スケーレクス・トリックの進化・つづき
再び気を取り直して、スロットカーの元祖、「スケーレクス・トリック」の古いモデルをご紹介する。先にお見せしたロータス16やロータスFJに続く初期のプラスチック製モデルで、上段がフェラーリ156シャーク・ノーズ、下段がロータス24である。実車の歴史を紐解けば、この2車は共に1961年のグランプリカー(F1)。シャーク・ノーズの方は、フィル・ヒルの操縦で世界王座を獲得したチャンピオン・マシーン、対するロータス24はご存知ジム・クラークの愛機だが、翌年のロータス25が元祖モノコック・フォーミュラカー、しかもチャンピオン・マシーンなので、それに比べると些か地味な存在だ。フィル・ヒル王座の影には僚友ウルフガング・フォントリップスが観客を道連れに事故死するという悲劇もあり、しかもその事故の原因を作ったとして、槍玉にあげられたのは他ならぬジム・クラークであった。素朴なスケーレクス・トリックのトイカーたちだが、いわゆる「当時もの」には、それらが、そうした現実と同時進行だったという点で、メモラビリアとしての「意義」がある、と私個人は考える。現代のプロダクトが、いくらディテールに贅を尽くしても、その意義を凌駕することは容易ではないはずだ。


