アウトウニオンCタイプ・スロットカー●スケーレクス1/28
▲スケーレクストリック1/28「アウトウニオンCタイプ」。ボディ色は白。(1960年代) | ▲16気筒の巨大な心臓がリアに置かれたアウトウニオンは操縦が難しかったという。 | ▲1960年代スケーレクスを象徴する駆動フォーマット。前輪はガイド連動してステア。 |
★画像はポップアップします。★
ドイツの古いGPレーサーを題材とする1960年代のスロットカーのご紹介を続けます。メルセデスは一段落して、今夜はそのライバルであった「アウトウニオン」の代表的マシーンCタイプ(Cヴァーゲン)。モデルは1960年代のスケーレクストリックがラインナップした4種の戦前車種(ベントレー 4-1/2、アルファ・ロメオ8C、ブガッティT59、アウトウニオンCタイプ)の1つです。
上記戦前車種のうち、ベントレーとアルファは1960年代スケーレクスを象徴する人気モデルで、過去何度も再版されていますが、ブガッティとアウトウニオンは、かなりのレア・モデルとなっており、オリジナルの入手は困難。しかし、ブガッティ同様にアウトウニオンもスペインの「ピンクカー」ブランドで数年前に復刻再版されており、しかもオリジナルにおいて最もポピュラーなホワイトのボディ・カラー以外の色と、ピンクカー独自の新しいバリエーションによるラインナップなので、オリジナルを所有しているコレクターでも触手が動く、絶妙の企画だったと言えます。このピンクカー製アウトウニオンは現在でも入手可能と思われます。
オリジナル・スケーレクスに無く、ピンクカー版にしか存在しない面白いバリエーションとしては、後輪を前輪と同径のダブルタイヤとした「マウンテンクライム」仕様があります。
戦前のグランプリ・シーンにおけるアウトウニオンは、磐石の態勢を敷いたメルセデスと比較して、メカニズム面やルックス面でのエキセントリックな面白さが際立っている一方、戦績では明らかに後塵を拝していたようです。しかし国威高揚政策の一環であったこの時期のドイツのモータースポーツにおける最大のヒーローは、アウトウニオンの若きエース、「ベルント・ローゼマイヤー」という名のレーサーでした。操縦の難しいリアエンジン・アウトウニオンをねじ伏せるローゼマイヤーの天才的な速さは伝説となっています。
くだんのローゼマイヤーはグランプリ同様にメルセデスとアウトウニオンが覇を競ったランドスピードレコード(地上最高速)トライアルで命を落としました。彼のアウトウニオンがクラッシュしたアウトバーン脇に立てられた墓標には、現在も花が絶えないと言います。
数年前、ある編集者から聞いた話。日本人ミニカーコレクターの一団とドイツ国内をバス旅行する機会があった折、ガイドが「ベルント・ローゼマイヤーの墓標脇を通る」旨アナウンスしたにも関わらず、反応した日本人は殆ど皆無だったそうです。「自動車の歴史と浪漫を抜きに、ただ集めることだけを追求するのが日本人スタイルなのか」と、その編集者は少し寂しく感じたと言います。私も同感。皆さんはどう思われますか?


