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2005年09月30日
安心した話
こんにちは。9月最後の金曜日、秋晴れ、週末、明日は土曜日、休日っ!
日差しは強いものの、ひんやりとした風に秋を感じます。そろそろ昼飯かあ。
さて、僕が2年前に住んでいた場所は、今の住所から歩いて15分くらいのところ。
至近の交差点には“庚申塚(こうしんづか)”という名称が付けられていました。
この庚申塚の“庚申”とは、いわゆる神道系の言葉で、江戸時代初期の頃から
広まった“庚申信仰、庚申講(こうしんこう)”にちなみます。
この庚申講とは、夜通し眠らずに行なう宴会のようなもの。
そんな宴会を行なう理由は、次のような理由からです。
人間の体内に居るという三尸虫(さんしちゅう)という虫は、
その人間が寝ている間に天帝に人間の悪事を報告しに行くとされています。
報告されてしまうとその後どんな天罰が下るか判りませんので、庚申の日の晩は
夜通し眠らないで天帝や猿田彦や青面金剛を祀って宴会をする風習がありました。
眠っている間に悪事を告げ口しにゆく三尸虫なので、眠らなければ
告げ口は出来ません。バカバカしい話ですが、確かにその通り。
で、この庚申講が発展して、街道沿いや集落の入り口などに、庚申塔という石塔を
建立する風習も広まったのです。庚申塔には、庚申の本尊・青面金剛が彫られ、
加えて、悪事を見ない・聞かない・言わないという意味から三猿も彫られる例が多く
見られます。また、青面金剛や猿田彦、三猿などを彫らずに“庚申塔”とだけ
彫った簡易型石塔も多く見られます。
さて、話を戻しましょう。
以前住んでいた庚申塚の交差点の脇には、青面金剛や三猿が彫られた
見事な庚申塔が建っていました。恐らくずっと昔からあったに違いありませんが、
その塔が建つ裏手の林がアッという間に造成され、マンションの建設工事が
始まりました。今から1年半ほど前のことでした。
ある日その交差点をVWで通った時、庚申塔が姿を消していることに気づきました。
工事で撤去され、どこかに処分されてしまったのか?! そこを通るたびに気をもみました。
野仏、石仏のたぐいは安易やたらと処分したりされるものではありませんが、
個人的には、建設工事や道路工事にからんで廃棄された石仏をたくさん知っているため
もしやここの庚申塔も…と心配していたのです。
この夏前のこと。マンションの建設工事が終わり、周囲を囲んでいた大きなフェンスが
取り除かれました。元々庚申塔があった場所を注意深く観察してみると…無い!!
やはり処分されてしまったのかも。何ともバチあたりなことをするものだ…。
などと思っていたら、しばらく後に、マンションの脇に公園が造成されました。
で、その公園の道路に面した一角に、なにやら見覚えのある石塔が建ちました!!
おおっ、元々あった庚申塔です!! 立派な台座に固定され、道行く人や車を
眺めているではありませんか!! 良かった。捨てられたわけではありませんでした。
↓これが、正面から見た庚申塔です。だいぶ磨耗してはいるものの、なかなか
立派な彫刻がされています。下の方にはちゃんと三猿が見えます。

↓庚申塔の裏側。仏像で言うところの光背(こうはい)に当たる部分です。
石のまま、何も加工はされていません。

↓ちょっと引いて庚申塔を見たところ。やれやれ、これでひと安心。
以前あった場所から20mくらい移動しました。ところで迂闊にも、
以前建っていた場所での撮影をしていませんでした。残念。

皆さんも近所を散歩したり買い物に出掛けたついでに、路傍のお地蔵さんや
石塔に目を向けてみませんか。案外面白い発見があったりしますよ。
実に知っている人は殆ど皆無ですが、大学の卒論は「鎌倉の仏教美術」。
古都鎌倉に照準を絞って、路傍の野仏を徹底研究したことがあるので、
石仏系、仏像系の話はめちゃうるさいのであります。爆。またします。
投稿者 滝沢隆久 : 2005年09月30日 12:30
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