生産する何十万台ものクルマ。その1台1台から排出されるガスが環境に与える影響は計り知れないものがあると思います。よりクリーンなクルマを推奨するのは当然のこと。

しかしビンテージカーの域に達し、大事に乗られているクルマたちも一緒に『環境負荷の大きい自動車』と片づけてしまうのはいかがなものかと思います。

全体の数%にも満たないビンテージカーを所有している人たちに「あなた達!排気ガスのキレイな新しいクルマにお乗りなさい。もしいやであるなら税金割り増しです」これって、相当変なハナシですよ。

現在私が住んでいるアメリカは南カリフォルニア。特に自動車での移動が生活上必要不可欠であるこの地では、日本以上に排気ガスによる大気汚染が深刻な問題となっています。州は本気で排気ガスの削減を各自動車メーカーに要求しており、特にカリフォルニア州は全米、いや世界でも最も厳しい排気ガス基準をクリアしなくてはならないことで知られています。

しかしその一方でアメリカは古いクルマに対して非常に寛大です。特にビンテージカーの域に達した1976年型以前のクルマは、スモッグチェック(2年おきに行う必要のある排気ガスチェック)の必要がありません。

一時期、シュワちゃんによってこの車齢30年以上のクルマのスモッグチェック除外特例措置を撤廃しようとする法案が出てきましたが、SEMA(アメリカの自動車アフターマーケット団体)や旧車、ヒストリックカーなどを専門に扱う保険会社などが猛反発。廃案に追い込まれました。

結局のところ全体のごく数%にも満たないほどまで数の減ったクルマに規制を掛けても、大気汚染問題に何の影響も来さないというのが大方の考え方なのです。ましてやビンテージカーや趣味として使われる特殊なクルマが毎日の足として使われる確率は非常に低く、ガレージに停まっている時間の方が長い。たとえ触媒が付いていなくとも排気ガスをまき散らす時間など大気汚染には影響しない微々たるもの。逆にこのような規制による文化的損失が大きい。そういった考え方なのです。実際にお役所は触媒の付いていないヒストリックカーを見て見ぬふりをするのではなく、文化的遺産として尊重し、カーショーなどを積極的にサポートしています。これって非常に納得のいくハナシだと思いませんか?

カリフォルニアではヒストリックカーの登録費や保険なども非常に安く優遇されています。
ワタシの1958年型ビートルは年間の登録費が70ドル弱、保険も全損や盗難もカバーして80ドル程度。ガソリン代は別として、年間で支払う義務があるのはこれだけ。重量税だの自動車税だの、そんな訳の分からない税金で何十万円もぼったくられることはありません。

日本で自動車が文化的なものとしても認知されない(少なくともお役所には)のは、日本の自動車メーカーにも責任があると思います。

基本的にモデルチェンジから10年以上経てば、過去の遺産は全て破棄してしまう日本メーカー。
これでは旧車が数多く生き残ることが出来ません。
乗り換え促進と逆行するような行為、全体の数パーセントにも満たない数しか残っていない旧車の微々たるマーケットを対象に企業コストを使うのは直接的なビジネスでのメリットはないと思いますが、間接的(メーカーのイメージ、リスペクト度)でのメリットは決して少なくないと思うのですが。。。どうでしょうか?

日本のメーカーもヒストリックカーをもっともっと積極的にサポートしてもいいのではないかと思います。
自動車生産大国なのですから、自動車文化大国としても成長できるようサポートしても良いのではないかと。

販売台数では世界のトップに君臨する日本の自動車メーカーですが、自動車の文化的活動面ではハッキリ言ってお粗末としか言いようがありません。

真面目なハナシこのままでは日本でヒストリックカーをドライブすることが出来なくなる日が来るかもしれない。乗れたとしても相当肩身の狭い思いをさせられる。そんな世の中になってしまうような気がしてなりません。

そのような流れを止めることができるのは我々メディアや一人一人の地道な力です。
今回のPSE法騒動で、小さな力でも力を合わせれば少しでも動かすことができることを証明してくれました。

空冷VWをはじめ、ヒストリックカーを末永くドライブ出来ることを願うばかりです。


今日は非常に長文になりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。
一部レッツプレイVWs15のコラムページより抜粋しています。


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Posted by Shin Watanabe : 7:40 PM | コメント Comments(2) | トラックバック TrackBack (0)