▲ホットウィール1970年発売ラインナップの1台、ポルシェ917。 | ▲スペクトラフレーム以外に写真の「グレー」もラインナップされた。 | ▲カウルが開閉しエンジンも再現される。ゼッケン等の紙シールが付属。 |
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レッドライン期のホットウィール・ラインナップからポルシェ917をご紹介します。個人的にかなり気に入っているモデルです。
ホットウィールと言えば、アメリカ・カーカルチャー、ホット・ロッディングをバックボーンに持つことは衆知の事実、ラインナップもアメリカ車やホットロッド、加えてホットロッディングを根幹とするオリジナル・デザイン・モデルが多いですが、とは言え、ヨーロッパのレーシングカーなども初期から存在します。
個人的にはホットウィール・レギュレーションの枠の中で料理されたヨーロッパ車モデルのテイストが好きです。例えばこのポルシェ、通常のカラフルなスペクトラフレーム・カラーの他に、わざわざ写真のグレー(シルバー)というボディ色が用意されています。ドイツのレーシングカーだからシルバーアローのイメージが強かろうと気を使ったのでしょう。しかし一方で、ホットウィールにおいてはレッドライン+クローム・マグという足回りが絶対なワケで、結果として実車ではあり得ない、極めてエキゾチックな仕上がりとなっています。
加えてグラス・パーツは薄いブルーティントで、内部ディテールの金属地と非常に美しいコーディネーションを見せています。こんな艶やかなポルシェ917の実車を見てみたいものです。
もう10年も前になりますか、カー・マガジンが特集記事のためにポルシェ917Kの実車を富士で走らせることになり、取材前日に借り出されて、整備のお手伝いをしたことがありました。手伝いと言ってもドライバーの体格に合うようにシート(の充填材)を作ることと、ブレーキのエア抜きの手伝いをしただけですが…。
この時のチーフメカは、いにしえの日本GP、予選でクラッシュした式場選手の904を修理して決勝に間に合わせたという伝説の人物でした。明るく元気なこの方のお陰で、午前中から深夜にまで及んだ準備作業を楽しく進めることができたのです。現場のリーダーとはかくあるべき、という見本でした。
さて、仕上がった917をローダーに積み込む時、もちろんエンジンは掛けない状態ですが、917Kのコクピットに座り、ステアリングとブレーキをまかされました。そのコクピットは言うまでも無く全てが剥き出し。そして冗談のように薄いドアやカウル。これに乗って時速300キロでユノディエールを駆けた男達は正に戦士であると思いました。そしてまた、レンシュポルトとは、限りなく兵器に近い迫力をたたえたマシーンだと感じました。その存在感において、サーキットでレーシング・ポルシェに比肩し得るものはない、と個人的には思っています。


